【全国約1,000名へ空き家に関する意識調査を実施】「県外空き家」所有者の4割は空き家活用/処分の行動をせず 6割以上が空き家所在自治体の支援対策を認知していない実態
~空き家課題解決の鍵は「県外空き家」、遠いほど活用意識が低い結果に~
解体工事・外構工事の一括見積もりWebサ−ビスを運営する株式会社クラッソ−ネ(名古屋市中村区、代表取締役 川口哲平、以下クラッソ−ネ)は、全国で空き家を所有する30歳以上の男女1,064名に対して、「所有する空き家」に関する意識調査を実施しました。
【調査実施の背景】
本調査は、国土交通省が公募した「令和3年度住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」にて採択された、当社の「AIによる解体費用シミュレーター活用促進事業(※1)」における取り組みの一環として実施し、空き家問題解決の一助となることを目指しています。なお、本調査においては、居住地と空き家所在地の関係を以下のように定義し、分析しています。
- 居住地の市区町村内にある所有空き家を「近隣空き家」
- 居住地の都道府県外にある所有空き家を「県外空き家」
- 居住地の市区町村外、かつ、都道府県内にある所有空き家を「県内空き家」
【調査結果サマリー】
調査の結果、全体の7割が「所有する空き家の利活用/処分」への意向が高く、そのうち、「県外空き家」所有者の約4割は「何も行動していない」実態が分かり、7割強が何らかの行動に移している「近隣空き家」所有者と比べ、具体的な行動における差が顕著な結果となりました。
空き家所有地域の自治体による空き家支援施策については、「近隣空き家」所有者の約4割が「内容を知らない」と回答したのに対し、「県外空き家」所有者は6割以上と高い結果となりました。さらに「活用したことがある」と回答したのは、「近隣空き家」所有者は約7割であったのに対し、「県外空き家」所有者は3割強にとどまっています。居住地と空き家所在地の関係は、自治体の空き家対策支援の認知・活用度合いにも影響を与えている実態が明らかになりました。
今後の空き家対策として、各自治体外の空き家所有者に対し、空き家に関する情報提供を行いながら、電話・Webでの相談窓口や補助金に関する問い合わせなど、具体的な行動への転換を促すため、自治体を超えて認知拡大していくことが鍵になると言えます。
【主な調査結果】
<空き家活用/処分の実態について>
1)空き家所有者の居住地と空き家所在地の位置関係により、空き家に対する意識と行動実態の差が明らかに
近隣空き家所有者のうち約7割(72.2%)が空き家や土地の活用/処分(解体)を望み、そのうち、7割強(74.9%)は何らかの行動に移していると回答。県外空き家所有者においても約6割(61.9%)は活用/処分(解体)を望んでいる一方で、約4割(42.7%)は何も行動していないと回答。
2)県外空き家所有者は空き家所在地域への寄付・贈与は選択肢になりにくい一方、遠方であるメリットを活かしてセカンドハウスとして利用したい傾向
希望する空き家の活用方法について、一番多かった回答は「貸したい(41.5%)」、次いで「売却したい(36.1%)」など売却・賃貸による現金化への意向が高い。また、県外空き家所有者のうち「寄付・贈与したい」のは1割弱(8.1%)となった一方で、「自分や家族で別荘・セカンドハウスとして利用したい」のは5割強(45.3%)と回答。
3)空き家活用の理由TOP3は「お金にしたい」「将来住みたい」「保養目的として利用したい」
空き家を活用したい理由の1位は「現金化したいから/家賃収入にしたいから(39.4%)」、続いて「将来その空き家に住みたいから(37.4%)」、「週末や休暇など保養目的として利用したいから(31.2%)」
<空き家管理の実態について>
4)所有する空き家の管理認識は概ね高い一方、その確認頻度は位置関係別で大きく異なる結果に
全体の約8割(82.7%)は所有空き家を「管理している」と回答した一方、月に1回以上確認している割合は、近隣空き家所有者で約8割(79.1%)、県内空き家所有者で約6割(62.0%)、県外空き家所有者で約3割(33.9%)との結果に。
<空き家対策支援制度の認知と活用について>
5)居住地と空き家所在地の位置関係が、自治体の空き家対策支援制度の認知度に影響を与えている結果が明らかに
空き家所有地域の自治体が実施する空き家対策支援制度について「内容を知らない」と回答したのは、近隣空き家所有者が約4割(43.3%)となった一方で、県外空き家所有者は6割以上(62.8%)と回答。
6)空き家対策支援制度の活用度合いに関しても、居住地と空き家所在地の位置関係が大きな影響を与えている結果に
空き家所有地域の自治体が実施する空き家対策支援制度の活用経験について、近隣空き家所有者の約7割(68.9%)は、何らかの制度を活用したことがあるのに対し、県外空き家所有者の活用度合いは3割強(35.6%)に留まった。
【調査結果詳細】
<空き家活用/処分の実態について>
