【3.5畳の没入空間】「販促空間」デザインの可能性を考える
3月4日~7日/日経メッセ・JAPANSHOPに出展
昨今、「没入空間」という販促手法が増えている。展示会のブースデザインを専門に行うSUPER PENGUIN株式会社(東京都品川区・代表取締役/展示会デザイナー竹村尚久)は、3月4日(火)~7日(金)まで、東京ビッグサイトで開催される日経メッセ/JAPANSHOPに出展し、「3.5畳の没入空間」を設置します。限られた小さな空間において、どのような没入空間の手法をとるのか。今回は日本の空間が古来より用いてきた「仕切」という考え方と「囲われている感」という2つのキーワードにより空間を構成し、イマーシブルスペース(没入空間)と「空間デザイン」の関係性についてお伝えをいたします。社会が誤解している「空間デザイン」という概念。最新テクノロジーを使わず、人間の「心理」を活かした空間構成の手法をお伝えいたします。
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以下/スーパーペンギン代表、竹村による今回の出展に関する解説文となります。
会場では、株式会社ウォーターパール(東京都品川区)の協力により空間を構築しています。
また、今回のJAPANSHOPでは、会場入口すぐに設置されている「IDMエリア」(60小間)の全体プロデュースも行っています。(会期中にセミナー有)
1.「空間デザイン」という概念
まず、「空間デザイン」という概念を考えたい。
建築家、インテリアデザイナーにとって「空間デザイン」という言葉は日頃慣れ親しんでいる言葉だ。私も学生時代には「空間デザイン」とは、「空気」をデザインすること、「心理」をデザインすること、といったことを教わった。当時、安藤忠雄氏が設計した空間が日本的、と聞いてもピンとこず、なぜなのかさっぱり分からなかった。
その頃は空間を表層のみで判断しており、和的な装飾をする=日本的な空間という程度に理解してしまっていたからだ。
現在の仕事をしていて、様々に「空間デザイナー」と名の付く人と話す機会があるのだが、特に展示会業界において疑問に思うことが多い。それは、多くの人が「空間デザイン」について「3 次元的な立体物」をつくることであったり、3次元の空間に「装飾を施すこと」が空間デザイン、というように認識してしまっている、という状況を見聞きするからだ。もちろんこれも空間デザインの一つの姿だと思うので、完全な否定はしないのだが、学生時代から空間デザインの概念を学んできたものにとってなぜか釈然としない。
そこで、立体物をつくる、装飾を施すといった空間のデザインを「オブジェ思考」による空間デザインとして位置づけ、人間の心理を緻密にくみ取って空間を構成する手法を一般的な意味での「空間デザイン思考」として位置付けるように考えている。
「空間デザイン」という概念は、建築・インテリア業界では歴史的に深く語られてきており、建築家等によってさまざまに言及されているのだが、何分専門家同士の議論に終始することが多く、一般の人(建築・インテリア業界外の方々)にとっては難解で、理解しがたい概念だと感じている。難解だからこそ、一般の人々には広がらずいわゆる身内だけの「概念」として業界内だけに浸透しているのが現状ではないだろうか。実際に、私も自身がデザインした空間を説明するのに、業界内関係者に説明する時の文章と、一般の方向けに説明する時の文章は表現を全く変えるようにしている。
このような理由から、空間デザインという「概念の誤解」と認知されていない状況が社会にあるのではないだろうか、と常々感じてきた。
2.「没入体験」という販促手法
昨今、「没入体験」という販促手法が増えている。ただ単にモノを見せる、というだけでなく、その製品の世界観に浸り、限られた人数でありながらも体験する人に強い印象を残す手法、と捉えるべきだろうか。そこにはこれまで建築家やインテリアデザイナーが当たり前のように語ってきた「空間デザイン」という考え方が大きく関わることになるはずだ。
先も言及した通り、空間デザインという概念は、主に空間デザイナーの間で深く語られてきた。しかし、現在の「没入体験」にどこまで「空間デザインの概念」が浸透できているのか、少々心配になっている。「イマーシブプロモーション」を担う広告代理店の関係者をはじめ、企業の担当者がどこまで「空間デザインの概念」を理解しているのかが疑問だからだ。
もし、そうだとすると、現在増えつつある「没入体験」という販促手法は、空間デザインの概念を今以上に組み入れることで、さらに進化・深化していく可能性をもっているのではないかと考えられる。
そこで、このように感じる。
「空間デザイン」という概念を業界内だけで語り合っている状態で、本当によいのだろうか、と。
