「オフィスワーカーの知的生産性の可視化」に関する共同研究結果について
~コロナ禍で一般化したWEB会議と対面会議の比較、仮眠・運動の効果検証~
※1共同研究の開始に関するリリース資料:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000044679.html
- 本研究の背景
コロナ禍により、オフィスワーカーが「Web会議」を行うことが一般化していますが、従来の「対面会議」と「Web会議」のいずれが知的生産性を高めるかについて、定量的に明らかにする取り組みは進んでいません。
また、IT技術の活用により、事業・生活を変革するデジタルトランスフォーメーションが様々な分野で進む一方で、「仕事の合間に仮眠を取る」「仕事の合間にフィットネスを利用する」などが、オフィスワーカーの知的生産性の向上に寄与するとされているものの、それらによる実際の効果をデジタル化する取り組みも進んでいません。
これらの点に着目し、PxDTが有する空間データプラットフォーム「KOTOWARI™」を活用し、東京建物のオフィスビルにおいて、同社社員100名超が被験者となり、知的生産性を向上させ得る施策のデータ分析・可視化を行いました。
- 本研究の概要
本研究では、知的生産性を構成するとされる「疲労」「集中」「コミュニケーション」の3要素のうち、最もベースとなる「疲労」に着目し、「実験①:『Web会議』と『対面会議』の比較実験」と「実験②:『仮眠』と『運動』の効果検証実験」を行いました。
- 各実験の内容と結果
【実験①:「WEB会議」と「対面会議」の比較実験】
実験①では、既存手法であるフリッカー測定方法※3を用い、測定装置はシンプルなIoTボードとアプリケーションで実装しました。「Web会議」と「対面会議」の前後で測定を行い、会議前のフリッカー値より会議後のフリッカー値が減少する割合に応じて、被験者の疲労度を推定しました。
また、会議の条件(会議の場所や目的、会議での役割など)を被験者へのアンケートにより集計し、会議の条件ごとの疲労度を分析しました。
※3 フリッカー測定:点滅する光が点滅に見えなくなる繰り返し速度により、精神疲労を測定する手法。フリッカー値が5%低下すると刺激に対する反応が15%下がるといわれている。(技術情報協会「ストレス・疲労のセンシングとその評価技術」、2019)
〔得られた結果〕
・ 会議のメンバーでは、社内のみでの会議よりも、社外(外部)を交えた会議の疲労度が高い
・ 会議の目的では、アイデア創出を行う会議の疲労度が高い
・ 会議の形態では、オン・オフ混合の会議の疲労度が高い
・ オンライン会議の会議形態では、オフィスの自席からよりも自宅から参加した会議の疲労度が高い
〔考察〕
会議形態の考察として、「オン・オフ混合」での会議形態は疲労度が高くなる傾向があり、疲労度を小さくするためには「オンラインのみ」もしくは「オフラインのみ」の会議形態を選択した方が良いと言えます。
また、参加場所の考察として、オンライン会議自体の有効性を否定するものではないものの、自宅から参加するオンライン会議はオフィス自席から参加するオンライン会議と比較して、疲労度が高くなる傾向があるため、参加場所を選択できる環境下では、オフィスを選択した方が疲労軽減につながると言えます。
【実験②:「仮眠」と「運動」の効果検証実験】
実験②では、被験者が計測機器を身に着ける負担を考慮して、PxDTが独自に開発したソフトウェアとアルゴリズムの活用によってカメラを設置するのみでの測定を可能にし、撮影した動画から疲労を推定しました。
〔「仮眠」の効果検証実験について〕
被験者を「勤務中の仮眠あり」と「通常勤務(勤務中の仮眠なし)」の2グループに分け、それぞれのグループで、上記手法により疲労の推定を行いました。その際、「勤務中の仮眠あり」のグループは、勤務中の指定のタイミングで15分程度の仮眠を取得しました。
検証実験の結果、「仮眠を取得することにより、一定時間疲労が抑制される傾向」が見られました。
〔「運動」の効果検証実験結果について〕
被験者を「勤務中の運動あり」と「通常勤務(勤務中の運動なし)」の2グループに分け、それぞれのグループで上記手法により、疲労の推定を行いました。その際、「勤務中の運動あり」のグループは、勤務中の指定のタイミングで15分程度の軽めの運動を実施しました。
検証実験の結果、「勤務中の運動ありのグループの方が、運動なしのグループと比較して疲労度は小さいものの、仮眠ありのグループと比較して大きな差ではなかった」ことが明らかとなりました。
- KOTOWARI™について
PxDTが開発した「KOTOWARI™」は、空間データ(例:3次元点群データや画像データ)を取得/保存/活用することで、空間にある多様な事象をデジタルデータとして取り扱い、統合的に解析する高度なアプリケーション(例:空間のデジタル化、リモート点検、異常検知、産業機器の知能化)の構築を可能とします。
具体的には、KOTOWARI™プラットフォーム上の適切なモジュールを組み合わせることで、業種業態ごとの課題/ニーズに合わせたアプリケーションを構築できるほか、センサーの追加/統合/乗り換えも容易に行うことができるため、開発したアプリケーションを継続的に進化させることが可能です。これにより空間データを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を種々の現場で持続的に実現することに寄与します。
* KOTOWARI™及び関連するロゴは、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の商標又は登録商標です。
- ピクシーダストテクノロジーズ株式会社について
- 東京建物株式会社について
「社会課題解決に貢献するまちづくり」の実現に向け、社会課題の解決を中心テーマに据えながら、①多様な人々や企業との交流と豊かなコミュニティの醸成、②地域の歴史や文化の尊重、③持続可能な社会の実現、④多様なパートナーとの協働や先進的なテクノロジーの活用を重視しています。
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