シェアメディカル、日本初の「遠隔看取り」サービスを開始

移動時間をなくし、医師の負担軽減と患者の尊厳ある最期を両立する終末期医療DXソリューション

シェアメディカル

株式会社シェアメディカル(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:峯啓真)は、同社のデジタル聴診デバイス「ネクステート」と、医療用チャットサービス「メディラインワークプレイス」を組み合わせた、日本初*の「遠隔看取り」サービスを開始することを発表いたします。

ネクステートとメディラインを用いた遠隔看取りのイメージ

■ 防災の日に寄せて―災害時にも途切れない医療を

本日9月1日は防災の日です。大規模災害時には、道路寸断や医療機関の機能停止により、死亡確認のための医師派遣が困難となるケースが想定されます。本サービスは平時の医療現場で活用できると同時に、医師の移動時間を削減し、負担を軽減することが可能です。さらに災害時における医療継続性確保の観点からも、社会インフラとして重要な意義を持ちます。

■ 背景―深刻化する地域医療の課題

現在、日本の医療現場では以下の課題が顕在化しています。

医療過疎地域の拡大

離島や中山間地域では医師不足が深刻化し、無医地区は増加の一途をたどっています。通常、医師は介護施設の看護師や訪問看護師から連絡を受け、昼夜を問わず死亡確認のため現地に赴く必要があります。特に医師が常駐していない離島などでは、ご遺体を本島に搬送するか、医師の到着を長時間待たねばなりません。

医師の高齢化と働き方改革の課題

地方診療所の医師の平均年齢は63.2歳と高齢化が進み、夜間・早朝の呼び出し対応が困難になっています。医師不足の深刻化に加え、働き方改革の観点からも、オンコール負担軽減は急務です。

  • 無医地区:約700地区(約1.5万人)

  • 地方診療所医師の平均年齢:63.2歳

  • 2040年の予測:医療・福祉分野で約96万人の人材不足

死亡診断における聴診の必要性

医師が死亡診断を行うためには、心停止、呼吸停止、瞳孔散大の「死亡3徴候」の確認が必要です。在宅医療ではモニター機器の設置は稀であり、従来は心音・呼吸音の確認に聴診器が不可欠でしたが、遠隔での実施は技術的に困難でした。

■ 革新的な遠隔看取りシステムの仕組み

シェアメディカルの「遠隔看取り」サービスは、以下のフローで実施されます。

  1. 事前の情報共有:現地の看護師が瞳孔所見や身体状況をタブレットで撮影し、メディライン」で医師に事前に送信。

  2. オンライン接続:メディラインに内蔵されたオンライン診療ツールを起動し、医師とリアルタイムで接続。

  3. 遠隔聴診:看護師が「ネクステート」を自身に当てて稼働していることを医師とともに確認後、患者に当て、医師が遠隔で心音・呼吸音の停止を確認。

  4. 死亡確認と事務手続き:医師が死亡確認を行った後、医師は必要に応じてご家族に説明。あらかじめ署名・捺印した死亡診断書に医師の指示のもと看護師が時刻や死因等を代筆し、ご遺族に手渡す。

■ 日本初の取り組みとその意義

遠隔での死亡確認は、オンライン診療よりも早期に法的に認められていましたが、実用化を進める企業はこれまでほとんど存在しませんでした。シェアメディカルは、リアルタイム遠隔聴診で「検査のできるオンライン診療」を初めて実現しました。本サービスはその応用であり、同時に日本で初めて本格的に「遠隔看取り」を可能にする終末期医療DXソリューションとして、医療現場に新たな選択肢を提供します。

■「終末期医療DX」の推進―テクノロジーの役割

政府の「医療DX令和ビジョン2030」では、デジタル技術による医療の質向上と効率化が重要な柱とされています。終末期医療の領域においても以下の効果が期待されます。

  • 人材不足への対応:2040年に予測される96万人の人材不足に対し、DX技術の活用で労働力を有効に活用。

  • 地域格差の解消:地理的制約を超えた質の高い医療提供を実現。

  • 尊厳ある看取り:慣れ親しんだ環境で最期を迎えることを可能にし、患者と家族の希望に沿った尊厳のあるケアを提供。そして長年の地域医療で診てきた患者と、その家族に対して最後の医療を提供する医師としてのプライドを同時に実現。

「メディラインワークプレイス」について

メディラインワークプレイスは、医療・介護従事者専用に設計されたメディカルメッセージングサービスです。医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャーなど多職種間での患者情報共有と連携を支援し、地域医療の質向上を実現します。政府情報システムセキュリティ評価制度(ISMAP)認定のクラウドサービスを採用した高強度セキュリティと、ユーザー数無制限の固定料金制により、医療機関の予算管理と運用負担を軽減します。全機能API連携対応により、既存の医療システムとシームレスに統合し、業務効率化を促進します。

詳細は以下をご参照ください。
https://www.mediline.jp

「ネクステート」について

ネクステートは、最新の音響テクノロジーを搭載した次世代デジタル聴診器です。心音や肺音などの微弱な生体音をデジタル化し、アンプによって最大1000倍まで拡大。内蔵されたデジタルシグナルプロセッサが心音・呼吸音を最適化し、聞き取りやすいクリアな音質を実現します。

ワイヤレス機能により、従来の聴診器の制約を超えた自由で柔軟な診察スタイルを可能にし、医療従事者の聴覚を飛躍的に拡張。さらに、タブレットやPCにつなぐことでリアルタイム遠隔聴診も可能にし、医療現場における診断精度の向上と効率化に貢献します。

詳細は以下をご参照ください。
https://www.nexstetho.com

■ 今後の展開

シェアメディカルは終末期医療DXを初めて提供する企業として本サービスを通じて以下を実現してまいります。

  • 医療過疎地域での医療アクセス向上

  • 医師の働き方改革推進

  • 高齢化社会における尊厳ある看取りの実現

  • 平時運用を含む災害時医療体制の強化

本サービスの導入により、患者、ご家族、医療従事者すべてにとって、より良い終末期医療を実現してまいります。

株式会社シェアメディカルについて(http://www.sharemedical.jp/

シェアメディカルは、「助けたいという想いをITの力で助けられるにつなぐ」という理念のもと、医療従事者をテクノロジーで支援する医療ITベンチャー企業です。デジタル聴診デバイス「ネクステート」の開発により、COVID-19感染対策下での医療従事者の安全な聴診を実現し、遠隔聴診やオンライン診療など、次世代遠隔医療の発展に貢献してきました。シェアメディカルは医療現場の課題に対し、革新的なテクノロジーソリューションを提供することで、医療従事者の業務効率化と患者ケアの質向上を実現し、医療業界のデジタル変革を推進しています。

※「日本初の遠隔看取りサービス」について
当社調べ(2025年8月、国内医療機器メーカーおよび医療ICT企業の提供サービスを対象に調査)。
遠隔死亡診断の法制度は既に存在しているものの、「デジタル聴診デバイスとオンライン診療機能付きチャットサービスを組み合わせ、医師による死亡確認を遠隔で可能とするサービス」としては国内初の本格的な実用ソリューションとなります。(参考:日本遠隔医療学会・厚生労働省遠隔医療関連通知)

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会社概要

株式会社シェアメディカル

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URL
http://www.sharemedical.jp
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都千代田区大手町1-6-1 SPACES大手町ビル
電話番号
050-3612-8255
代表者名
峯 啓真
上場
未上場
資本金
6860万円
設立
2014年09月