【講演レポート】パーソルダイバース、ニューロダイバーシティによる企業の成長と雇用の未来について「HRファンレンス2023春」にて講演
~国内外のニューロダイバーシティ最新事例や、導入推進における課題解決のヒントを紹介~
ニューロダイバーシティに関する調査研究を行っている株式会社野村総合研究所の高田篤史氏をゲストに迎え、国内外でのニューロダイバーシティ導入・推進実例の紹介や、企業成長や雇用の成功に繋げるための課題やポイントについて考えるトークセッションを行いました。
【講演レポート】
■法定雇用率上昇や労働市場の変化で、障害者雇用政策や人材の戦力化が求められる中、
障害特性を強みとして活躍し、企業活動に貢献するニューロダイバーシティに注目
厚生労働省は2023年1月、民間企業の雇用義務として定めている法定雇用率(障害者雇用率)を、2026年7月までに2.7%とする方針を発表しました。また、はたらく障害者の多様化や、職域、ビジネス環境など労働市場も変化しており、企業は更なる障害者雇用の推進と人材の戦力化が求められています。
ニューロダイバーシティとは「脳の多様性」や「神経多様性」などと訳される言葉で、脳や神経には個人レベルでのさまざまな特性の違いがあり、その違いを多様性ととらえて相互に尊重し、社会の中で活かそうとする考え方です。近年、このニューロダイバーシティの考え方において、特性を“障害や制約”ではなく“多様な能力、強み”としてとらえ、活かしていく企業が増えています。
講演では、パーソルダイバースでニューロダイバーシティ推進事業に携わる雇用開発部 兼 Neuro Diversity事業部 ゼネラルマネジャーの大濱より、当該人材(ニューロダイバース人材)はDX推進やイノベーション創出など、企業競争力強化に繋がる幅広いフィールドで活躍できる可能性を持っており、CSRや法定雇用率の達成にとどまらない効果を創出できることを紹介しました。
続いて、ニューロダイバーシティに関する調査研究を行っている株式会社野村総合研究所の高田篤史氏から、発達障害人材の職務適性に着目し、高度IT専門職としての採用・育成を積極的に進めて活躍機会を創出した海外大手企業の事例や、当該人材を積極的に採用する背景、国内での推進状況などについて紹介されました。
■トークセッション「ニューロダイバーシティ導入・推進の課題は?」
また、野村総合研究所の高田氏とパーソルダイバースの大濱による、企業のニューロダイバーシティ導入・推進についてのトークセッションを行いました。
日本でのニューロダイバーシティ推進の動きについては「この数年で、SDGsや人的資本への投資、DX推進などの流れにより、人と組織のレベルアップ、バリューを高める必要性が産業界全体で高まっていると感じる」(高田氏)、「以前と違い、多様な属性や能力、価値観を持つ人材を採用することや、多様な人材が活躍できる幅のある人事制度や業務、マネジメントを行う必要が出てきている中、ニューロダイバーシティへの注目も高まっている」(大濱)という意見が上がりました。また、ニューロダイバーシティへの取り組み方として「人と組織の問題は、本来は経営イシュー。障害者雇用も、インクルーシブな組織づくりや人材を活かすという観点で、経営課題として取り組むべきではないか」(高田氏)という提言が示されました。
ニューロダイバーシティ推進を阻む課題は何か?という質問については「(ニューロダイバーシティは)経営イシューであるべきという認識が経営層にないケースが見られる。ニューロダイバーシティ推進は企業全体の人的資本への投資や、多様な人材が活躍できるインクルーシブな組織構築という大きな目的を達成するきっかけになることを知ってもらう必要がある」「当事者に接し、どのような人材かを知ってもらうこと。CSR観点でもトライアルとしての採用でも、どのようなきっかけでも良いので、少しずつ取り組んで、小さな成功体験を積み上げていくことも大切」(高田氏)という意見が上がりました。
また、経営層だけでなく、雇用現場の管理職に対しても「ニューロダイバース人材を部下に持ち、マネジメントする立場にある管理者に対しては、その人材に関する情報量を多くインプットすること、就業状況をよく把握することが求められる。先進事例を持つ企業では社員一人ひとりに対する面談の時間が多いという特徴がみられる。従来のマネジメントの在り方やマインドを変える必要もあるのではないか」(高田氏)という意見が出されました。
講演後のアンケートでは、参加者から「法定雇用率の遵守から、経営課題という見方でとらえる重要性を感じた」「ニューロダイバーシティが企業の成長に繋がることが理解できた」といった感想が寄せられました。
<HRカンファレンス2023春 パーソルダイバース講演概要>
■主催:日本の人事部「HRカンファレンス」運営委員会
■日時:2023年5月24日(水)9:30-10:20
■場所:オンライン開催
■対象:法人に所属し、経営者・管理職・拠点長・経営企画・人事・採用・教育・労務・総務など、人・組織・経営の業務に従事している方
■登壇者:
・講師:パーソルダイバース株式会社
雇用開発統括本部 雇用開発本部 雇用開発部ゼネラルマネジャー 兼
人材ソリューション本部 Neuro Diversity事業部 ゼネラルマネジャー 大濱 徹(おおはま あきら)
・ゲスト:株式会社野村総合研究所
メドテックコンサルティング部 プリンシパル 高田 篤史(たかだ あつし)氏
■内容:
・ニューロダイバーシティとは何か?
