多頭飼育崩壊の予防を目指すプロジェクトを特定非営利活動法人「人と動物の共生センター」が開始
~多頭飼育崩壊で苦しむ動物たちの命をつなぐ~
特定非営利活動法人「人と動物の共生センター(本部:岐阜県岐阜市、理事長:奥田順之、以下 人と動物の共生センター)」は、多頭飼育崩壊で苦しむ動物たちの命をつなぐため、ふるさと納税を活用した多頭飼育崩壊の予防を目指すプロジェクトを2024年11月5日(火)より開始いたしました。
本プロジェクトの第一弾として、人と動物の共生センターの鳥取支部での活動を行うため、鳥取県のふるさと納税『ギフ鳥(※)』を活用した寄付募集を行い、多頭飼育崩壊を予防し、動物たちが安心して暮らせる社会システムの構築を目指してまいります。
(※)ふるさと納税の仕組みを活用して、鳥取県のNPO法人や住民団体等の地域づくり団体を応援していただく制度
多頭飼育崩壊の現状
全国各地で発生している多頭飼育崩壊は、2DKの室内に20~30頭の犬猫がいることが珍しくありません。これらの犬猫たちは、劣悪な不衛生な環境の中で生き延びることを強いられています。
そして、十分な食事が与えられず、動物同士の共喰いが見られるなど、過酷な環境が続いています。こうした現場では、動物関係のNPOやボランティアが犬猫を保護し、新しい飼い主を探しています。
プロジェクトの目的
多頭飼育崩壊は社会福祉の問題であり、生活困窮者が動物の多頭飼育という形で表面化した問題です。保護団体やボランティアだけでは限界があります。
本プロジェクトは、本気で問題の「蛇口を閉める」ために、国や福祉制度を動かすことを目的としています。
人と動物の双方を支援する必要性
多頭飼育崩壊の背景には、飼い主の病気や障害、孤立孤独、経済困窮などの生きづらさがあります。動物だけを助けても問題は解決せず、動物を引き離しても再び野良猫を迎えてしまうという堂々巡りが続きます。大切なのは、人と動物の双方を支援することです。
しかし、現在の国や自治体の福祉政策には「ペットを飼っている生活困窮者への支援」は一切触れられていません。そのため、行政の福祉関係部局に「動物福祉との連携」を依頼しても、「管轄でないから協力できない」との回答が返ってくるのが現状で、官民協働で多頭飼育崩壊を予防する社会システムを作る必要性があると考えています。
■ふるさと納税の寄付を活用した具体的事業計画について
鳥取県での実践活動
鳥取県を活動エリアとして、多頭飼育崩壊のリスクのある世帯へのフード提供を行うフードバンクを設置します。
社会福祉関係支援者からの相談受付、生活困窮ペット飼育者世帯に対する相談支援、フード提供、避妊去勢手術の提供を実施します。
全国の活動者を対象にしたオンライン勉強会
多頭飼育崩壊に対する予防的介入、生活困窮ペット飼育者支援に関する実践やノウハウの共有を行うためのオンライン勉強会を実施します。
各地の先行事例を持ち寄り、互いのレベルアップを図ります。
国会での勉強会開催/政策提言
実践活動、オンライン勉強会の成果を踏まえて、国会での勉強会を開催します。参加した国会議員とのコミュニケーションをとり、厚生労働委員会で生活困窮者支援の文脈での審議の内容として取り上げられることを目指します。様々な行政の方針の中に、ペットを飼育している生活困窮者への支援に関する記載を追加し、制度的にペット飼育支援との関連を明確化することを目指します。
報告書の発行
国会での勉強会や、各地域での勉強会開催時に使用する、生活困窮者ペット飼育問題に関する報告書を作成します。
本プロジェクトを通じて、人と動物の共生センターは多頭飼育崩壊の予防と解決に向けた社会システムの構築を目指し、今後も多くの方々のご支援とご協力をお願い申し上げます。
■多頭飼育崩壊の予防を目指すプロジェクト開始にむけて
・人と動物の共生センター 理事長 奥田 順之よりプロジェクト支援のお願い
経済的に困窮しているから、高齢者だから、障害があるから…人それぞれ様々な背景がありますが、動物と共に暮らしたい、動物と共に幸せになりたいという気持ちは、誰にも止めることはできません。
だからこそ、動物を取り上げて解決なんてことはありえないと思っています。人と動物が共に幸せになる支援こそ、必要な支援です。
そうした支援が当たり前になる社会を目指します。応援よろしくお願いします!
・人と動物の共生センター 理事 兼 鳥取支部長 松本 温子からのプロジェクト支援のお願い
多頭飼育崩壊を止め、人と動物が幸せに生きていける世の中になるためには、生きづらさを抱えた方たちの課題を社会福祉と動物福祉が連携して紐解き、支援を届けることが不可欠です。
制度や連携の間にあるこの問題への対策を講じ、人と動物が共生する社会を全国へ波及させたいです。是非、皆様のご支援とご協力をお願いします。
・鳥取大学大学院 医学系研究科 教授 竹田伸也様からのプロジェクト支援メッセージ
犬や猫と一緒に暮らすという、私たちにとって大切な暮らし方の一つが、その人の抱えた事情によって困難となり、結果として犬猫と人間双方の福祉を損ねてしまう。こうした状況を、昨今の社会は「自己責任」という言葉で切り捨ててはいないでしょうか。
誰もが当たり前に持つ弱さを自己責任といって切り捨てる社会と、誰もが当たり前に持つ弱さだからこそ、できる範囲で力を届けようという社会。みなさんはどちらの社会で暮らしたいですか?
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