【北海道の酒造りに新潮流】後継者不足の危機、杜氏たちが切り拓く「道産日本酒」の未来

「組織改革」と「憧れの醸成」が生む、伝統産業の新たな魅力

北海道庁PR事務局

北海道庁は、2026年2月19日(木)に、道内外の酒造メーカーにおける、北海道の酒米(さかまい)のさらなる認知度向上と、道内酒米生産者の意欲向上を図るため、「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」を開催しました。本イベントでは、道内酒米生産者や北海道の酒米を使用している酒蔵の杜氏など、日本酒造りに携わる関係者が一堂に会しました。

北海道は、おいしい日本酒造りに適した清らかな水や豊かな土壌に恵まれています。これに加えて品種改良により道産酒米の品質も向上しています。現在は、「吟風」「彗星」「きたしずく」といった優れた道産酒米が誕生し、全国から注目を集める一方で、業界は深刻な後継者不足や、職人の高齢化という大きな課題に直面しています。

本リリースでは、「組織の近代化」や「次世代育成」の側面から、新たな挑戦を続ける2つの酒蔵(福司酒造、上川大雪酒造)の取り組みを紹介します。

1. 【福司酒造】「杜氏制」から「チーム制」へ、100年先を見据えた組織改革

伝統的な職人社会をアップデートし、異業種からも人材が集まる環境を構築

釧路で唯一の酒蔵である福司酒造では、製造部長の梁瀬一真氏を中心に、持続可能な酒造り体制への転換など、個人の職人芸をチームの力に変え、「100年先まで」地酒文化をつなぐための挑戦を進めています。

【ポイント】

・個人依存からの脱却と「製造部制」の導入:技能と責任が特定の杜氏に集中する従来の体制を見直し、チーム全体で責任を共有する「製造部制」へ移行しました。これにより、若手社員の自主性と判断力が向上し、全員がやりがいを持って働ける環境を整えています。

・多様な人材の確保と通年雇用: 10年前に複数の職員が同時に離職したことを契機として、季節雇用の杜氏制度から年間を通じた社員雇用システムへ転換しました。20年近く続くブログはもとより、SNSの活用により、蔵の日常を可視化したことで、異業種からの転職者も活躍する多様な組織となっています。

・新ブランド「五色彩雲(ごしきのくも)」による挑戦: 地元で愛される「福司」を守りつつ、外部への発信力を持つ新ブランドを立ち上げました。この挑戦は若手社員の技術向上と、新しい手法へのチャレンジの場として機能しています。

【担当者コメント:福司酒造 製造部長 梁瀬一真氏】

幼少期に「祖父や伯父が楽しそうに仕事をしている姿を見て酒造りに興味を持った」という原体験から、酒造りの道へ。地元人材の確保が難しい現在、チームで酒を造る体制に変えたことで、社員一人ひとりの責任感が強まりました。釧路という米の作れない土地だからこそ、独自の文化や価値を可視化し、100年後も「真の地酒」として地域に必要とされる蔵でありたいと考えています。

2. 【上川大雪酒造】「かっこいい酒造り」の可視化と大学連携による人材輩出

「行動展示」と「キャンパス内の蔵」が、若者の憧れを醸成する

三重県から北海道への「酒類製造免許の移転」という前例のない形で誕生した上川大雪酒造は、新しい酒蔵のモデルを示し、北海道産酒造好適米のみを使用した生産者指定の単一農家米による日本酒製造を実現。

【ポイント】

・「見せる」酒蔵によるブランド化: 蔵の隣に直営店を構え、24時間いつでも外から作業風景を見学できる「前面窓」を設置しています。旭山動物園の「行動展示」をヒントにしたこの設計は、職人の動きを「かっこいい」ものとして可視化し、若者の関心を惹きつけています。

・帯広畜産大学との深い連携: 大学構内に「碧雲蔵(へきうんぐら)」を設置し、学生がアルバイトやインターンとして酒造りの全工程に携わっています。実際に、酒造りを志して同大学に入学する学生も現れており、卒業生がそのまま蔵へ就職する理想的な人材循環が生まれています。

・道産酒米の価値を科学的に証明: 本州の高温障害により道産酒米の品質が再評価される中、大学との共同研究を通じて、経験則だけでなく科学的視点を持った「次世代の醸造家」を育成しています。

【担当者コメント:上川大雪酒造 杜氏 小岩隆一氏】

杜氏は、選ぶというより「選ばれる」職業。24時間体制の管理など厳しい面もありますが、理想を超える酒ができた時の喜びは代えがたいものです。作業着のデザイン改善や前面窓による職人らしい動きの可視化により、日本酒造りを憧れの職業に変えていくことで、将来の杜氏育成につなげ、人口3,000人の上川町を世界に知られる存在にしたいです。

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会社概要

北海道庁広報広聴課

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
北海道札幌市中央区北三条西6
電話番号
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代表者名
鈴木直道
上場
未上場
資本金
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設立
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