・国内外でのニューロダイバーシティ最新状況(行政、企業実例)
・ニューロダイバーシティによる企業成長と雇用の未来
【パーソルダイバースのニューロダイバーシティ推進への取り組み】
■発達障害の特性を武器に、先端IT領域での活躍を支援「Neuro Dive」
https://neuro-diversity.biz/
パーソルダイバースは2019年より、発達障害者の強みや能力を活かしてAI・機械学習やデータサイエンスなどの先端IT領域での就職・活躍を支援する、日本初(※1)の先端IT特化型就労移行支援事業所「Neuro Dive」を運営しています(※2)。先端ITに精通しているテクニカルスタッフと実践的なカリキュラムを通じ、職務上必要となる専門スキルを学ぶことができます。現在、秋葉原、横浜、福岡、大阪の4事業所で毎日約80名の方が職業訓練に励まれているほか、これまでにデータアナリストや機械学習エンジニア、デジタルマーケティングなどの職種へ多くの就職者を輩出しています。
※1 日本初:「先端IT特化型就労移行支援事業所」として、2019年11月「Neuro Dive秋葉原」開所当時、パーソルチャレンジ調べ
※2 就労移行支援:障害者総合支援法に基づく福祉支援サービス。65歳未満の身体、知的、精神障害、難病のある方で、一般企業への就職を希望する方に対し、最長2年間、就職に関する相談や就労に必要なスキルの訓練、就職活動支援、就職後の定着支援が受けられる。
■日本最大級のAIコミュニティ「CDLE」メンバー有志によるニューロダイバーシティ推進を支援
https://team.expo2025.or.jp/ja/partner/282
パーソルダイバースは、日本最大級のAIコミュニティ「CDLE」(Community of Deep Learning Evangelists)のメンバー有志によるニューロダイバーシティ推進プロジェクトを支援しています。全国のCDLE 有志メンバーが各地でチームを組成し、発達障害の持つ強みや能力の活かし方、支援の在り方を研究するプロジェクトに、Neuro Dive の利用者やテクニカルスタッフが参加し、先端技術に関するディスカッションや課題解決アイデアの実装、ハッカソンなどのプログラムに参加するなどの交流を行います。本プロジェクトは、2025 年に開催される人阪・関人万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現し、SDGs の達成に貢献する「TEAM EXPO 2025」における「共創チャレンジ」として登録されており、パーソルチャレンジは「共創パートナー」として参加・支援しています。
■パーソルダイバースについて<https://persol-diverse.co.jp/>
パーソルグループの特例子会社として、「障害者雇用を成功させる。そして、その先へ。」をミッションに、障害者の多様なはたらき方とはたらく可能性の創出に取り組んでいます。グループ内外の企業や地域と連携した多様な業務受託サービスを展開するほか、国内最大級の求人・登録者数を持つ障害者のための転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」、就労移行支援事業所「ミラトレ」「Neuro Dive」の運営や、企業の雇用課題を支援する「障害者の人材紹介」「障害者雇用コンサルティング」などのサービスを提供しています。
■「PERSOL(パーソル)」について<https://www.persol-group.co.jp/>
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開しています。グループの経営理念・サステナビリティ方針に沿って事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。
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