2回目の融資相談急増。認定支援機関ソラボの1年間の融資支援と今後の経営改善支援
認定支援機関SoLaboによる融資および経営改善支援
資金調達支援を行う認定支援機関の株式会社SoLabo(本社・東京都千代田区 代表・田原広一/以下、ソラボ/支援機関番号:104813004612)は、昨年3月に開始された新型コロナウイルス感染症対策の融資制度等の1年間の支援内容をとりまとめ、今後の経営改善支援相談を強化することを発表した。
ソラボは、融資支援を専門分野とする経営革新等支援機関(認定支援機関)として、2015年の設立から5年間で計3700件の融資支援を実施している。その内、新型コロナウイルス感染症対策の経済対策が本格化した昨年3月から今年3月の支援実績約1400件について取りまとめた。
◆2020年3月以降に起きたこと
新型コロナウイルス感染症の流行に関する報道が過熱し始めた3月頃、政府は経済対策として新型コロナウイルス感染症対策の特別貸付制度を創設し、実質無利子の期間を設けた制度として、3月中旬に日本政策金融公庫での適用を開始した。
その後、5月には民間の金融機関での実質無利子の融資も開始され、政府・民間それぞれの金融機関でコロナ用の対応体制が整備され、いわゆるコロナ融資への対応のピークを迎えることとなった。
ソラボの支援実績としても、4~6月にコロナ関連の融資相談が殺到し、融資実行ベースの支援実績で見ると6月がコロナ関連融資のピークで、月間180件近くの実行支援となった。その後、夏にかけてコロナ融資が半減し、秋以降には50件前後を推移する水準となった。
2020年の推移は、おおむね日本政策金融公庫の公表数字に比例する動きを見せ、夏以降の融資審査の現場は、ある程度の落ち着きを取り戻した状況となった。
ただし、年明け1月以降のソラボの支援実績としては、コロナ融資の割合が微増傾向となり、コロナ関連融資は、前年9月以降では最多となった。
2021年3月のコロナ融資の実行内訳をみると、建設業*が3割以上を占める結果となった。昨年後半から建設業を営む中小企業や個人事業主の融資実行数が増加傾向にあり、11月以降は3分の1程度を占める割合が継続している状況であり、この先も短期的にはまだこの傾向が継続する可能性があると見ている。
*各種工事種別(土木、建築、大工、型枠大工、とび、鉄骨、鉄筋、左官、板金、塗装、内装、防水など)を含む。
建設業の個別相談案件を見てみると、コロナ禍でも耐えてきたが足下の経営状況が苦しくなったり、金融機関に自分で申請をして断られたりと、他事業に比べると場当たり的に行動してしまう経営者が多い傾向もあり、当初のコロナ融資のピーク時とズレて、小規模事業者への影響が表れている可能性がある。
ただし、建設業の中にも「事業拡大を計画しているための融資」や「売上げ増大に伴う設備更新のための融資」などの前向きな相談や計画性の高い事業者も含まれており、条件が適用できたためコロナ融資制度を利用したというケースもあり、この3分の1すべてがシビアな状況とも言えないことから、個別の相談にしっかりと向き合って経営支援をしていく必要がある状況だ。
◆コロナ禍で変わったこと
昨年の夏以降は、3~7月までに1回目の融資を受けた事業者からの2回目融資相談も増加した。
ただし、短期間に同一の金融機関から、同一の制度で追加融資を受けるのは難しい状況である。コロナ融資を見ても、金融機関側としては救済的に対応した昨年前半の1回目と、ある程度冷静に審査を要する2回目以降では審査内容が変わってきており、やむを得ないともいえる状況だ。
実際にソラボが支援をした中でも、同一の金融機関から1年以内に2回以上の融資を受けた事例は、既存融資からコロナ融資への借換えや微増の追加融資を除くと、一部の事例に留まっている。
これには、1回目の融資で希望に近い(本来借りられる限度近くまで)融資を受けられた事例も多かったことも要因となってる。
その一方で、ソラボでは各地の民間金融機関と連携し、すでに日本政策金融公庫で融資を受けている事業者に向けては、民間金融機関の利用を案内する事例が増加した。
ソラボの支援実績の中では、今回のとりまとめ対象となった1400件の内、10%を超える150件以上が1年以内に複数の金融機関で融資を受けている状況であることが分かった。
特に、日本政策金融公庫で融資を受けた事業者に向けては、積極的な支援を行う民間の金融機関が増え、事業者にとっては、相談の間口が広がっている状況でもある。
これらの状況を踏まえ、現状では融資を受けやすい環境は整備されてきているものの、コロナ禍での負債増大・融資返済開始・売上低迷などの要因により、経営状況が不安定となる事業者が増える可能性があり、今後必要になる支援は融資を受けた後の企業の経営状況のチェックと改善になると見ている。
