本格焼酎・泡盛の可能性を世界へ。世界のバーを本格焼酎・泡盛が変える日 ~沖縄県・鹿児島県・宮崎県の蔵元を巡り文化を学ぶツアーも開催~
国内外トップバーテンダーによる本格焼酎・泡盛カクテルの共演と意見交換会を開催
全国約1,600の酒類(本格焼酎・泡盛、日本酒、本みりん)メーカーが所属する日本酒造組合中央会は、本格焼酎・泡盛の魅力を世界に伝える取り組みとして、各国のトップバーテンダーを招聘し、日本の蔵元を巡るツアーを実施しました。その締めくくりとして、2025年10月25日(土)に「日本の酒情報館」(東京・虎ノ門)にて、「海外・国内バーテンダー意見交換会」を開催し、日本と世界を代表するバーテンダーたちが、本格焼酎・泡盛を用いたカクテルの提案と意見交換を行いました。


Photo by Toshiki Yamahata
本格焼酎・泡盛を軸にしたグローバルなカクテルパフォーマンス
イベント当日は、海外からの招聘バーテンダー5名、国内の実力派バーテンダー5名が登壇し、本格焼酎・泡盛の個性を活かしたオリジナルカクテルを披露。レシピの多くは、日本の伝統食材や香味素材を活かした独創的なもので、本格焼酎・泡盛カクテルの可能性の広がりを感じさせる時間となりました。
特に海外バーテンダーからは、ツアーを通じて得た本格焼酎・泡盛の多様な香味に対する驚きと称賛の声が上がり、「原料や蔵による個性の幅が非常に広く、創作意欲を刺激される」とのコメントもありました。
使用された素材もバラエティ豊かで、味噌・醤油・桜の塩漬け・お屠蘇などの和の食材に加え、海ぶどうやトリュフといったユニークな組み合わせが目を引きました。


Photo by Toshiki Yamahata
交流のなかで生まれる新たな発見――国境を越えた意見交換の場に
後半の意見交換会では、和やかな雰囲気のなかで参加者同士が自由に交流。海外バーテンダーからは「米国では素材の本質を重んじる嗜好が高まっており、伝統的製法の本格焼酎・泡盛はその流れに合致する」といった声も寄せられました。
国内バーテンダーも「海外からの視点によって新たな可能性が見えた」「日本発の蒸留酒として、文化背景やストーリーも含めて発信していきたい」と、本格焼酎・泡盛の魅力を再発見。本格焼酎・泡盛のグローバル展開に向けた、大きな可能性を感じさせる時間となりました。

海外・国内トップバーテンダーが見た、本格焼酎・泡盛の魅力と可能性
意見交換で挙がった、本格焼酎・泡盛の魅力についてのトップバーテンダーからの代表的な声をご紹介します。
本格焼酎・泡盛の「香り」「味わい」の多様性
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「蔵が違うと香りのキャラクターがまったく異なる。香りの幅という点で、本格焼酎は他のスピリッツと一線を画している」
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「ワインと違って、米・芋・麦・そば・ごまなど原料が多様。味のプロファイルの複雑さは、逆に言えば伝える難しさでもある」
本質的・伝統的な製法への評価
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「杜氏が手作業で仕込む手間と熱量に驚いた。“工芸品のようなスピリッツ”であることが国際的にも評価されるはず」
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「健康志向の高まるアメリカでは、“合成的な風味を加えていない”という本格焼酎・泡盛の製法そのものが、大きなアピールになる」
海外視点からの素材の再発見
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「お屠蘇や味噌など、日本では日常的な素材が、海外バーテンダーには新鮮に映る。ただ“和”だから使うのではなく、設計された味に素材が自然に寄り添っていることが重要」
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「温かくして提供されるスタイルでは、本格焼酎の風味がより引き立つ。ホットスタイルは今後もっと活用できる」
クラシックレシピを通じた普及戦略
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「新しいカクテルを創るより、既存のクラシックカクテルのスピリッツを本格焼酎・泡盛に“置き換える”ことも、その個性が際立ち、伝わりやすい」
日本人バーテンダーの気づき
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「海外バーテンダーのアイデアは自分にない切り口ばかり。逆にこちらの発想も伝えていけるような、双方向の交流にしたい」
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「トリュフや昆布との組み合わせなど、本格焼酎と素材の相性をもっと広く捉えていい。ガーニッシュの提案にも可能性を感じた」
グローバル展開への展望
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「本格焼酎・泡盛は土地や歴史、職人の思いが詰まった酒。そのバックストーリーごと伝えることで、味の奥行きも増す」
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「海外の文化と親和性のある表現を通じて伝える工夫が必要。“グリューワインのようなホットスパイス”といった翻訳的説明でなじみ深いものに」
沖縄県・鹿児島県・宮崎県の酒蔵を巡るツアー
各国のトップバーテンダーと共に、沖縄県・鹿児島県・宮崎県の本格焼酎・泡盛の酒蔵を巡るツアーを2025年10月20日(月)~10月25日(土)で実施した。
沖縄県では、まず忠孝酒造を訪れ、甕造りの現場を見学。宮里酒造所では横型の蒸留機、瑞穂酒造では貯蔵庫といった泡盛の製造の一連の流れを学んでいただきました。

