キャパシタンスマノメーター「VG 500S 」を発売
~12 月17 日から開催のSEMICON Japan 2025 に出展~
HORIBAグループで半導体事業を担う株式会社堀場エステック(京都市南区上鳥羽鉾立町11-5 代表取締役社長 堀場 弾|以下、堀場エステック)は、チャンバー内の圧力測定に使用されるキャパシタンスマノメーター「VG-500S」(隔膜式真空計)を12月17日に発売します。
近年、半導体デバイスの微細化・三次元構造化が進展し、製造プロセスの複雑化が加速しています。このような状況下で高品質な半導体を安定的に供給するためには、より高度なプロセス管理と精密な制御が不可欠です。特に成膜やエッチング工程では、チャンバー(シリコンウェハの各種加工を行う反応室)内へのガス供給量の制御に加え、真空状態の維持なども歩留まり改善や生産性向上に寄与する重要な要素です。本製品は、こうしたニーズに対応し、100~200℃という高温プロセスでも高精度かつ安定した圧力測定を実現するとともに、独自アルゴリズムの採用により応答時間※1を従来比約4倍※2に高速化し、半導体製造プロセスの安定稼働に貢献します。
堀場エステックは、今後も多様な製品ラインアップと確かな技術力で、半導体製造現場における高度な要求に応え、最適なプロセス管理ソリューションを提供してまいります。
なお、本製品は2025年12月17日から19日まで東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan 2025」に出展します。

【開発の背景】
半導体デバイスの微細化が進む中、その製造プロセスにおいて使用される材料ガスの種類は多様化の一途をたどっています。成膜やエッチングなどの工程では、材料ガスの反応を精密に管理し、不純物の混入を防ぐため、チャンバー内における真空状態の維持が欠かせません。特に蒸気圧※3が低い材料ガスを用いる場合には、気化した後のガスが冷えて液体に戻らないように、配管全体を加熱して温度を一定に保つ必要があります。そのため、このような環境で使用される真空計には、気化した原料が結露や熱分解を起こさないように、センサー部自体を適切な温度に管理し、圧力測定することが求められています。これらの背景を受け、このたび新製品「VG-500S」を開発しました。
【製品の特長】
1. 高温プロセスでも優れた応答性能と安定した測定精度を両立
「VG-500S」は、材料やプロセスに応じてセンサー部の温度を100~200℃の範囲でお客様の要望に合わせて設定できる仕様にしました(注文時に温度を指定いただきます)。これにより、センサー部での結露や熱分解のリスクを軽減し、安定した圧力測定を可能にします。さらに、圧力センサー部には独自アルゴリズムを採用し、応答時間を従来比約4倍※2に向上させるとともに、ステンレスのダイアフラム※4を用いることで、高速応答と高精度測定の両立を実現。半導体製造プロセスの安定稼働に貢献します。
2. ラインアップを拡充し、グローバルでの販売体制を強化
堀場エステックは、2015年にキャパシタンスマノメーター「VG-200」を発売して以来、高い精度と安定性が評価され、国内外でVGシリーズを展開してきました。海外市場で高い評価を得ている「VG-200S」の特長を継承しつつ、高温プロセスでの圧力測定ニーズに応える「VG-500S」を新たに加えることで、ラインアップをさらに拡充し、グローバルでの販売体制を強化します。
※1 圧力の変化を検知し、測定値に反映するまでの時間。応答時間が短いほど、半導体製造プロセスにおいてより高度な制御が可能になります
※2 堀場エステック「VG-500」との比較および堀場エステック調べ。使用方法や条件によって効果が異なる場合があります
※3 物質が液体から気体に変わるときの圧力。蒸気圧が低いほど気化しにくいという性質があります
※4 圧力を感じ取るための薄い膜のこと。外部から加わる圧力でわずかにたわみ、その変位を検出して圧力を測定します
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