2016年を代表する魅力的なリノベーション事例が決定「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2016」|株式会社タムタムデザインの「アーケードハウス」がグランプリを獲得!
SNSを活用し一般ユーザーの声も取り入れてノミネート作品を選考、住宅媒体ら編集者8名がグランプリを選考
一般社団法人リノベーション住宅推進協議会(東京都渋谷区・理事長:山本卓也)は、2016年を代表する魅力的なリノベーション事例を選ぶコンテスト「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2016」(選考委員長:リノベーション住宅推進協議会 プロモーション委員会 委員長 島原万丈)の授賞式および審査員による講評会を12月15日(木)に東京大学本郷キャンパス内にて開催し、総合グランプリ、部門別最優秀作品賞、審査員特別賞を発表いたしました。
本コンテストでは、消費者にとって関心の高い施工費別に、「500万円未満部門」、「800万円未満部門」、「800万円以上部門」、「無差別級部門」の4部門を設けています。部門ごとに全国からエントリーされた計161作品を、リノベーションの楽しさ・魅力・可能性という点にフォーカスしてSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を活用した一般ユーザーの声を取り入れ一次審査をし、51作品をノミネート選出しました。その後、最終審査においては、新聞や雑誌などの住宅を中心としたメディア編集者ら8名で構成された選考委員が審査を行い、総合グランプリ、部門別最優秀作品賞4点、特別賞8点を決定。12月15日(木)に授賞式・講評会を開催いたしました。
ホームページ http://www.renovation.or.jp/oftheyear/2016/royresult.html
【受賞作品一覧】
■総合グランプリ
株式会社タムタムデザイン
■部門別最優秀作品賞<500万円未満部門>
REISM株式会社
■部門別最優秀作品賞<800万円未満部門>
棟晶株式会社
■部門別最優秀作品賞<800万円以上部門>
株式会社スロウル
■部門別最優秀作品賞<無差別級部門>
株式会社ブルースタジオ
<審査員特別賞>
■コンパクトプランニング賞
■ミニマルデザイン賞
■逆転リノベーション賞
■賃貸DIY推進賞
■ユーザーファースト賞
■インバウンド賞
■空家活用まちづくり賞
■可動産リノベーション賞
【審査委員長講評】
審査委員長
島原 万丈 / リノベーション住宅推進協議会 プロモーション委員会 委員長
1枚の写真が審査員に大きな衝撃を与えた。総合グランプリに輝いた「アーケードハウス」である。ひと気のない薄暗いアーケード商店街にともされた暮らしの灯りが、過去から現在までこの商店街が辿ってきた時間と、これから向かうかもしれない未来を、静かに暖かく照らしていた。
衰退した商店街で空き家になった店舗を、「店」からではなく「住」から再生させるというのは、これまで誰も考えなかったアイデアである。このような灯りが商店街に連なり、すなわち商店街に再び人が住むようになれば、路面の「商」も昔とは違った形に再生するのではないだろうか。LDKの大きなガラス面から見下ろす街の、まだ見ぬ未来の予感にわくわくした。審査会満場一致で決まった総合グランプリである。
「アーケードハウス」を代表として、今年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーのノミネート作品は全体的に、社会的な提案性を感じられるものが目立った。これらの作品は、基本的に個人または個社のオーダーに応えてデザインされたものであるが、その視線は物件の背景にある地域社会の課題にまで届いている。それは、何十年もその地にあり続けた既存住宅を活用するからこそ求められる態度というべきもののであろうし、社会から期待されているリノベーションの役割でもあろう。
800万円未満部門最優秀作品の「“高品質低空飛行”に暮らす家〈暮らしかた冒険家 札幌の家〉」と800万円以上部門最優秀作品の「三角屋根のブロック造の家」は、奇しくもどちらも北海道からのエントリーである。いずれも断熱・気密の性能を大幅に向上させ、クライアントの快適性だけにとどまらず、エネルギー問題・地球環境問題に対する既存住宅からの回答となっている。また両作品とも道産材を多用することで、ウッドマイレージCO2の削減とともに地域の経済循環にも目配せがされている。
日本の住宅の弱点は、間違いなく省エネルギー性能だ。2020年に義務化される次世代省エネ基準ですら、外被性能が先進国の水準から大きく立ち遅れていることは、住宅業界の不都合な真実である。断熱・気密に対する認識が低かった時代に建てられた既存住宅はなおのこと、夏は暑く冬は寒い。当然エネルギー消費量は大きい。既存住宅のリノベーションは、そもそも新築行為よりも環境負荷は小さいものの、省エネ性能の低さは既存ストックの泣き所であった。外被性能の向上はコストも知識・技術も要求される改修であるが、中古だからとそこから逃げずに取り組んだ両作品は、リノベーション住宅が進むべき未来をはっきり示したと言える。