この経営改善支援等については、国としても取り組みを見せているが、役割としては民間の金融機関に求められる傾向が強くなっており、認定支援機関と金融機関の連携が求められる機会も増している。
◆今後必要なこと
金融機関としては、昨年前半までは、コロナ融資で経営状況が厳しい企業に対しても融資支援を積極的に実施した。その中で、3月~4月頃にコロナ融資を受けた事業者においては、据置期間を1年程度に設定した事例も多く、条件変更していなければ返済開始が迫っている状況である。返済開始による収支バランスの悪化も懸念され、顧客の経営状況把握と改善をどのように支援していくかが、大きな課題となる見込みだ。
また、コロナ禍が長引いていることで収益構造が改善できていなかったり、新たな事業再構築補助金の後押しも受けて新分野展開に着手するなどで、経営状況が一時的に不安定になる事業者も現れる可能性がある。こういった事業者に向けても、継続したモニタリングや経営改善の支援が今後求められている。
中小企業庁は「伴走支援型特別保証制度」という新たな制度を4月から開始している。これは、金融機関との対話の上で継続的な支援を受けることを前提に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げるというものだ。
これに加えて「経営改善サポート保証(感染症対応型)制度」も開始となり、コロナ禍で多くの借入を行ったものの売上高等が改善しない中小企業の事業再生の取組を進めていく新制度とされた。
一方で、既存の実質無利子をウリにしたコロナ融資が徐々に縮小となり、2021年4月以降は国としても次のステージに踏み込んでいる状況となっている。
なお、中小企業庁ではこれまでも経営改善の支援に取り組んでおり、認定支援機関・金融機関と協力して実施する「早期経営改善計画策定支援事業」 と「経営改善計画策定支援事業」といった補助金制度(専門家に支払う費用の内3分の2まで補助。それぞれ上限20万円/200万円)も推進してきた。
ソラボでもコロナ禍で経営が不安定になり、改善を必要とする事業者を支援していくため、認定支援機関として、各種の改善計画の策定支援にも対応を強化していく。
<中小企業経営者・個人事業主からの相談窓口はこちら>
https://so-labo.co.jp/financing-support/
<事業連携のための相談窓口はこちら>
https://so-labo.co.jp/
※お問い合わせフォームより、提携希望の旨を記載の上、法人提携事業部宛にご連絡ください。
【会社概要】
会社名 : 株式会社SoLabo (ソラボ)
所在地 : 東京都千代田区外神田1-18-19新秋葉原ビル7階
代表者 : 田原 広一
認定支援機関番号:104813004612
◆2020年3月以降に起きたこと
新型コロナウイルス感染症の流行に関する報道が過熱し始めた3月頃、政府は経済対策として新型コロナウイルス感染症対策の特別貸付制度を創設し、実質無利子の期間を設けた制度として、3月中旬に日本政策金融公庫での適用を開始した。
その後、5月には民間の金融機関での実質無利子の融資も開始され、政府・民間それぞれの金融機関でコロナ用の対応体制が整備され、いわゆるコロナ融資への対応のピークを迎えることとなった。
ソラボの支援実績としても、4~6月にコロナ関連の融資相談が殺到し、融資実行ベースの支援実績で見ると6月がコロナ関連融資のピークで、月間180件近くの実行支援となった。その後、夏にかけてコロナ融資が半減し、秋以降には50件前後を推移する水準となった。
2020年の推移は、おおむね日本政策金融公庫の公表数字に比例する動きを見せ、夏以降の融資審査の現場は、ある程度の落ち着きを取り戻した状況となった。
ただし、年明け1月以降のソラボの支援実績としては、コロナ融資の割合が微増傾向となり、コロナ関連融資は、前年9月以降では最多となった。
2021年3月のコロナ融資の実行内訳をみると、建設業*が3割以上を占める結果となった。昨年後半から建設業を営む中小企業や個人事業主の融資実行数が増加傾向にあり、11月以降は3分の1程度を占める割合が継続している状況であり、この先も短期的にはまだこの傾向が継続する可能性があると見ている。
*各種工事種別(土木、建築、大工、型枠大工、とび、鉄骨、鉄筋、左官、板金、塗装、内装、防水など)を含む。
建設業の個別相談案件を見てみると、コロナ禍でも耐えてきたが足下の経営状況が苦しくなったり、金融機関に自分で申請をして断られたりと、他事業に比べると場当たり的に行動してしまう経営者が多い傾向もあり、当初のコロナ融資のピーク時とズレて、小規模事業者への影響が表れている可能性がある。