1)空き家所有者の居住地と空き家所在地の位置関係により、空き家に対する意識と行動実態の差が明らかに
所有する空き家やその土地を何かしら活用/処分(解体)したいと思っているか質問したところ、近隣空き家所有者のうち約7割(72.2%)が、県外空き家所有者では約6割(61.9%)が何らか活用/処分を望んでいることが分かりました。さらに、所有する空き家の活用/処分を望むと回答した方に、具体的な行動に移しているかを質問したところ、近隣空き家所有者の7割強(74.9%)は何らかの行動に移している一方で、県外空き家所有者の約4割(42.7%)は「何もしていない」と回答し、空き家所有者の居住地と空き家所在地の位置関係により、空き家に対する意識と行動実態の差が明らかになりました。
Q1.今後、所有する空き家やその土地を何かしら活用/処分(解体)したいと思っていますか? N=1064
Q1-2.所有している空き家の活用/処分について、以下の行動を取ったことがありますか?【複数回答】 N=747
2)県外空き家所有者は空き家所在地域への寄付・贈与は選択肢になりにくい一方、遠方であるメリットを活かしてセカンドハウスとして利用したい傾向
Q1で所有する空き家を何かしら活用したいと回答した方に、どのように活用したいと思っているかを聞いたところ、一番多かった回答は「貸したい(41.5%)」、次いで「売却したい(36.1%)」となり、家賃収入や現金化に繋がる手段が望まれていることが分かりました。居住地と所有する空き家所在地の位置関係別では、県外空き家所有者のうち「寄付・贈与したい」のは1割弱(8.1%)と平均より10.4ポイント低く、空き家所在地域への寄付・贈与は選択肢になりにくい一方で、「自分や家族で別荘・セカンドハウスとして利用したい」と回答したのは約5割(45.3%)と全体平均より19.6ポイント高く、一般的に別荘・セカンドハウスを同一都道府県内で所有することは少ないことから、遠方であるメリットを活かした空き家利用の傾向があると言えます。
Q2.空き家をどのように活用したいと思っていますか? N=513
Q2.空き家をどのように活用したいと思っていますか?(位置関係別)
3)空き家活用の理由TOP3は「お金にしたい」「将来住みたい」「保養目的として利用したい」
Q1で所有する空き家を何かしら活用したいと回答した方に、その理由について質問したところ、空き家を活用したい理由の1位は「現金化したいから/家賃収入にしたいから(39.4%)」、続いて「将来その空き家に住みたいから(37.4%)」、「週末や休暇など保養目的として利用したいから(31.2%)」となり、収益化の意向が強い一方で、資産として活用したい意向があることが分かりました。
Q3.空き家を活用したい理由は何ですか? N=513
<空き家管理の実態について>
4)所有する空き家の管理認識は概ね高い一方、その確認頻度は位置関係別で大きく異なる結果に
空き家の管理状況について質問したところ、全体の約8割(82.7%)は「管理している」と回答した一方、空き家を直接確認しに行く頻度に関する質問で「月に1回以上」と回答したのは、近隣空き家所有者で約8割(79.1%、全体平均より+12.5ポイント)、県内空き家所有者で約6割(62.0%、全体平均より-4.6ポイント)、県外空き家所有者で約3割(33.9%、全体平均より-32.7ポイント)となり、所有する空き家の管理認識は概ね高い一方、その確認頻度は位置関係別で大きく異なる結果となりました。
Q4.空き家を直接確認しに行く頻度はどの程度ですか? N=880
<空き家支援対策の認知と活用について>
5)居住地と空き家所在地の位置関係が、自治体の空き家対策支援制度の認知度に影響を与えている結果が明らかに
空き家所有地域の自治体が実施する支援施策の認知について質問したところ、全体の約半数(48.0%)が「知らない」と回答しました。居住地と空き家所在地の位置関係別で見ると、近隣空き家所有者で約4割(43.3%)と平均より4.7ポイント低い一方で、県外空き家所有者は6割以上(62.8%)と全体平均より14.8ポイント高く、居住地と空き家所在地の位置関係が、自治体が実施する空き家支援施策に関する認知度に影響を与えていることが明らかになりました。
Q5.所有する空き家がある地域の自治体が実施する空き家対策支援の内容を知っていますか?【複数回答】 N=1064
6)自治体の空き家対策支援制度の活用度合いは、居住地と空き家所在地の位置関係に大きな差
Q5で空き家所有地域の自治体が実施する支援制度を知っていると回答した人に、活用度合いについて質問したところ、全体の約6割(62.6%)が何らか活用したことがあると回答し、半数以上は活用経験があると分かりました。その中でも、近隣空き家所有者の約7割(68.9%)に活用経験があり、全体平均より6.3ポイント高い一方で、県外空き家所有者は3割強(35.6%)に留まり、全体平均より-27.0ポイントとなりました。近隣空き家所有者は自治体の支援制度を活用している人が多いものの、県外空き家所有者は活用ができておらず、位置関係によって大きな差が出ていることが明らかになりました。