無差別級に多数エントリーされたコンバージョン事例は、空き家問題を解決しつつ、インバウンドによる成長戦略や地域活性化に資する、説得力のある提案だったように思う。
激戦の無差別級で、「SPICE MOTEL OKINAWA」(審査員特別賞「インバウンド賞」受賞)、「さらしや長屋」(審査員特別賞「空家活用まちづくり賞」受賞)、「HATCHi金沢」など、いずれもグランプリ級のライバルを押さえて最優秀を勝ち取ったのは、「シーナと一平」だった。街の銭湯をお風呂、飲食店をレストラン、「シーナと一平」をダイニングキッチンとベッドルームと見立てた、街全体がひとつの宿というコンセプトは、リノベーションに不可欠な「見立てる力」を最も象徴的に示した作品である。
さらに、豊島区の椎名町駅という東京都民にもあまり知られていない街の、いかにも古ぼけた、建築物としても特筆すべき取り柄など見当たらない、小さなとんかつ屋の店舗を題材にしたこの作品は、どんな街のどんな建物にも、磨けば光る可能性が潜在していているのだと、全国の街に展開可能な希望を照らした。「シーナと一平」は小さな作品だが、ある意味で大きなリノベーションと言えるかもしれない。
4回目を向かえるリノベーション・オブ・ザ・イヤー2016の総括として、年末恒例の「今年の漢字」にあやかるなら、「灯(あかり/ともしび)」としたい。リノベーションが進むべき未来と、リノベーションによって拓かれる未来の可能性を明るく照らしたコンテストであった。
【一般社団法人リノベーション住宅推進協議会について】
消費者が安⼼して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009 年7 月に発足したリノベーション業界団体です。現在、業界・業種の枠を超えた763社(正会員569社、賛助会員194社、特別会員4名・9法人・3自治体)が参画し、優良なリノベーションの統⼀規格「適合リノベーション住宅」を定め、建物タイプ別に品質基準を設定、普及浸透を推進しています。区分所有マンション専有部に関する品質基準を満たす「R1住宅(アールワンジュウタク)」、区分所有マンション共用部も含む品質基準「R3住宅(アールスリージュウタク)」、⼾建住宅の品質基準「R5住宅(アールファイブジュウタク)」が運用されており、適合リノベーション住宅発⾏件数は、累計27,807件(2016年12月21日現在)。
http://www.renovation.or.jp/
名 称:一般社団法人リノベーション住宅推進協議会
理事長:山本 卓也
設 ⽴:平成21年5月20日
住 所:東京都渋谷区渋谷2-2-2 青山ルカビル4F
ホームページ http://www.renovation.or.jp/oftheyear/2016/royresult.html
【受賞作品一覧】
■総合グランプリ
『アーケードハウス』
株式会社タムタムデザイン
■部門別最優秀作品賞<500万円未満部門>
『「ただいま」より、「いらっしゃい」が似合うカフェ部屋ライフ。』
REISM株式会社
■部門別最優秀作品賞<800万円未満部門>
『 “高品質低空飛行”に暮らす家〈暮らしかた冒険家 札幌の家〉』
棟晶株式会社
■部門別最優秀作品賞<800万円以上部門>
『三角屋根のブロック造の家』
株式会社スロウル
■部門別最優秀作品賞<無差別級部門>
『カフェ&お宿「シーナと一平」』
株式会社ブルースタジオ
<審査員特別賞>
■コンパクトプランニング賞
『家族4人のシェアハウス』 株式会社シンプルハウス
■ミニマルデザイン賞
『モルタルマニア ー 暮らしの常識を変える家 ー』 株式会社ニューユニークス
■逆転リノベーション賞
『遊び心な家』 株式会社grooveagent
■賃貸DIY推進賞
『DIY先生がいる工房付、賃貸一棟マンション!』 9株式会社
■ユーザーファースト賞
『トラスム_「買う」でも「借りる」でもない新しい暮らしの選び方。』 株式会社リビタ
■インバウンド賞
『開放感あふれるデザインモーテル SPICE MOTEL OKINAWA』株式会社アートアンドクラフト
■空家活用まちづくり賞
『空家活用×まちづくりリノベ 「さらしや長屋」』株式会社八清
■可動産リノベーション賞
『b-Caravan “旅する子ども部屋”』株式会社ブルースタジオ
【審査委員長講評】
審査委員長
島原 万丈 / リノベーション住宅推進協議会 プロモーション委員会 委員長
1枚の写真が審査員に大きな衝撃を与えた。総合グランプリに輝いた「アーケードハウス」である。ひと気のない薄暗いアーケード商店街にともされた暮らしの灯りが、過去から現在までこの商店街が辿ってきた時間と、これから向かうかもしれない未来を、静かに暖かく照らしていた。
