横浜市のスリーハイ、事業活動・脱炭素・地域連携事例をまとめた情報開示冊子「OMOU 2024」を発行
中小企業による財務・非財務情報の開示文化を広げたい――SDGsの進捗や価値創造プロセスを見える化、【中小企業版アニュアルレポート】4年目の2024年版が完成。
産業用ヒーターを製造・販売する株式会社スリーハイ(本社:横浜市都筑区、代表取締役:男澤 誠、以下、スリーハイ)は、持続可能な社会の実現に向けた当社の取り組み及び財務情報を開示した「THREE HIGH ANNUAL REPORT OMOU 2024(以下、「OMOU 2024」)」を発行いたしましたので、お知らせいたします。「OMOU 2024」は、サステナビリティレポートとして発刊した「Sustainability Report 2021」から数え、4冊目となるレポートです。

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「中小企業にも情報開示文化を」――町工場が挑む4年目の情報発信
アニュアルレポートとは、財務情報および非財務情報(企業理念や人材、CSR、SDGsなどの取り組み)を取りまとめた報告書のことです。
アニュアルレポートは財務情報や社会的責任など様々な情報を盛り込んだ複合的な報告書であるため、作成に時間や手間がかかること等の理由から、非上場企業ではアニュアルレポートを発表する企業は少ない現状です。
スリーハイでは、「財務や非財務の情報開示は、大企業だけに求められるものではない」と考えています。むしろ、サプライヤーチェーンの中で選ばれ続けるには、中小企業こそ、積極的に情報を開示し、信頼を築く姿勢が大切だと感じています。
2024年の活動ハイライト
札幌営業所を開設

スリーハイは、2024年2月に札幌営業所を設立しました。スリーハイが神奈川県以外に営業所を設立するのは、1990年の設立以来初めてです。
現在、北海道千歳市では次世代半導体の製造拠点整備が進められています。半導体業界は、スリーハイの製品が活用されている業界の一つです。
これまでスリーハイは、お客様からご相談をいただいたら、「まず現場に急行する」ことを第一にして参りました。
スリーハイが札幌営業所を設立することで、北海道エリアを始め、東北地方のお客様によりスピーディーできめ細かいサービスの提供が可能となりました。
実質無借金経営に

今期「実質無借金(※)」となり、財務基盤の安定化が進みました。これからも従業員や取引先、金融機関の皆さまに信頼され、安心してもらえる状態を保ちながら、将来の成長機会にも備えていきたいと考えています。
※実質無借金経営とは:借入れはあるものの、それを上回る資金を保有しており、いつでも返済可能である状態
持株会社体制へ移行

2024年2月、株式会社スリーハイは、新たに持株会社として株式会社スリーハイホールディングスを設立し、持株会社体制に移行しました。
予測困難な時代にあっても、「ものづくり」を未来に残すため、多角化や海外展開、他社との連携、事業継承など、さまざまな手段を取りや
すくするための選択です。
株式会社スリーハイは、株式会社スリーハイホールディングスの100%子会社となります。ビジョンや業務内容は従来のまま、新体制の下で、
これまで以上に事業経営に専念し、価値を高める挑戦を続けていきます。
第14回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査員特別賞を受賞

本賞は「従業員とその家族」「外注先・仕入先」「顧客」「地域社会」「株主」という5つの「ひと」を幸せにする経営を実践し業績を上げている企業を表彰する制度です。
スリーハイは、書類審査(財務評価及び経営評価)となる1次審査の点数が高い(86点)ことのほか、障がい者雇用への積極的な取り組み、産業用ヒーターというニッチ市場を捉えているビジネスモデルを評価いただきました。
日本のものづくり技術を世界へ〜海外展示会に出展、海外視察団も受け入れ

2024年は、6月にタイ・バンコクで行われた「Manufacturing Expo 2024」、10月に台湾で行われた「Taiwan Innotech Expo (TIE) 2024」と2つの現地展示会に出展しました。
日本でも高い関心がある省エネや燃費効率化だけでなく、室内外の温度差による「結露」対策や、暑い環境下で働く人の安全を守る「遮熱」のご相談など、海外ならではのお困りごとが寄せられました。
また、2024年は海外からの視察団も多数いらっしゃいました。2024年10月には、台湾経済部中小及新創企業署と台湾の中小企業10社からなる視察団がスリーハイを訪問。オーダーメードヒーターと脱炭素製品への関心を背景に、工場見学と交流が行われました。台湾・美科科技股份有限公司との覚書も締結し、国際連携が始動しています。
脱炭素経営〜CO₂排出量ゼロの目標を達成
2024年9月、スリーハイの全工場の電力を再生可能エネルギーに切り替えることで、以後のCO₂排出量をゼロにする目標を達成しました。
今後はScope3の測定に向けた体制を整備し、サプライチェーン全体での環境負荷軽減を目指します。
「OMOU 2024」の進化ーー構成・表現をアップデート
進捗モニタリングの「見える化」【P24-25】
スリーハイのSDGs達成貢献に向けた取り組みについて、従業員の女性比率・有休取得率・地域イベント数・出荷数など、具体的なKPIを明記し、SDGs達成に向けた進捗を定量的に可視化しました。

「価値創造プロセス」をわかりやすく改定【P26-27】
「スリーハイが、事業を通じて社会とどうつながるか」が伝わるよう、イラストと図解で構成を一新しました。スリーハイの価値提供の流れが直感的に理解できるようになりました。

