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公益財団法人日本自然保護協会
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「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産推薦に関する IUCN評価書についての声明

登録延期とする評価書が5月14日に公開

NACS-J

IUCN(国際自然保護連合)は、6月に開催する世界遺産委員会の資料で、奄美・琉球諸島は「登録延期」という評価を発表しました。
日本自然保護協会では、この評価に関して日本政府・関係者に対して、①登録延期の勧告を受け入れ、引き続き遺産登録をめざす ②登録の情報・プロセスの公開 ③観光利用などで懸念される遺産を管理していくためにコミュニティの参加を重視した地域に即した管理体制の構築 ④侵略的外来種の管理体制の構築 ⑤管理計画の範囲を広げて完全性を確保、以上5点を指摘した声明を発表しました。
2018年5月15日、日本政府が世界遺産一覧表への記載を推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(以下、「奄美・琉球諸島」と言う)」に関して、IUCN(国際自然保護連合)の評価書がUNESCO世界遺産センターのウェブサイトにて公表されました。

<IUCN評価書の要点>
  1. 日本政府が提案した世界遺産への登録基準(ix)生態系、および、(x)生物多様性のうち、奄美・琉球諸島がもつ世界遺産上の価値・重要性は、(x)生物多様性のみが認められた。
  2. 他方、その自然価値を長期にわたって保全していくために求められる「保護措置」「適切な区域設定」「管理」「地域参加」「危機対策」という、いわゆる、保護地域としての完全性(Intergirity)について、保護措置・管理・地域参加は求められる条件に合致すると評価される一方で、境界設定・危機対策は課題があると評価された。
  3. 登録基準(x)を満たすための境界設定については、規模の小さな推薦地の再考と連続性の確保(全4島)、推薦地の拡張(西表島北部/北西部の河川渓谷)、返還された北部訓練跡地を含める沖縄島北部の区域見直しが必要。登録基準(ix)を満たすためにはさらに大きな変更が必要。
  4. 危機対策については、推薦地の価値に影響を及ぼすあらゆる外来種への対策、持続可能な観光利用に関する計画立案と実施などが緊急的に必要。

このIUCNの評価結果をうけて、1990年から南西諸島の世界自然遺産登録を要望し、奄美・琉球諸島の自然保護問題に関わってきた日本自然保護協会は、推薦地の世界自然遺産への適正な登録にむけて日本政府及び関係する主体に対し、以下のことを提言します。
※ 各提言の詳細は、ウェブサイト(http://www.nacsj.or.jp/media/2018/05/10183/)よりご覧ください。
 
  1. 日本政府は、登録延期勧告を受け入れると共にIUCNが提起した課題への対策を講じ、引き続き世界遺産登録をめざすべきである
  2. 遺産の登録推薦に関連する情報・プロセスを市民に広く公開すべきである。
  3. 市民・コミュニティの参画を重視し、地域に則した管理体制を構築するべきである。
  4. 推薦地の外も含めた島全体の侵略的外来種の管理体制を構築すべきである。
  5. 世界遺産登録基準(x)生物多様性の点から、世界遺産地域・緩衝地域の範囲の見直しと、世界遺産管理地域の範囲を広げることで、完全性を確保するべきである。
 

参考:IUCN評価書 世界遺産委員会 決議案部分(日本自然保護協会仮訳)
1. WHC/18/42.COM/8B and WHC/18/42.COM/INF.8B2 を精査した結果、
2. 世界遺産委員会は、奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島を登録延期とし、日本政府に対して、

a) 登録基準(x)に焦点をあてて、構成資産の選定及び構成要素間の連続性と長期的な種の保存が確実となるよう、境界線を修正し、
b) 登録基準(x)の正当性の説明に寄与するよう、北部演習場返還地を推薦地に含め、北部演習場未返還地についても推薦地の包括的管理計画に統合するような必要な調整メカニズムを発展させ、
c) 分散した私有地を取得、保護または推薦地に統合するような戦略を採択するとともに、土地所有者、利用権者を、意思決定プロセスのプラットフォームやプロセスに加えることで、日々の管理に参加してもらえるよう調整を行い、

3. 日本政府が、侵略的外来種(IAS)を防除し管理するために行って来た、奄美大島ネコ管理計画を含む努力を評価し、その努力を推薦地に悪影響を及ぼす可能性のある全ての外来種に対する対策に拡大することを奨励し、
4. 日本政府が、主要な観光地・来訪地における、適切な来訪者数管理、観光管理施設、インタープリテーション施設、モニタリングを含む、観光客の興味や収容力に応じた、観光管理計画、来訪者管理計画を実行するよう勧告し、
5. 日本政府が、人為または気候変動の影響による、絶滅危惧種の現状と傾向に焦点を当てた、総合的なモニタリングシステムを開発し適用することを勧告する。

(原文)
WHC/18/42.COM/INF.8B2
IUCN Evaluations of nominations of natural and mixed properties to the World Heritage List
https://whc.unesco.org/document/167859

【参考記事、意見書・要望書等】

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亀山章
上場
未上場
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設立
1951年10月
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