社会や日常の課題を解決する “オノマトペ”を処方する薬局がオープン⁉『オノマトペ処方展』 4月1日(月)~7月15日(月・祝)開催
新書大賞2024『言語の本質』著者 今井むつみ先生・秋田喜美先生が全体監修
ITOCHU SDGs STUDIO(東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden内)では、SDGs実現に向けて、社会や日常の課題を解決するオノマトペを体験できる展示『オノマトペ処方展』を4月1日(月)~7月15日(月・祝)に開催いたします。
AIにも言葉をつくりだせる時代に、まだ人間にしか生みだせない言葉、オノマトペ。オノマトペは、「ニャーニャー」「ドンドン」といった物理的な音を表す擬音語と、「キラキラ」「ワクワク」といった、実際には音を伴わない状態や心情を表現する擬態語を総称した言葉です。日本は、世界でもオノマトペの数が特に多く、「オノマトペ大国」と言われている一方で、オノマトペは幼稚な言葉とされ、過小評価されてきました。しかし、オノマトペは、直感的に感情や感覚を表現でき、他者と情報を共有しやすいという特徴から、その実用性が注目されている言葉でもあります。実際に、医療現場で患者が医者に痛みを伝える手段や、聴覚に不自由を感じる人がスポーツ観戦をより楽しめる手段として、社会の様々な場面で活用されはじめています。また、子どもが言語を獲得する際に、オノマトペが支えになることも研究で明らかになってきました。
そのような背景を踏まえ、『オノマトペ処方展』は、オノマトペの「社会で活用できる実用的な言葉」としての性質に光を当て、オノマトペについて考え直すきっかけを提供します。薬局をコンセプトに、親子、スポーツ、医療、友人関係、ビジネス、SNSなど様々なシーンにおけるコミュニケーションのお悩みに、オノマトペを「処方」してみることで、オノマトペの実用性を子どもから大人まで楽しみながら学べる体験型の展示です。全体監修は、オノマトペをテーマにした著書『言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか-』で新書大賞2024のグランプリを受賞された、今井むつみ先生と秋田喜美先生です。
ぜひ、本展示でオノマトペを“パクッ”と口にして、その効き目を“モグモグ”、味わってみてください。
■『オノマトペ処方展』概要
主催 :ITOCHU SDGs STUDIO
開催期間:2024年4月1日(月)~7月15日(月・祝)
会場 :ITOCHU SDGs STUDIO(東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1)
営業時間:11:00~18:00
休館日 :月曜日(※月曜日が祝日の場合、翌営業日が休館)
アクセス:東京メトロ 銀座線『外苑前』駅 出口 4a より 徒歩2分
東京メトロ 銀座線・半蔵門線・都営地下鉄 大江戸線『青山一丁目』駅
出口 1(北青山方面) より徒歩5分
料金 :入場無料
全体監修:今井むつみ先生、秋田喜美先生
医学監修:武田裕子先生、岩田一成先生
■展示内容詳細
「オノマトペ処方展」では、日常の様々なシーンでのオノマトペの実用性を体験できる【体験ブース】と、オノマトペの知見をより深めることができる【学びのブース】をご用意。子どもから大人まで、幅広い視点で、オノマトペの可能性を学べる展示となっています。
【体験ブース】
①さわるかぐマトペ
実際に物を触ったり、嗅いだりしながら、五感を使ってオノマトペを体験できるコーナーです。まずは何も考えずに、触って嗅いでみてください。
②パパママトペ
言語能力が発達しきっていない子どもにとって、オノマトペは伝わりやすい言葉です。発達段階に応じて適切にオノマトペを使うことで、子どもはその音から意味を推測し、自分で思考力を育むことができるようになります。子どもに意図を伝えやすくなり、親子でのコミュニケーションで役立つオノマトペをご紹介します。
③カラダマトペ
感じ方に個人差がある“痛み”を伝える際にも、オノマトペは役立ち、実際に医療現場での活用が進んでいます。体に違和感があるとき、体調が悪いとき、症状を上手に伝えやすくなるオノマトペを、人体模型を使ってご紹介します。
医学監修:
順天堂大学医学部教授 武田裕子先生、 聖心女子大学現代教養学部日本語日本文学科教授 岩田一成先生
④スポマトペ
運動中オノマトペを声に出すことで、いつもより体が柔軟になったり、緊張を和らげたり、自分の持てる最大限の力が引き出せることがあります。握力、ジャンプ、長座体前屈の身体測定で、オノマトペの効果を実際に試せるコーナーです。
⑤新薬マトペ
オノマトペの使い方には自由度があります。新しい使い方をしてみることで、新しいコミュニケーション、新しい人間関係が生まれるかもしれません。友人関係やビジネス、SNSなどの様々なシーンでの実験的用法のオノマトペを「新薬」に見立て紹介するコーナーです。
⑥わたしの処方せん
オノマトペは、直感的に感情や感覚を表現できる言葉です。
オノマトペのスタンプを使って、自分の心の中を可視化してみることで、自己との対話を促すコーナーです。今の自分にぴったりのオノマトペを処方してみましょう。
【学びのブース】
①学びマトペ
『オノマトペ処方展』全体監修の今井むつみ先生と秋田喜美先生の対談コーナーです。
「オノマトペについて教えてください!」、「子どもの言語習得とオノマトペの関係性は?」、「人間の言語習得の特徴は?」、「オノマトペの気になるテーマは?」について、先生方に語っていただきます。
