「フィジカルAI産業構造分析レポート2026」を公開 - 株式会社Lister

1,030社のフィジカルAI関連企業データを15の企業ロール・19のバリューチェーンで分析し、日本のフィジカルAI産業の供給構造を可視化

株式会社Lister

製造業領域に特化した市場情報調査・データ提供基盤を開発する株式会社Lister(本社:東京都港区、代表取締役:永良慶太)は、フィジカルAI関連企業1,030社のデータベースを分析した「フィジカルAI産業構造分析・バリューチェーンレポート2026」を公開しました。

本レポートでは、フィジカルAI関連企業を15の企業ロールと19のバリューチェーンレイヤーに分類し、「どの企業が注目されているか」ではなく、フィジカルAIという産業がどのような機能とプレイヤーの組み合わせによって成立しているのかという観点から、供給側の産業構造を分析しています。

分析結果と主要グラフは特設サイト上で公開しています。PDF版レポートと、分析のもとになったフィジカルAI関連企業データベースも無料で提供しています。

フィジカルAI産業構造・バリューチェーンレポート2026 特設サイト:
https://lister.jp/physical-ai/chaos-map/value-chain/report/

調査・分析の背景

生成AIの進化に伴い、AIの活用領域はデジタル空間から、ロボットや機械が現実世界を認識・判断し、実際に動作する「フィジカルAI」へと広がりつつあります。

一方、フィジカルAIという言葉からは、ヒューマノイドやAI搭載ロボットなどの完成製品が注目されがちです。

しかし、実際にフィジカルAIを社会実装するためには、AI・基盤モデルだけでなく、カメラやセンサー、認識技術、制御ソフトウェア、半導体、アクチュエーター、ロボット本体、システムインテグレーション、運用・保守など、多様な企業・技術の連携が必要です。

株式会社Listerではこれまで、フィジカルAI関連企業1,000社超の企業データベースや、595件の導入・実証事例を分析した「フィジカルAI導入・実証トレンドレポート2026」などを公開してきました。

今回、それらの調査をさらに発展させ、フィジカルAIの供給側をバリューチェーンの観点から構造化しました。

分析から見えた4つの産業構造

1.ロボット本体より「認識・センシング」と「SI」の層が厚い

19のバリューチェーンレイヤー別に企業数を見ると、

  • 認識・センシング:247社

  • システムインテグレーション:227社

  • ロボット本体:147社

  • クラウド・通信・データ基盤:105社

  • 自動化・マテハン:104社

  • 販売・ディストリビューション:96社

  • 制御・ロボットOS:89社

となりました。

フィジカルAIの供給基盤では、「動くもの」をつくる企業だけでなく、外界を認識する「見る技術」と、複数の技術や設備を現場へ統合する「つなぐ技術」を担う企業群が大きな層を形成しています。

企業ロール別の企業・組織数

2.供給企業の42.5%が、実装・流通・周辺支援を担う

1,030社のうち、フィジカルAI関連の技術・製品・サービスを外部へ提供する供給企業として896社を分類しました。

その内訳は、

  • Core Supplier:515社(57.5%)

  • Implementation Supplier:275社(30.7%)

  • Supporting Supplier:106社(11.8%)

です。

Implementation SupplierとSupporting Supplierを合わせると381社、供給企業の42.5%となりました。

ロボットやAIなどの製品そのものだけでなく、SI、導入支援、流通、クラウド・通信、コンサルティングなどを含めて産業構造を見る必要があります。

供給企業896社のsupplier type別構成

3.SIレイヤーの77.5%が産業用ロボットアーム関連

システムインテグレーションレイヤー227社のうち、産業用ロボットアーム関連技術を持つ企業は176社(77.5%)でした。

産業用ロボットシステム、FA設備、溶接・搬送・組立ロボット、ロボットSIなど、既存の製造業自動化を支えてきた企業が多く含まれています。

この結果から、フィジカルAIの社会実装は、まったく新しい企業群だけで形成されるのではなく、既存のFA・ロボットSI産業の蓄積と連続していることが示唆されます。

※77.5%は市場シェアや売上構成ではなく、本データベースの技術タグとバリューチェーン分類に基づく企業数です。

SIレイヤー227社に占める産業用ロボットアーム関連企業

4.95.2%が1〜2レイヤーに集中

1,030社・組織のうち、

  • 1レイヤー:672(65.2%)

  • 2レイヤー:309(30.0%)

  • 3レイヤー:45(4.4%)

  • 4レイヤー:3(0.3%)

  • 5レイヤー:1(0.1%)

となり、全体の95.2%が1〜2のバリューチェーンレイヤーに集中しました。

AI、センサー、部品、ロボット、SI、運用までを一社で広く担う企業は少数で、フィジカルAIは多数の専門プレイヤーを組み合わせて実装する、専門分化型の産業構造であることが分かります。

