猛暑が子どもの発達機会を奪う? 夏休みの外遊び時間『30分未満』が約4割。気候変動が学びと体の発達に影響、子どもの外遊び実態からの警鐘
教育現場でも4割が活動中止・短縮、子どもの運動機会が減少〈PAPAMO調査〉
運動×テクノロジーで子どもの発達支援を行う「へやすぽアシスト」を運営するPAPAMO株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:橋本咲子、以下:PAPAMO)は、全国の保護者380名を対象に「猛暑による今年の夏休みの外遊びへの影響」に関する調査を実施しました。
その結果、今年の夏休みの1日あたりの外遊び時間が「30分未満」が約4割、「1時間未満」にとどまる子どもが約7割にのぼりました。
また、保護者の約8割が「熱中症の心配で外遊びを制限している」と回答し、気候変動による生活環境の変化が、子どもの発達機会や家庭の行動にも影響を及ぼしている実態が明らかになりました。
さらに、学校や園など教育現場でも、4割が「外遊び・運動活動の中止や短縮」を実施しており、社会全体で「体を使う時間」が失われつつある状況が浮き彫りとなりました。

調査の目的/背景
子どもたちの「体を動かす時間」は年々減少傾向にあります。
スポーツ庁が実施する「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(令和6年度)」によると、1週間の総運動時間が420分未満(=1日平均60分未満)にとどまる児童生徒が全体の約半数を占めています。(※1)
特に、運動時間の確保が難しい児童層の存在が指摘されており、家庭・学校・地域のいずれにおいても、日常的な身体活動の機会が十分に取れていない実態が明らかになっています。
加えて近年、地球温暖化の影響による平均気温の上昇が続き、真夏日(30℃以上)および猛暑日(35℃以上)の年間日数が増加傾向にあります。(※2)
こうした気候の変化は、子どもたちの生活習慣や発達機会にも少しずつ影響を及ぼしています。
一方で、保護者や教育現場がその影響をどのように感じ、実際の行動にどのような変化が生じているのかについては、これまで定量的なデータが十分に蓄積されていませんでした。
そこでPAPAMOは、「猛暑」という具体的な環境要因に焦点をあて、子どもの外遊び時間や運動機会にどのような影響が出ているのかを明らかにすることを目的として本調査を実施しました。
子どもの発達支援を行う企業として、気候変動が子どもの成長に与える影響を社会全体で考えるきっかけをつくることを目指しています。
(参考データ出典)
※1 スポーツ庁「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(令和6年度)結果の概要
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/kodomo/zencyo/1411922_00013.html
※2 気象庁「気候変動監視レポート:日本における極端な気温」
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/?utm_source=chatgpt.com
【調査結果の詳細】
①【外遊び時間の実態】夏休みの1日の外遊び時間『30分未満』が約4割。
今年の夏休みの1日の外遊び時間は「30分未満」が39.7%、「30分〜1時間未満」が35.8%と、約7割が1時間未満にとどまりました。
一方で、1〜2時間未満が18.4%、2時間以上遊ぶ子どもは6.1%にとどまり、長時間の外遊びは少数派となりました。
全体として、外遊び時間の短時間化が進行している傾向が見られます。〈図表①参照〉
また、「大きく減った」(26.3%)と「やや減った」(27.6%)を合わせ、保護者の53.9%が「外遊び時間が減った」と回答しており、家庭での子どもの外遊びが制限される傾向が見られました。〈図表②参照〉

②【外遊び減少の理由】8割以上が「猛暑(高温)・熱中症の心配」
外遊びが減少した理由として、「猛暑(高温)・熱中症の心配」が82.4%と最も多く、安全面を考慮して子どもの活動を控える傾向が明らかになりました。
続いて「室内遊び(ゲーム・動画など)が増えた」(16.6%)、「子どもが外で遊びたがらない」(12.2%)が上位に挙がりました。
夏の気候条件が外遊び機会を制限している実態が浮き彫りになりました。〈図表③参照〉