没入体験という流れが社会に出てきたことは、「空間デザインという概念を社会に拡散させるチャンスが来た」と言えるのではないか。そして、それは社会にいる空間デザイナーにとって、販促空間に関わっていく大きな転機になるのではないかと感じている。つまりは、空間デザイナーにとって「自身を拡大する絶好の時代が到来した」(少々大げさだが)のだと感じる。
時代は今、「空間デザインという概念」をもっと広く社会に一般化し、誰もが理解しやすい概念へと拡散されるべき時期がきたのではないだろうか。没入空間と空間デザインの関係性。
当たり前に感じるこの関係性を改めて考えてほしい。
3.Immersive Space /「3.5畳の没入空間」
3.5 畳という極小空間に没入空間をつくる。限られた空間の中でどのように外界から切り離された没入空間をつくるか。そこには、かつて日本人が歴史的な空間構築の流れの中で築き上げてきた「結界」という概念を用いる。結界という概念は多分に人間の「意識」と関係している。内部の空間に進むために、「頭を下げて」くぐり抜ける、という行為。これは線一本、小石1 個でも構わない。「意識」を切ることで、外界から内部への気持ちの切り替えをする。没入空間はこのように、人間の意識・心理を積極的に関連付けることで、更に「深化」させることができる。そして、わずか3.5 畳の空間であっても、没入空間は作り上げることは可能だ。昨今、没入体験を伴う販促手法が増えてきた。この販促手法は、このような空間デザインの手法を活用することでまだまだ進化をする余地が残っていると感じる。つまり、今後も大きな可能性をもっている販促手法なのだ。「空間デザイン」とは何なのか。これまでのように専門家の間だけでなく、社会一般に広く「空間デザイン」の概念とその可能性について知ってもらいたい、と願う。
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4.セミナー情報
スーパーペンギン代表、竹村は、JAPANSHOP会期中、3月5日(水)13:00~14:00まで、会場内「商店建築社ブース(商店建築ラウンジ)」において、セミナー登壇いたします。展示会における集客手法、そして今回会場入口に60小間という広さで設置された「IDMエリア」のプロデュースに際して、どのような考えで行ったのか、今回の「没入空間」の考え方などをお話しいたします。
https://x.com/shotenkenchiku/status/1894639992154329283
■JAPANSHOP(店舗総合見本市) 概要
展示会名:JAPANSHOP2024 店舗総合見本市
会期:2025年3月4日(火)~7日(金) 10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 東4ホール
URL: https://messe.nikkei.co.jp/js/
■SUPER PENGUIN/会社概要
商号 : SUPER PENGUIN 株式会社 代表者 : 代表取締役 竹村 尚久 設立 : 2005 年 6 月 2 日
所在地 : 〒141-0021 東京都品川区上大崎 3-10-50 SEED 花房山 406 TEL:03-6417-4497
事業内容: 展示会ブースデザイン、展示会集客セミナーの企画・開催
https://www.superpenguin.jp/
スーパーペンギンは、日本の各産地の展示会出展をサポートする空間デザイン会社です。日頃は東京ビッグサイトなど、大型展示会場において、展示会ブースをデザインしています。また、東京都、石川県をはじめや奈良県・福井県など様々な行政とタイアップし、集客や商品陳列を解説するセミナーを開催、独自ノウハウにより、展示場内でもっと集客のできるブースをデザインするなど成果を出す展示会支援手法で、日本全国の中小企業・伝統産業のサポートを行っています。
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SUPER PENGUIN株式会社
代表取締役・展示会デザイナー
竹村尚久
スーパーペンギン代表。ブースのデザインを自ら行い、集客のためのセミナー、商品陳列指導、会場での立ち位置、キャッチコピーの考案等、展示会出展に関わるサポートを全て行っています。展示会業界において、デザインとセミナーをまとめて行えるのは、日本唯一。具体的な手法まで説明するブースセミナーは全国の自治体や中小企業支援団体等からの依頼が年々増加しています。
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