バリューチェーンレイヤー数の分布

既存ロボティクス基盤とAI・基盤モデル層の厚みの差

本データベースでは、

  • 認識・センシング:247社

  • SI:227社

  • ロボット本体:147社

に対し、AI・基盤モデルレイヤーに分類された企業は12社(供給企業896社の1.3%)でした。

この結果だけから「日本はAIが弱い」と結論づけることはできません。企業数は市場規模や競争力を示すものではなく、データベースの収録範囲にも影響されるためです。

一方、本データベース上では、既存のセンシング、ロボット、FA、SIなどの企業層に比べ、AI・基盤モデルを主要機能とする企業はまだ少数です。

今後のフィジカルAI産業を見る上では、既存のロボティクス・FA基盤と、新しいAI・基盤モデル層をどのように接続するかが重要な論点になると考えています。

主要レイヤーとAI・基盤モデルレイヤーの企業数比較

調査・集計方法

調査対象

株式会社Listerが独自に収集・整備したフィジカルAI関連企業

分析対象

1,030社

供給企業

896社

主な分類軸

  • 企業ロール:15分類

  • バリューチェーン:19レイヤー

  • Supplier Type

  • 関連技術

  • 対象業界

調査時点

2026年8月

主な情報源

企業公式Webサイト、製品・サービス情報、プレスリリース等

※本レポートで示す企業数は、株式会社Listerが独自に収集・整備したデータベース内の企業分布であり、市場規模、市場シェア、売上高、企業価値、技術力ランキング等を示すものではありません。

※「フィジカルAI」という名称を明示的に使用している企業だけではなく、ロボティクス、センシング、制御、AI、自動化、SIなど、フィジカルAI産業を構成すると判断した関連企業を広く含みます。

※1社が複数の機能を提供する場合、複数のバリューチェーンレイヤーに分類しています。

PDF版レポート・詳細版データベースについて 

分析結果および主要グラフは、特設サイト上で公開しています。

また、以下を無料で提供しています。

  • PDF版「フィジカルAI産業構造・バリューチェーンレポート2026」

  • フィジカルAI関連企業データベース

→ PDF版レポート・詳細版データベースのダウンロードはこちら(無料)

想定される活用シーン

本レポートおよび企業データベースは、以下のような用途での活用を想定しています。

  • フィジカルAI市場・産業構造の全体像把握

  • 新規事業・事業開発における市場調査

  • 競合企業・周辺プレイヤーの調査

  • 協業先・技術提供企業・SIer候補の探索

  • 営業先候補企業の抽出

  • サプライチェーン・バリューチェーン調査

  • 商社・金融機関・コンサルティング会社における業界調査

  • 投資・M&A候補企業の初期調査

  • 官公庁・自治体における産業政策・支援施策検討

  • メディア・研究機関における企業・技術情報収集

レポート編集者コメント

フィジカルAIという言葉からは、ヒューマノイドやAI搭載ロボット、VLAなど、新しい技術が注目されがちです。

しかし今回1,030社の企業データを構造化してみると、フィジカルAI産業は「AIロボット企業の集合」として捉えるだけでは十分ではありませんでした。

企業数が最も多かったのは認識・センシングとシステムインテグレーションであり、ロボット本体を上回っています。また、企業の95.2%は1〜2のバリューチェーンレイヤーに集中しており、多数の専門企業を組み合わせることで産業が成立している構造が見えます。

日本には、これまで製造業の自動化を支えてきたセンサー、部品、産業用ロボット、FA、SIなどの企業基盤があります。

フィジカルAIをまったく新しい産業として見るのではなく、こうした既存の産業基盤に新しいAIの知能レイヤーがどのように接続していくかを見ることが、今後の産業変化を理解する上で重要だと考えています。

今回のレポートと企業データベースが、市場調査、新規事業開発、協業、営業、投資、政策検討などに活用され、新しい事業機会の発見につながれば幸いです。

今後のフィジカルAI分析レポート

株式会社Listerでは、今後さらに以下の切り口で分析レポートを公開する予定です。

フィジカルAI技術スタック分析レポート

産業用ロボット、画像認識、外観検査AI、AMR・AGV、エッジAIなど、技術×バリューチェーンから供給基盤を分析。

業界別フィジカルAI産業構造レポート

製造、物流、建設、医療、モビリティ、小売、エネルギーなど、業界ごとに異なる供給スタックを比較。

フィジカルAI実装エコシステムレポート

SI、自動化・マテハン、販売・流通、運用・保守など、社会実装を担う企業群を分析。

※掲載タイトルは予定であり、公開内容は変更となる場合があります。

関連サイト

日本成長戦略17分野・62重点技術 関連企業カオスマップ・レポート

https://lister.jp/growth-strategy/chaos-map/

国家戦略 AIロボティクス戦略 関連企業カオスマップ・レポート

https://lister.jp/ai-robotics/chaos-map/

フィジカルAIカオスマップシリーズ

https://lister.jp/physical-ai/chaos-map/series/

株式会社Listerについて

株式会社Listerは、製造業領域に特化した市場情報調査・データ提供基盤を開発している会社です。

製造業・ロボティクスを中心とした企業情報を収集・構造化し、企業データベース、カオスマップ、産業分析レポートとして提供しています。

【会社概要】

会社名: 株式会社Lister

代表者: 代表取締役 永良 慶太

所在地: 〒108-0075 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー8F

事業内容: 製造業領域に特化した市場情報調査・データ提供基盤の開発

公式サイト: https://lister.jp/

代表プロフィール

代表取締役 永良 慶太

東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科修了。

株式会社キーエンスに新卒入社。三次元測定機やレーザー顕微鏡などの開発に携わる。画像処理アルゴリズム開発や、工場における検査自動化プロジェクトに従事。その後、ロボット開発スタートアップにて経営企画に従事し、独立。

本件に関するお問い合わせ

株式会社Lister 広報担当

maker@lister.jp

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会社概要

株式会社Lister

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URL
https://lister.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー8F
電話番号
-
代表者名
永良慶太
上場
未上場
資本金
-
設立
2021年07月