※「外遊びが減った」と回答した保護者(n=205)を対象に集計。
③【学校・園での活動】4割以上が「中止・短縮」を経験
「園や学校での外遊び(お散歩・休み時間の運動など)」では、中止・短縮が46.3%にのぼり、さらに「体育の授業」(37.3%)、「部活動・スポーツクラブ」(33.7%)、「学校・園の行事(運動会・プール・キャンプなど)」でも3〜4割が「中止または短縮された」と回答しました。
教育現場においても、気候要因による活動制限が広がっている状況が見て取れます。
④【保護者の懸念】最多は「体力・持久力の低下」(46.8%)
外遊びの減少により「体力・持久力の低下」を懸念する保護者は46.8%と最も多く、続いて「発達への影響」(21.6%)、「集中力・学習への影響」(18.4%)が挙げられました。身体面だけでなく、発達や学習など生活全体への影響を懸念する声も少なくありませんでした。〈図表④参照〉

調査を踏まえて:子どもの発達と“気候変動”の関係について
PAPAMO株式会社 代表取締役 橋本咲子のコメント

「外で思いきり遊ぶ」——そんな当たり前の光景が、年々失われつつあります。
気候変動は、子どもの発達機会を密かに奪い、その影響は、教育や発達の現場にも確実に広がっています。
実際、へやすぽアシストの会員様からは、「暑い夏が長く続き、外で遊べないため、運動不足が心配で入会した」といった声を多くいただいています。
また、海外の会員様からは、「一年中暑くて外で遊べないため、家で過ごす時間が途方もなく長い。慢性的な運動不足だし、家の中での過ごし方のバリエーションがほしい」といったお声も寄せられています。
気温の上昇は、単なる”遊び方の変化”ではなく、子どもの身体、そして心の発達に影響を及ぼす深刻な社会課題です。
私たちは、オンラインという形で発達支援・運動指導を届けることで、気候や地域の制約に左右されない「新しい発達のインフラ」を構築していきます。
そして、子どもたちが安心して自分の身体で世界を感じ、自分らしさを開花できる社会を実現したいと考えています。
【調査概要】
調査名:猛暑による今年の夏休みの外遊びへの影響調査
調査主体:PAPAMO株式会社
調査方法:インターネット調査(クロス・マーケティング社「QiQUMO」を利用)
調査対象:就学前(年少)〜中学3年生までのお子さまを持つ全国の保護者
有効回答数:380名
調査期間:2025年9月30日〜10月7日
※割合は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※用語の定義
本リリース内で用いる「外遊び」とは、屋外(公園・広場・庭・通学路など)で体を動かして遊ぶことを指します。なお、幼稚園や保育園での運動、学校の体育授業、クラブ活動・部活動は含みません。
※引用・転載について
本調査の内容を引用・転載される際は、引用元として「PAPAMO株式会社」をご明記ください。
運動×テクノロジーによる発達支援サービス「へやすぽアシスト」

「へやすぽアシスト」は、運動による発達支援をテクノロジーを活かして提供するサービスです。
累計3万件以上の指導データを蓄積しており、レッスン前にヒアリングした課題と実施したレッスン、その成果までデータベース化。その知見をもとに1,000以上のプログラムから最適なレッスンを提案します。
レッスンプログラムの開発は、発達支援のプロである理学療法士・作業療法士が中心となって行い、データに基づいて一人ひとりに合わせた質の高い支援を実現しています。レッスンは、オンラインでマンツーマンで行うため、家庭にいながら安心して受けられることも特長で、会員継続率は97%を誇り、多くのご家庭に支持されています。
へやすぽアシスト 体験お申し込み:https://papamo.net/official/
PAPAMOについて

PAPAMO株式会社
社名:PAPAMO株式会社
本社所在地:東京都渋谷区神山町5-8 ステラハイム神山401
代表取締役:橋本咲子
事業内容:運動×テクノロジーによる発達支援サービス「へやすぽアシスト」の開発・運営など
設立: 2021年4月1日
HP:https://papamo.net/official/
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