衰退した商店街で空き家になった店舗を、「店」からではなく「住」から再生させるというのは、これまで誰も考えなかったアイデアである。このような灯りが商店街に連なり、すなわち商店街に再び人が住むようになれば、路面の「商」も昔とは違った形に再生するのではないだろうか。LDKの大きなガラス面から見下ろす街の、まだ見ぬ未来の予感にわくわくした。審査会満場一致で決まった総合グランプリである。
「アーケードハウス」を代表として、今年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーのノミネート作品は全体的に、社会的な提案性を感じられるものが目立った。これらの作品は、基本的に個人または個社のオーダーに応えてデザインされたものであるが、その視線は物件の背景にある地域社会の課題にまで届いている。それは、何十年もその地にあり続けた既存住宅を活用するからこそ求められる態度というべきもののであろうし、社会から期待されているリノベーションの役割でもあろう。
800万円未満部門最優秀作品の「“高品質低空飛行”に暮らす家〈暮らしかた冒険家 札幌の家〉」と800万円以上部門最優秀作品の「三角屋根のブロック造の家」は、奇しくもどちらも北海道からのエントリーである。いずれも断熱・気密の性能を大幅に向上させ、クライアントの快適性だけにとどまらず、エネルギー問題・地球環境問題に対する既存住宅からの回答となっている。また両作品とも道産材を多用することで、ウッドマイレージCO2の削減とともに地域の経済循環にも目配せがされている。
日本の住宅の弱点は、間違いなく省エネルギー性能だ。2020年に義務化される次世代省エネ基準ですら、外被性能が先進国の水準から大きく立ち遅れていることは、住宅業界の不都合な真実である。断熱・気密に対する認識が低かった時代に建てられた既存住宅はなおのこと、夏は暑く冬は寒い。当然エネルギー消費量は大きい。既存住宅のリノベーションは、そもそも新築行為よりも環境負荷は小さいものの、省エネ性能の低さは既存ストックの泣き所であった。外被性能の向上はコストも知識・技術も要求される改修であるが、中古だからとそこから逃げずに取り組んだ両作品は、リノベーション住宅が進むべき未来をはっきり示したと言える。
無差別級に多数エントリーされたコンバージョン事例は、空き家問題を解決しつつ、インバウンドによる成長戦略や地域活性化に資する、説得力のある提案だったように思う。
激戦の無差別級で、「SPICE MOTEL OKINAWA」(審査員特別賞「インバウンド賞」受賞)、「さらしや長屋」(審査員特別賞「空家活用まちづくり賞」受賞)、「HATCHi金沢」など、いずれもグランプリ級のライバルを押さえて最優秀を勝ち取ったのは、「シーナと一平」だった。街の銭湯をお風呂、飲食店をレストラン、「シーナと一平」をダイニングキッチンとベッドルームと見立てた、街全体がひとつの宿というコンセプトは、リノベーションに不可欠な「見立てる力」を最も象徴的に示した作品である。
さらに、豊島区の椎名町駅という東京都民にもあまり知られていない街の、いかにも古ぼけた、建築物としても特筆すべき取り柄など見当たらない、小さなとんかつ屋の店舗を題材にしたこの作品は、どんな街のどんな建物にも、磨けば光る可能性が潜在していているのだと、全国の街に展開可能な希望を照らした。「シーナと一平」は小さな作品だが、ある意味で大きなリノベーションと言えるかもしれない。
4回目を向かえるリノベーション・オブ・ザ・イヤー2016の総括として、年末恒例の「今年の漢字」にあやかるなら、「灯(あかり/ともしび)」としたい。リノベーションが進むべき未来と、リノベーションによって拓かれる未来の可能性を明るく照らしたコンテストであった。
【一般社団法人リノベーション住宅推進協議会について】
消費者が安⼼して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009 年7 月に発足したリノベーション業界団体です。現在、業界・業種の枠を超えた763社(正会員569社、賛助会員194社、特別会員4名・9法人・3自治体)が参画し、優良なリノベーションの統⼀規格「適合リノベーション住宅」を定め、建物タイプ別に品質基準を設定、普及浸透を推進しています。区分所有マンション専有部に関する品質基準を満たす「R1住宅(アールワンジュウタク)」、区分所有マンション共用部も含む品質基準「R3住宅(アールスリージュウタク)」、⼾建住宅の品質基準「R5住宅(アールファイブジュウタク)」が運用されており、適合リノベーション住宅発⾏件数は、累計27,807件(2016年12月21日現在)。
http://www.renovation.or.jp/
名 称:一般社団法人リノベーション住宅推進協議会
理事長:山本 卓也
設 ⽴:平成21年5月20日
住 所:東京都渋谷区渋谷2-2-2 青山ルカビル4F
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