Q6.所有する空き家がある地域の自治体が実施する空き家対策支援制度を活用したことがありますか?【複数回答】 N=553
【調査概要】
・調査方法:インターネットによる調査
・調査期間:2021年8月13日~8月15日
・調査対象:全国で空き家を所有する30歳以上の男女1,064名
【参考情報】
総務省が令和元年9月30日に発表した平成30年住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家数は848万戸、全住宅に占める空き家の割合は13.6%となり、過去最高となっています。さらに、空き家の撤去が進まなかった場合、2038年には国内の空き家率は現在の約2倍の30.5%(※2)になる可能性があるともいわれ、「空き家問題」として社会課題に挙げられ注目されています。空き家の発生防止・除却(解体)が進まない要因として、「空き家の売却や利活用/処分を望んでいるが、どうしたら良いか分からない」、「解体の費用感が分からないため具体的検討が進まない」など、必要情報の不足といった理由が挙げられます。
(※1)国交省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」の事業者にクラッソーネが採択(2021年7月14日)
https://www.crassone.co.jp/news/release26/
(※2)『2040年の住宅市場と課題 ~長期的展望と新型コロナウイルスによる短期的影響の分析~』野村総合研究所より
https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2020/cc/mediaforum/forum287
【株式会社クラッソーネ 会社概要】
本社 :〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅5丁目7番30号 名駅東ビル4F
代表者:代表取締役CEO 川口 哲平
設立 :2011年4月1日
資本金:952,985,520円(資本準備金含む)
URL :https://www.crassone.co.jp
事業内容:解体工事と外構(エクステリア)工事領域で、全国約3,000社の専門工事会社と施主をマッチングする
一括見積もりWebサービス「くらそうね」「くらそうねエクステリア」を運営
<ご参考>
■当社の実績について
1.受賞実績
第2回あいちサービス大賞 特別賞受賞(2020年2月)
受賞テーマ:家づくりにおける解体・外構工事のマッチングサービス
2.イベント、セミナー開催実績
アスベスト規制強化の法改正が成立、内容と経緯を専門家が解説するセミナーを開催(2020年6月25日)
~約100社の解体工事会社に向け、法改正における対策とポイントをレクチャー~
https://www.crassone.co.jp/blog/12992/
withコロナ時代の解体業界動向や成功事例を解説するWebセミナーを開催(2020年8月26日)
~33社の解体工事会社に向け、解体業界動向や成功事例を紹介~
https://www.crassone.co.jp/blog/13362/
「社会問題化する空き家に対し、今必要な施策」を解説するセミナーを開催(2021年5月25日)
~空き家課題解決には公民連携が必須、課題は「事業スキーム」「信頼関係」「公平性」~
https://www.crassone.co.jp/blog/14394/
3.調査実績
【空き家所有者の意識調査】
『空き家所有者の約6割は活用を望むも、4割強が「何もしていない」実態が明らかに
空き家放置の二大理由は「負動産問題」、「コスト問題」
有効な行政施策ベスト3は「補助金の充実」「窓口設置」「固定資産税が上がらない仕組みづくり」』(2021年3月25日)
https://www.crassone.co.jp/news/chosa_release-5/
【空き家所有リスクの意識調査】
『約6割が空き家のリスクを認識するも、半数以上が防災対策をしていない実態
30代は約8割が対策をしている一方、50代以上は約3割と年代差が顕著
リスクTOP3は、「不法な侵入・投棄」「気象災害による倒壊」「老朽化による損傷・倒壊」』(2021年6月2日)
https://www.crassone.co.jp/news/chosa_release-6/
4.空き家活用マップ
昨今、空き家問題の原因である「どう対応したらよいかわからない」という課題解決を目的として、戸建て住宅の利活用に関する相談先や活用事例が一覧でわかる「空き家活用マップ」を発表(2020年12月8日)
https://www.crassone.co.jp/news/release19/
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