美祢社会復帰促進センターにおける新たな職業訓練、「販売戦略科」の実施結果を法務大臣に報告
-全国初の取り組み:受刑者が広告制作の基礎を学び、美祢市の特産品「厚保くり」「原木しいたけ」の広告ポスターを制作-
デザイン・ブランディング事業を手がける株式会社セイタロウデザイン(代表取締役:山崎晴太郎、本社:東京都目黒区)は、PFI手法を活用して官民協働で運営する刑事施設「美祢社会復帰促進センター」において、法務省矯正局、美祢市、株式会社小学館集英社プロダクションと連携し、美祢市の特産品の魅力を引き出す広告ポスターを制作する職業訓練「販売戦略科」を11月12日(金)から12月10日(金)までの間、男子受刑者8名を対象に実施し、その実施結果を報告するとともに、来年度以降の展望等を説明するために、弊社代表の山崎晴太郎と本職業訓練の関係者が法務大臣を訪問しました。
広告ポスターの制作過程を通じて、受刑者に物事を的確に伝える表現力や他者との協働の仕方等を学ばせることを目的として実施したもので、今年度は、「厚保くり」及び「原木しいたけ」の広告ポスターを制作しました。
広告ポスターの制作過程を通じて、受刑者に物事を的確に伝える表現力や他者との協働の仕方等を学ばせることを目的として実施したもので、今年度は、「厚保くり」及び「原木しいたけ」の広告ポスターを制作しました。
【法務大臣訪問について】
■法務大臣訪問概要
⑴ 日 時 令和3年12月23日(木)午後3時から(所要30分程度)
⑵ 場 所 法務大臣室(法務省19階)
⑶ 内 容 挨拶、実施結果報告、今後の展望 等
⑷ 訪問者 美祢市長 篠 田 洋 司 氏
株式会社小学館集英社プロダクション 代表取締役社長 都 築 伸一郎 氏
株式会社セイタロウデザイン 代表取締役 山 崎 晴太郎 氏
【美祢社会復帰促進センター概要】
○2007年4月、日本初のPFI手法を活用した官民協働の刑務所として発足しました。センターの整備はPFI事業者によって行われ、運営の一部も委託されていて、民間事業者のアイデアやノウハウを活用しつつ、国とPFI事業者が協力して刑務所運営を行うことにより、相互の持ち味を活かして、より効率的かつ効果的な新たな矯正処遇等を行うこととしています。
○今回の職業訓練は、職業訓練業務を担当している小学館集英社プロダクション、セイタロウデザインからコンテンツを提供し、実施するもので、セイタロウデザインはセンターに講師を派遣するほか、カリキュラムを提供しました。
【職業訓練「販売戦略科」概要】
■特徴
①全国初、デザイン事務所と連携して実施される、刑務所内での広告ポスター制作の職業訓練
美祢社会復帰促進センターにおいて職業訓練業務を担当している株式会社小学館集英社プロダクションが、ブランディングや広告、デザイン制作を幅広く手掛けるセイタロウデザインと連携して、本職業訓練を実施しました。刑務所内でデザイン事務所と連携して職業訓練を実施することや、職業訓練の題材として広告ポスターを取り扱うのは今回が全国で初めての取組になりました。
②取材からプレゼンテーションまで!美祢市の特産品の魅力を引き出す広告ポスター制作を学ぶ
本職業訓練は、マーケティングやキャッチコピー等の広告に関する基礎知識を付与した上で、地元生産者等への取材、グループワークを通じた広告ポスターのレイアウト作成、関係者へのプレゼンテーション等を行いました。受刑者は広告ポスターのレイアウトまで作成し、同レイアウトを基にセイタロウデザインが最終的なポスターを完成させました。第1期となる本年度は、令和3年11月12日(金)から同年12月10日(金)までの間、男子受刑者8名を対象として実施しました。
③受刑者の社会復帰と地域活性化のためのPR事業の支援を両立
本職業訓練では、山口県美祢市の特産品である「厚保くり」と「原木しいたけ」をテーマに、広告ポスターの制作を実施しました。同特産品の生産者への取材・ヒアリングを通して、特産品の魅力を伝えられるクリエイティブ表現を目指すとともに、完成したポスターは、実際に美祢市の地域産業PRのために活用していただきます。
■講義内容
第一回:本科の目的と広告概論
広告制作に携わる人間がどのような「思考」を働かせているのか。その「思考」を身に付けることで、社会復帰後にどのように役立てることができるのかを解説するとともに、広告の種類や歴史など、広告に関する基礎知識をレクチャーしました。
第二回:生産者ヒアリング
本科でのポスター制作のテーマとなる美祢市の特産品「厚保くり」と「原木しいたけ」の生産者様を招き、それぞれの製品について受講生が考えた質問内容に沿ってヒアリングを行いました。
第三回:コピーライティング実践
「広告のコピーとは何か」や「キャッチコピーの発想法」をレクチャーした後に、受講生それぞれがキャッチコピーを考えるワークショップを実施。ワークショップの間に、一人ひとりの受講生に対して講師からフィードバックを与え、各人でキャッチコピー案を完成させました。
第四回:キャッチコピー決定とレイアウト実践
前回の授業で受講生が考えた計100本以上のキャッチコピー案から、広告に使用できる作品47本を講師が選定。選ばれた47本のコピー案をテーブルに並べ、受講生による投票とディスカッションにて、実際のポスターに使用する「厚保くり」と「原木しいたけ」のキャッチコピーを決定しました。
その後、受講生一人ひとりにPCを用意し、PowerPointを用いて、広告のレイアウトを考えるワークショップを実施しました。
