ブライダル業界の構造変化を可視化『業界現状調査2025』結果公開

【全国の631名が回答した全20項目を分析】少人数婚の定着、SNS活用の功罪や人材不足など

株式会社ウィーブ

2025年7月17日 07時00分

　株式会社ウィーブ（本社：大阪市、代表取締役：安田真悟）は、全国のブライダル関連企業を対象に実施した「ブライダル業界現状調査2025」をこのたび公開いたしました。

本調査は2024年に続き2回目の実施となり、全国のブライダル事業者631社からの有効回答をもとに、集客、成約単価、人材採用、DXやAI活用、カップルの価値観変化など、全20項目にわたる実態調査を行ったものです。

■主な調査結果（抜粋）

1. 少人数婚・フォト婚の定着（設問1）

　結婚式を実施するカップルの傾向として企業の回答が55%と過半数を超えた「少人数の結婚式」は、2024年の調査においても“定着した変化”として約6割の回答がありました。

コロナ禍に広まったスタイルが、リスク回避や予算調整といった実務的側面を超えて、カップルの価値観やライフスタイルに根ざした新たな“スタンダード”として浸透しつつあることがうかがえます。

2. 顧客単価と業界内の認識ギャップ（設問5）

　1組あたりの売上については式場関係者では「上昇した」が最多となった一方で、パートナー企業では同回答はわずか10%に留まり、明らかなギャップが出る結果となりました。

また、レポート本編で紹介しているグラフによると、式場では地域や集客力の差により、コロナ禍以降さらに二極化が進んでいる可能性が高いうえに、経営層と現場での評価においても、経営層は現場ほど売上回復を実感しておらず、立場の違いによっても評価が分かれる結果となりました。

3. SNS偏重の集客と運用スキルの乖離（設問8・設問9）

　SNSの活用状況については「最も効果的な集客手段」と回答した企業が77%だったのに対し、実際に「集客を目的に積極的に活用し、成果が出ている」という企業は44%に留まりました。

SNSが実際の集客チャネルとして機能している企業は、とくにInstagramやTikTokといったビジュアルに訴えるプラットフォームで、ブランド世界観や式のイメージを伝える取り組みが奏功しているとみられます。

4. 慢性的な人材不足と対応の遅れ（設問14）

　企業の課題については集客と人材不足が挙げられました。この2つは 2024年調査においても 2大課題と認識されており、前年に続き慢性的な問題として顕在化しています。

特に人材面では、「人手不足」だけでなく「業務効率化」や「育成・定着」の課題感も強まっており、採用後の教育体制の脆弱さや離職率の高さが指摘されました。

5.結婚式の「再定義」が急務に（設問18・20）

　今後の業界変化を大きく左右する要素についての質問には、やはり「SNS強化」（41%）が最多で、次いで「顧客満足度の向上」（30%）、「ナシ婚層への対応」（29%）と続き、式を挙げる顧客への体験価値最大化と、そもそも結婚式を選ばない層へのアプローチという、両面の視点が求められていることが分かります。

「ナシ婚層への対応」は2024年調査でも自由記述で多数触れられており、価値観の多様化や儀式離れが進む中、業界として“やる・やらない”の二択を超えた提案力がますます問われていると言えます。