『TREホールディングス×東北大学WX(Waste Transformation)共創研究所』開設のお知らせ
‐廃棄物処理の革新的プロセスの開発とCCU技術の社会実装‐
1. 背景及び目的
カーボンニュートラル(以下、「CN」)の実現に向けて、CO2の回収・濃縮・利活用などの研究開発が世界中で進められています。中でも注目を集めているCCUプロセスは、その過程でエネルギーを大量に消費することが実用化への高い壁となっています。
東北大学は、CCUプロセス実用化への障壁を打破するために、提唱した省エネルギー型のCCUプロセスが、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ムーンショット型研究開発事業」において、目標4「2050年までに地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」の達成を目指す研究開発プロジェクトの一つとして採択されるなど、未来社会に向けてのイノベーション(技術革新)を牽引しています。
TREは、「地球の環境保全に貢献する。」という企業理念に基づいて、CN実現のための新規事業や研究開発、異業種との協業などに積極的に取り組んでいます。また、再資源化が可能な廃棄物や処理の過程で発生するダストからの製品づくり、間伐材等を燃料とする木質バイオマス発電など、 限りある資源の有効活用にいち早く挑戦してまいりました。
2. 今回の取り組み
そこでこの度、TREと東北大学は廃棄物の焼却処理とCO2回収利用を統合する革新プロセスの 開発とCCU技術の社会実装を目指し、「WX共創研究所」を開設し、本格的にプロジェクトを開始いたしました。WXとは、廃棄物の再資源化技術の社会実装による廃棄物(Waste)処理の質的変化(Transformation)を意図するWaste Transformationから派生させた造語であり、来るべきサーキュ ラーエコノミーの実現に向けて、既存の枠組みにとらわれず、社会を豊かにすることを目指すことを表しています。
まずは構築された理論の実証を目指し、技術開発を進めます。同時に、資源循環や社会貢献に資する新たなテーマの発掘やプロジェクト組成の推進、WXを担う若手人材の育成も視野に入れ、 サーキュラーエコノミーの実現に寄与してまいります。
■東北大学について
1907年の建学以来、「世界的に卓越した研究、指導的人材の育成、社会の多様なパートナーとの協業を通して、平和で公正な人類社会の実現に貢献する。」という使命のもと、日本有数の総合研究大学として多くの人材を輩出し、卓越した研究成果を世に送り出してこられました。また、国際卓越研究大学※3認定に向けて、3つのコミットメント「未来を変革する社会価値の創造(Impact)」、「多彩な才能を開花させ未来を拓く(Talent)」、「変革と挑戦を加速するガバナンス(Change)」を掲げ、これらの変革への意思や体制強化計画が評価され、国際卓越研究大学の認定候補として選定されています。
■TREについて
TREは、建設系廃棄物処理・リサイクルや再生可能エネルギー事業を行う株式会社タケエイと、金属・資源リサイクルを行うリバーホールディングス株式会社(現リバー株式会社)が、深刻化する地球環境問題に対応するため、2021年10月に設立した共同持株会社です。
総合環境企業として、「地球の環境保全に貢献する。」という企業理念に基づき、高度循環型社会及び脱炭素社会の実現に貢献するため、様々な廃棄物の再資源化に取り組んでいます。
3. 共創研究所の概要
(1)名称
TREホールディングス×東北大学 WX(Waste Transformation)共創研究所
(2)活動内容
東北大学の資源を最大限活用し、廃棄物処理・リサイクル分野が資源循環型社会の多層的な担い手となるWXを達成する。
① 熱による廃棄物処理と炭素回収利用を統合する革新プロセスの開発
② WXに関する様々な研究シーズの調査と検討
③ WXを担う若手人材の育成
(3)運営体制
① 運営総括責任者:東北大学大学院 工学研究科 吉田 紗由美 特任准教授
(株式会社タケエイ 経営企画本部 技術開発部)
② 運営支援責任者:東北大学大学院 工学研究科 化学工学専攻 北川 尚美 教授
(4)設置場所
東北大学 青葉山東キャンパス内 ハッチェリースクエア(C06)棟
(2024年4月に、化学・バイオ系研究棟分館(E02)に移転予定)
(5)設置期間
2023年12月1日~2027年3月31日(予定)
※1 | CCU | Carbon Capture and Utilization. 排ガス中や大気中のCO2を回収し、直接または何らかの製品に変換して利用する技術の総称。CNを早期に達成するための手段のひとつとされている。 |
※2 | 共創研究所 | 東北大学内に企業との連携拠点を設けるとともに、東北大学の教員・知見・設備等に対する部局横断的なアクセスを可能とすることで、共同研究の企画・推進、人材育成、および大学発ベンチャーとの連携をはじめとする多様な連携活動を推進する制度。 東北大学 産学連携機構 WEBサイト(共創研究所): |
※3 | 国際卓越研究大学 | 国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律(令和4年法律第51号)により、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学を国際卓越研究大学として認定し、当該大学が作成する国際卓越研究大学研究等体制強化計画に対して、大学ファンドによる助成を実施するもの。 |
左:TREホールディングス 代表取締役社長 阿部光男
右:東北大学 総長 大野英男
WX共創研究所が設置される化学・バイオ系研究棟
本件お問合せ先:
TREホールディングス株式会社 経営企画部
TEL:03-6327-2622
Email:contact@tre-hd.co.jp
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