「OMOU2024」編集担当者 徳江 彩貴 コメント

2023年に作成した『OMOU 2023』では、スリーハイが地域・社員・パートナー企業・お客様など、多様なステークホルダーに対してどのような価値を提供しているのかを具体的に伝えることに挑戦しました。そして今回の『OMOU 2024』では、その情報開示の質をさらに高めるべく、構成や表現方法に改善を加えています。
特に、昨年から取り組み始めたSDGs進捗モニタリングについては、定量的な指標を明記することで、より「見える化」を進めました。また、価値創造プロセスのページでは、これまで文章中心だった構成からイラストと図解を用いたレイアウトへと刷新し、製造業としての価値の流れを直感的に理解していただけるよう工夫しました。
そのほか、台湾企業との連携に関する覚書締結、海外展示会出展など、2024年は国際的な取り組みも増えました。社員も引き続きレポート作成に深く関与しており、社内で共有している価値観や日常の取り組みを、社外の皆さまにも丁寧にお伝えできるよう心がけました。
『OMOU 2024』もまた、決して完成形ではありません。今後もステークホルダーの皆様からのご意見をいただきながら、「中小企業版アニュアルレポート」の先駆けとして、改善を重ねてまいります。
代表取締役 男澤 誠からのメッセージ

スリーハイのアニュアルレポート「OMOU 2024」をお届けいたします。これまで「OMOU」を手に取ってくださったパートナー企業の皆さま、従業員、地域の皆さま、そして未来を担う学生の皆さまに、心より感謝申し上げます。
「中小企業版アニュアルレポート」の前例がないなか、手探りで発行してきた「OMOU」も、今年で4冊目になりました。
「OMOU」を発行し始めた当初は「この冊子は何ですか」と聞かれることも多くありました。今では、この「OMOU」を読んでスリーハイの入社を志してくれた社員、スリーハイの事業可能性を評価いただいた金融機関など、国内外問わず当社に関心を持ってくださる機会が増えたと感じています。
経営の透明性や社会との対話がますます求められる中で、中小企業であっても、企業の想いや活動を「ことばと数字」で外に向けて発信していくことの大切さを、私たちは実感しています。この『OMOU 2024』が、私たちの歩みを少しでも身近に感じていただけるきっかけとなれば幸いです。
有識者コメント
※以下は、「OMOU2024」に寄せられた有識者コメントをもとに、一部を要約したものです。

依田真美:相模女子大学大学院 社会起業研究科及び英語文化コミュニケーション学科 特任教授、株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ 取締役(社外)、株式会社横浜銀行 取締役(非業務執行)
『OMOU 2024』では、スリーハイのビジョンに沿った着実な成長が財務面にも表れており、売上の伸長や利益の内部留保によって、経営の安定性が一層高まっています。持株会社体制への移行に伴い資産規模はやや縮小したものの、流動性の改善や純資産比率の上昇など、健全性の向上が確認できます。
昨年掲げた「実質無借金経営」も達成され、財務の見える化という点でも他の中小企業の参考になる内容です。財務・非財務の両面から情報を丁寧に開示しており、今後の成長への土台がより確かなものになってきていることがわかります。

寺本明輝:リエゾンアシストラボ代表、神奈川大学非常勤講師、
中小企業診断士
『OMOU 2024』は、「ステークホルダーをどこまでも温めていこう」というスローガンのもと、現場の取り組みや成果を丁寧に伝えようとする姿勢が一貫しており、レポートとしての成熟を感じます。特に、価値創造プロセスにおいて社会的アウトカムを明確に示した点は、事業の成長と社会貢献を結びつける意図が伝わってきました。札幌営業所開設や新製品開発、持株会社化といった実行力も印象的で、企業価値の向上が数字にも表れています。
一方で、売上成長率やSDGs目標との整合性については、長期的視点でのKPI再設計が望まれます。経営環境の変化に応じた柔軟な戦略設計により、サステナビリティと企業価値向上がさらに統合されていくことを期待しています。

鶴田佳史:大東文化大学 社会学部社会学科教授
『OMOU 2024』は、スリーハイが持株会社体制に移行して初めて発行したレポートであり、「ものを想う。ひとを想う。」というミッションを実直に体現する企業姿勢が伝わる内容となっています。AIを活用したDXや再エネ100%によるGXの推進など、変化する環境への対応力と起業家精神を感じさせる具体的な実践が印象的です。
有給休暇取得率をSDGs目標に新たに加えるなど、「ひと」を重視する視点も評価できます。
一方で、当社は企業として、売上増加にともない販路を拡大し、組織としても変化する時期です。経営理念の浸透や、Scope3を含めた今後の脱炭素施策の実行力が問われる局面にあります。本レポートは、スリーハイの次なる飛躍の礎を築く節目を記録した1冊となっています。
株式会社スリーハイについて

株式会社スリーハイは、「ものを想う。ひとを想う。」を企業理念に、産業用ヒーター及び温度コントローラ等の製造、販売をしています。結露・凍結防止、加熱、保温などお客様のご要望にあわせたオーダーメイドの製品をご提案し、国内・海外の企業様の「困った!」を熱のチカラで解決してきました。ヒーターのエキスパートが日本全国の現場に駆け付け、お客様に寄り添うサービスをご提供いたします。
会社名 :株式会社スリーハイ
代表者 :男澤 誠
所在地 :(本社)神奈川県横浜市都筑区東山田4-42-16
:(札幌営業所)北海道札幌市中央区北4条西4-1-7
設立 :1990年5月24日
事業内容:産業用ヒーター及び温度コントローラ等の製造及び販売
公式サイト:https://www.threehigh.co.jp/
公式Facebook:https://www.facebook.com/threehigh/
公式Instagram:https://www.instagram.com/threehigh.official/
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