②事例マトペ「エキマトぺ」
駅のアナウンスや電車の音といった環境音を、AI分析でリアルタイムに文字や手話、オノマトペとして視覚的に表現する装置「エキマトぺ」をご覧頂くことで、オノマトペの可能性、実用性を学べるコーナーです。
開発:富士通株式会社
③事例マトペ「ミルオト」
スポーツの場面で競技音をリアルタイムで擬音(オノマトペ)に変換し、モニターに表示するシステム「ミルオト」をご覧頂くことで、
オノマトペの可能性、実用性を学べるコーナーです。
【オノマトペ処方展 監修】
■全体監修
今井むつみ先生
【プロフィール】
1989年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。
94年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。
慶應義塾大学教授。専門は認知科学、発達心理学、言語心理学。
著書に『言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか-』『学びとは何か』『英語独習法』など。
【オノマトペ処方展へのコメント】
オノマトペをバカにしてはいけません。オノマトペはただの幼稚な言葉ではありません。オノマトペは言語のもつ様々な特徴――たとえば比喩によって意味を拡張できることや、要素を分解し、再結合させて新しい単語や表現を創造できることなど―をほとんど持っています。でも、オノマトペは感覚的にわかりやすく身体につながっている、やさしいことばです。子どもはオノマトペに誘(いざな)われて、複雑で抽象的な言語の世界に足を踏み入れることができます。オノマトペは言語の本質やヒトの知性の起源についても私たちに教えてくれる、スグレモノなのです。オノマトペは日本語にはなくてはならないことば。日本の文化遺産と言ってもよいでしょう。この展示で、それを体感してください。
秋田喜美先生
【プロフィール】
2009年神戸大学大学院博士課程修了。博士(学術)。
名古屋大学大学院准教授。専門は認知・心理言語学。
著書に『言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか-』『オノマトペの認知科学』『Ideophones, Mimetics and Expressives』など。
【オノマトペ処方展へのコメント】
オノマトペは、直感的な感覚・感情をたった数音で写し取り、他者との共有を可能にする不思議な言葉です。その応用可能性は、子育て、実技指導、医療コミュニケーション、芸術活動など多岐に及びます。
『オノマトペ処方展』を通して、日常生活におけるオノマトペの活用法を、楽しみながら追究していただけたらと思います。
■医学監修
武田裕子先生
【プロフィール】
医師/順天堂大学医学部教授。
「自己責任」と患者を責めることのない医師を育てたいと、健康格差をテーマに教育に従事。在住外国人が「ことばの壁」で 医療機関を受診できず健康格差が生じている現状を知り、医療者に「やさしい日本語」の普及を図っています。
【オノマトペ処方展へのコメント】
病院は「オノマトペ」であふれています。痛みの原因を知るのにオノマトペが大きな手がかりになります。「ズキンズキン」は血管性、「ピリピリ」「ビリビリ」は神経による痛みなど。検査や治療の説明にも便利です。 「やさしい日本語」を広める中で、日本には飛びぬけて多くのオノマトペが存在することを知りました。そのオノマトペが、実は外国人には全く伝わらないということをご存じでしたか? オノマトペを通して自分の身体の内側に意識を向けたり、これまで考えることのなかった異なる文化を考えるきっかけにしてはいかがでしょうか。
岩田一成先生
【プロフィール】
日本語教師/聖心女子大学教授。
外国人の立場でものごとを見られる日本語教師の養成に従事。これから日本は外国人が増えていく多文化社会になります。国・地方自治体・学校をフィールドとして、「やさしい日本語」の研修を実施しています。
【オノマトペ処方展へのコメント】
オノマトペの意味は日本語母語話者なら直感的にわかるのですが、外国人はなかなか学習する機会がありません。今回の展示のように、身体部位をオノマトペとセットで提示するという手法は、大変わかりやすく教育効果が期待できます。子どもだけではなく外国人日本語学習者にも興味を持ってもらえたらいいなあと思っております。
■コンセプト
[ITOCHU SDGs STUDIO]とは?
◆伊藤忠商事が運営するSDGsを様々な角度から切り取った情報発信・体験の場をつくり「人と商いと地球」をつなぐカルチャープラットフォームとして、展示コンテンツや「KIDS PARK」「こどもの視点カフェ」などを展開。
◆当社冠番組『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』における世の中の「SDGs」の取り組みを発信。
(番組ナビゲーター:SHELLY氏)
◆SDGsに関わる活動をされている団体等への展示スペース・SNS発信等の撮影スペースとして無償提供。
場所 :東京都港区北青山2-3-1 (伊藤忠商事 東京本社敷地内 Itochu Garden)
公式サイトURL :https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/#SDGsstudioArea
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