沖縄県2日目は、沖縄県酒造組合にて泡盛の香りの特徴をフレーバーホイールを活用して体験。その後、石川酒造場に移動して、甕仕込み、甕の貯蔵の様子を見学していただきました。

ツアー3日目は鹿児島県に移動して、芋焼酎の原料となる、さつまいもの芋切りや、もろみ、櫂入体験を国分酒造で実施。若潮酒造では、製麹の様子や世界的にも珍しい木製の木樽蒸留機を見学。

宮崎県に移動し、松露酒造にて見学後に米・麦焼酎テイスティング。小玉醸造では、麹室での仲仕事や麹の切替えしを体験。宮崎県2日目には、芋ほり体験や渡邊酒造場にて麦焼酎の蒸留の様子を見学し、締めくくりました。

Photo by Toshiki Yamahata
主催者コメント
近年、ローカルスピリッツへの関心が高まる中、ユネスコの無形文化遺産に登録された「麹を使った伝統的酒造り」によって造られる本格焼酎・泡盛も、世界から注目を集めています。
このたび、海外の本格焼酎コンペティションで優勝経験を持つバーテンダーを含む5名を対象に、沖縄・九州の焼酎蔵を巡る招聘ツアーを実施し、焼酎の製造背景や文化的価値への理解を深めていただきました。
ツアーの締めくくりとして、日本と海外のバーテンダーがそれぞれの視点から焼酎カクテルについて語り合う交流イベントも開催し、国境を越えた意見交換を通じて、本格焼酎・泡盛を使ったカクテルの新たな可能性を探るとともに、国内外における本格焼酎・泡盛のさらなる発展に繋がればと考えています。
■日本酒造組合中央会について
日本酒造組合中央会は、日本の國酒である本格焼酎・泡盛、日本酒、本みりんの蔵元が所属する日本産酒類最大の団体で、当会は国内だけでなく、海外市場での本格焼酎、泡盛、日本酒の展開を促進しています。当会は、「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」に基づき1953年に設立。日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりんの生産者約1,600社が会員となっており、そのうち単式蒸留焼酎製造者約600社は、2,000以上の銘柄を生産しています。詳細はこちら https://www.japansake.or.jp/
参加者紹介
■招聘海外バーテンダー
・Fabio Di Silvestro ファビオ・ディ・シルベストロ(イギリス)
Kome Izakaya オーナー
2025年UK焼酎カクテル・コンペティション優勝
・Andrea Tateosian アンドレア・タテオシアン(アメリカ)
Rhode Island Spirits ビバレッジディレクター
2025年US焼酎カクテル・コンペティション優勝
・Téo Robil テオ・ロビル(フランス)
AEDAEN Speakeasy バーテンダー
2025年FR焼酎カクテル・コンペティション優勝
・KWEI-LIN, LIU トニック(台湾)
MALTAIL 共同創業者
2019年Diageo World class台湾代表、「𝐀𝐬𝐢𝐚’𝐬 𝐁𝐞𝐬𝐭 𝐁𝐚𝐫𝐬」75位のMALTAIL共同創業者
・Luca Lulli ルカ・ルッリ(シンガポール)
Live Twice(※)ヘッドバーテンダー
※「Asia Best 2025」3位の「Jigger&Ponny」系列店

■国内バーテンダー
・長濱 友太郎
bar hotel 箱根香山 バーテンダー
第6回本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション優勝
・小池 辰弥
ゼンティス大阪 アップステアーズ バーテンダー
第7回本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション優勝
・川久保 安寛
東京エディション銀座 バーディレクター
・小川 杏香
フォーシーズンズホテル東京大手町 VIRTÙ バーテンダー
・宮之上 哲太
Bar RENRi オーナーバーテンダー

■本格焼酎・泡盛について
焼酎は大きく単式蒸留焼酎(焼酎乙類)と連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)に分けられます。自然の原料を使い、昔ながらの製法で造られているのが単式蒸留焼酎で、本格焼酎と呼ばれます。そのうち沖縄県特産のものを「泡盛」と言います。
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