シノプスと伊藤忠商事、小売業を起点とした発注コントロールにより特売リードタイムを長期化 参画企業100社突破
株式会社シノプス(本社:大阪府豊中市、代表取締役:岡本 数彦、以下「当社」)は、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)と共同で開発・推進する食品バリューチェーン全体の最適化を目指す「DeCM-PF」(ディーシーエムプラットフォーム)において、小売業を起点とした発注コントロールによる「特売リードタイム長期化」(以下、「特売LT長期化」)に取り組んでまいりました。小売業複数社との1年半にわたる取り組みの結果、食品バリューチェーン上の製造・物流・販売に携わる100社を超える企業にご参画いただきました。これは前年度比で440%の増加となり、喫緊の課題である食品物流の効率化と食品バリューチェーン最適化への貢献を目指す本取り組みに、多くの企業が強い意欲を示していると言えます。

■食品バリューチェーン最適化サービス「DeCM-PF」提供の背景
現在、食品分野における物流の現場は様々な問題を抱えています。産業全体で深刻化している人口減少に伴う労働力不足、特にトラックドライバーの不足が深刻化しています。EC市場の成長と消費者ニーズの多様化による需要急増も重なり、物流現場は厳しい状況です。さらに、2024年度の働き方改革関連法施行、いわゆる「2024年問題」は、従来の輸送体制維持への強い危機感を生んでいます。
このような背景を踏まえ、需要予測型の自動発注サービス「sinopsシリーズ」で長年の実績を持つ当社のノウハウと、食品流通業の幅広いネットワークを持つ伊藤忠商事の強みを活かし、食品流通の課題解決を目指す「DeCM-PF」を開発・提供開始いたしました。
■サービス提供開始から約1年半で製・配・販、各社が参画するプラットフォームへ
DeCM-PFの第一弾としてリリースした、食品スーパーマーケットの特売商品における納品リードタイムを延長する「特売LT長期化サービス」は、小売業の商習慣に着目したことで高い関心を集め、サービス開始から約1年半で食品バリューチェーン上の製造・物流・販売に携わる多数の企業にご参画いただきました。
従来、小売業は特売開始の1週間前に発注を行う一方、特売期間中の追加発注は納品希望日の1〜2日前に行われることが多く、メーカー・卸売業にとって特売期間中の需要予測は困難でした。その結果、余分な在庫の確保、緊急のトラック手配、積載効率の低い配送といった非効率が発生していました。
これらの課題を解決するため、「特売LT長期化サービス」では、各特売の特徴や店舗ごとのチラシ、陳列方法を考慮した需要予測技術を活用し、小売業に対し、初回発注と同時に特売開始後1週間分の追加発注を特売開始2週間前に提案・確定します。これにより、特売期間中の追加発注を抑制し、メーカーや卸売業における欠品対応や過剰在庫の削減を実現しました。

本取り組みにご参画いただいた企業各社からは、「トラックの緊急手配の心配がなくなった」「物流センターの在庫が減った」「年末の繁忙期にセンター在庫上限を越えることが無くなった」「欠品が減った」「余剰在庫の削減や欠品防止による機会損失の削減が期待できる」といった声が寄せられています。
■今後の展開
今後、DeCM-PFは、特売LT長期化サービスに加え、特売と定番をあわせた卸売業への発注支援や、食品メーカーの物流最適化、店舗オペレーションと物流センター在庫の適正化両立など、サービスラインナップの拡充を行う予定です。食品バリューチェーン全体の受給最適化を実現し、業界が直面している物流課題の解決に貢献してまいります。
■株式会社シノプスについて
株式会社シノプスは、「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、需要予測型自動発注サービス「sinops」(シノプス)を開発・販売しているソフトウェアメーカーです。日配食品や惣菜といった賞味期限が短く需要予測がむずかしいとされるカテゴリーのシステム化に成功。多くの食品小売企業に採用いただいております。在庫に関わる人、もの、金、時間、情報を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献していきます。東証グロース上場(証券コード:4428)。
■食品バリューチェーン最適化サービス「DeCM-PF」について
DeCM-PFは、小売業・卸売業・製造業をつなぐことで、食品バリューチェーン全体を最適化するプラットフォームです。現在、製造業や卸売業では、小売業や消費者が欲しい商品数を正確に把握することがむずかしく、見込みで生産・在庫計画をたてた結果、余分な在庫が発生したり、効率の悪い物流が生じています。DeCM-PFは、小売業の実績や計画に基づいてAIが算出した高精度な需要予測データを、卸売業や製造業に連携することで食品流通の課題を解決し、バリューチェーンの最適化を推進します。
■自動発注サービス「sinops」について
日配品・パン・惣菜にも対応した需要予測型自動発注サービスです。幅広いカテゴリの発注を自動化することで小売業の生産性を向上させながら、値引・廃棄ロスの削減、利益率の改善などに貢献します。自動発注のほか、棚割修正をタブレット端末で行える「sinops-Pad」や売り場やバックヤードの在庫の賞味期限チェックが簡単に行える「sinops-Dcont」など幅広いサービスをラインナップしています。
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