第五回:プレゼンテーション
前回のレイアウト作成ワークショップで受講生が考えたレイアウト案ベースに、セイタロウデザインが実際の広告ポスターとして使用できるデザインにブラッシュアップ。完成したポスターや自分自身が考えたキャッチコピー案について、受講生一人ひとりが、生産者様、美祢市役所職員、小学館集英社プロダクション職員に対してプレゼンテーションを行いました。
■実施結果
完成したポスターに使用している「キャッチコピー」および、キャッチコピーを補足するための「サブキャッチコピー」は、受講生が考えたアイデアに手を加えずに採用しています。また、事前に用意していた複数の写真候補の中から受講生が選定した写真を使用するなど、ポスターのレイアウトに関しても、出来る限り受講生の発想を活かすようにデザインをしています。
1) 「厚保くり」の広告ポスター
※刑事施設「美祢社会復帰促進センター」の職業訓練生がキャッチコピー・写真選定・レイアウトを考案した広告ポスター(セイタロウデザイン制作)
2) 「原木しいたけ」の広告ポスター
※刑事施設「美祢社会復帰促進センター」の職業訓練生がキャッチコピー・写真選定・レイアウトを考案した広告ポスター(セイタロウデザイン制作)
【同センターにおける再犯防止・地方創生連携協力事業について】
○本職業訓練は、同センターにおける再犯防止・地方創生連携協力事業として実施します。これは官民連携により同センターの人的資源・物的資源を活用し、美祢市の地方創生を推進するとともに、受刑者の改善更生及び社会復帰の支援につなげるものです。
○平成30年度から、国、美祢市、株式会社小学館集英社プロダクション及びヤフー株式会社と連携し、Eコマース等の専門知識及びネットストア運用スキルを付与する職業訓練「ネット販売実務科」を実施しています。本職業訓練はネット販売実務科に続く、同事業における新たな取組です。
【本職業訓練の意義】
○本職業訓練のねらいは,受刑者が広告ポスターの制作技術そのものを習得することではなく、広告づくりの基礎を通じて、その過程において必要な、物事を的確に伝える表現力や他者との協働の仕方等を学ぶことにあります。
○また、特産品の隠れた魅力を引き出す広告ポスターを制作し、美祢市や生産者に使用いただくことで、特産品の地産外商を推進し、美祢市の地方創生に貢献することも目的としています。
○株式会社小学館集英社プロダクション及び株式会社セイタロウデザインにおいては、再犯防止や地方創生の取組の必要性を鑑み、社会貢献の一環として本職業訓練に取り組みました。
○本職業訓練は、国、地方公共団体そして民間企業が緊密な連携協力を通じ、再犯防止推進計画を着実に推進するものであり、SDGsに掲げられているマルチステークホルダー・パートナーシップの下、犯罪をした人を再び受け入れることが自然にできる「誰一人取り残さない」社会の実現につながる取り組みとなっています。
【法務大臣訪問について:セイタロウデザイン代表取締役 山崎晴太郎】
古川法務大臣に今回の取り組みのご報告と、特産品をテーマにした広告制作がもつ職業訓練の可能性や展望について、意見交換をさせていただきました。広告を作るということは、対象の魅力を多面的に見つけ、研ぎ澄まし、シンプルな伝わる形にまとめ上げることです。それは社会を前向きな視点で見つめることにつながります。今回の意見交換を通じて、デザインとコミュニケーションの力でまだまだ社会をより良く変えていける、そんな確かな手応えがありました。少しでもこの国の矯正教育と再犯防止に寄与できるよう、今後もさまざまな形でご協力できればと考えています。
株式会社セイタロウデザイン
代表取締役 山崎晴太郎
【職業訓練の講師として:セイタロウデザイン執行役員 原田剛志】
コピーライター・クリエイティブディレクターとして、本科の講師を担当いたしました。8名の受講生たちと接して感心させられたのは、「社会の流れを見る目」や「他者の視点にたって思考する」といった、広告づくりに限らず、あらゆる社会生活の中で必要となる能力を、彼らがしっかりと備えているという点です。そんな彼らが現在の立場にいるというのは、社会との繋がりの中で、何かしらネガティブなポイントがあったのでしょう。本科を通してクリエイティブに物事を発想することの面白さを知り、社会には楽しい仕事もあるのだということを感じてもらい、社会復帰に向けたポジティブなマインドを少しでも醸成できていたら幸いです。
株式会社セイタロウデザイン
執行役員、クリエイティブディレクター 原田剛志
【会社概要】
■セイタロウデザイン
社名:株式会社セイタロウデザイン
設立:2008 年 10 月 1 日
代表取締役:山崎晴太郎
所在地:東京都目黒区青葉台 3-17-9 THE WORKS ANNEX 1F
事業内容:ブランディング、デザイン事業、映像プロダクション事業
URL:https://seitaro-design.com
TEL:03-6417-4874
2008年にアートディレクターの山崎晴太郎を中心に設立したデザイン・ブランディングブティック。デザイン経営のパイオニアとして企業ブランド向上を図るためのブランドコンサルティング事業や、戦略の企画立案から広告・ウェブ・プロダクト・空間・映像制作まで幅広いジャンルを一貫するデザイン制作事業を手がけています。
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