ただし、建設業の中にも「事業拡大を計画しているための融資」や「売上げ増大に伴う設備更新のための融資」などの前向きな相談や計画性の高い事業者も含まれており、条件が適用できたためコロナ融資制度を利用したというケースもあり、この3分の1すべてがシビアな状況とも言えないことから、個別の相談にしっかりと向き合って経営支援をしていく必要がある状況だ。
◆コロナ禍で変わったこと
昨年の夏以降は、3~7月までに1回目の融資を受けた事業者からの2回目融資相談も増加した。
ただし、短期間に同一の金融機関から、同一の制度で追加融資を受けるのは難しい状況である。コロナ融資を見ても、金融機関側としては救済的に対応した昨年前半の1回目と、ある程度冷静に審査を要する2回目以降では審査内容が変わってきており、やむを得ないともいえる状況だ。
実際にソラボが支援をした中でも、同一の金融機関から1年以内に2回以上の融資を受けた事例は、既存融資からコロナ融資への借換えや微増の追加融資を除くと、一部の事例に留まっている。
これには、1回目の融資で希望に近い(本来借りられる限度近くまで)融資を受けられた事例も多かったことも要因となってる。
その一方で、ソラボでは各地の民間金融機関と連携し、すでに日本政策金融公庫で融資を受けている事業者に向けては、民間金融機関の利用を案内する事例が増加した。
ソラボの支援実績の中では、今回のとりまとめ対象となった1400件の内、10%を超える150件以上が1年以内に複数の金融機関で融資を受けている状況であることが分かった。
特に、日本政策金融公庫で融資を受けた事業者に向けては、積極的な支援を行う民間の金融機関が増え、事業者にとっては、相談の間口が広がっている状況でもある。
これらの状況を踏まえ、現状では融資を受けやすい環境は整備されてきているものの、コロナ禍での負債増大・融資返済開始・売上低迷などの要因により、経営状況が不安定となる事業者が増える可能性があり、今後必要になる支援は融資を受けた後の企業の経営状況のチェックと改善になると見ている。
この経営改善支援等については、国としても取り組みを見せているが、役割としては民間の金融機関に求められる傾向が強くなっており、認定支援機関と金融機関の連携が求められる機会も増している。
◆今後必要なこと
金融機関としては、昨年前半までは、コロナ融資で経営状況が厳しい企業に対しても融資支援を積極的に実施した。その中で、3月~4月頃にコロナ融資を受けた事業者においては、据置期間を1年程度に設定した事例も多く、条件変更していなければ返済開始が迫っている状況である。返済開始による収支バランスの悪化も懸念され、顧客の経営状況把握と改善をどのように支援していくかが、大きな課題となる見込みだ。
また、コロナ禍が長引いていることで収益構造が改善できていなかったり、新たな事業再構築補助金の後押しも受けて新分野展開に着手するなどで、経営状況が一時的に不安定になる事業者も現れる可能性がある。こういった事業者に向けても、継続したモニタリングや経営改善の支援が今後求められている。
中小企業庁は「伴走支援型特別保証制度」という新たな制度を4月から開始している。これは、金融機関との対話の上で継続的な支援を受けることを前提に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げるというものだ。
これに加えて「経営改善サポート保証(感染症対応型)制度」も開始となり、コロナ禍で多くの借入を行ったものの売上高等が改善しない中小企業の事業再生の取組を進めていく新制度とされた。
一方で、既存の実質無利子をウリにしたコロナ融資が徐々に縮小となり、2021年4月以降は国としても次のステージに踏み込んでいる状況となっている。
なお、中小企業庁ではこれまでも経営改善の支援に取り組んでおり、認定支援機関・金融機関と協力して実施する「早期経営改善計画策定支援事業」 と「経営改善計画策定支援事業」といった補助金制度(専門家に支払う費用の内3分の2まで補助。それぞれ上限20万円/200万円)も推進してきた。
ソラボでもコロナ禍で経営が不安定になり、改善を必要とする事業者を支援していくため、認定支援機関として、各種の改善計画の策定支援にも対応を強化していく。
<中小企業経営者・個人事業主からの相談窓口はこちら>
https://so-labo.co.jp/financing-support/
<事業連携のための相談窓口はこちら>
https://so-labo.co.jp/
※お問い合わせフォームより、提携希望の旨を記載の上、法人提携事業部宛にご連絡ください。
【会社概要】
会社名 : 株式会社SoLabo (ソラボ)
所在地 : 東京都千代田区外神田1-18-19新秋葉原ビル7階
代表者 : 田原 広一
認定支援機関番号:104813004612
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