表示まで40秒が、わずか6秒に。表示速度6.7倍、処理時間85%減。農業DX「レポサク」、「NDVI(植生指数)解析」と「行動軌跡」を同時に表示するパフォーマンスを大幅に改善。

独自の高速描画技術を実装し、圃場の生育状況確認がよりスムーズに。みちびきCLAS対応の高精度GPS軌跡との同時表示でも、快適な操作性を実現。

エゾウィン株式会社

エゾウィン株式会社(本社:北海道標津町、代表取締役:大野 宏、以下「当社」)は、当社が開発・提供する農業DX「レポサク」において、圃場の生育状況を示す「NDVI(植生指数)」と、農機の「GPS行動軌跡」を地図上で同時に表示する際のパフォーマンスを大幅に改善するアップデートを実施したことをお知らせします。 今回の改善により、特定の条件下で約40秒かかっていた描画時間が約6秒へと、処理時間が約85%短縮され、表示速度が約6.7倍に向上しました。これにより、スマートフォンやスペックの低い端末でも、操作が可能となりました。

■開発背景:「見たいデータを、同時に、ストレスなく」現場のニーズに応えるために

スマート農業の実践において、圃場の「生育状況(NDVI)」と、農機が実際に動いた「行動軌跡(GPSデータ)」を地図上で重ね合わせて見ることは、極めて多くの価値を生み出します。

例えば、NDVIの生育ムラを見ながら、収穫する順番を考えたり、小麦収穫においてより効率的な旋回の仕方をその場で判断したりと、緻密で戦略的な作業計画をリアルタイムで立てることが可能になります。

しかし、これを実現するには技術的な壁がありました。NDVIは膨大な数の図形データ、行動軌跡もまた1秒単位の大量の位置情報データです。複数の車両が稼働する大規模な現場では、この2種類の大量のデータが描画処理で“バッティング”し、従来の技術では、特にスマートフォンなどの端末で「動作が重い」「画面が固まる」といった課題が発生していました。

これでは、せっかくのデータを現場でタイムリーに活用することが困難でした。私たちは、このパフォーマンスのボトルネックを解消し、全てのユーザーが、いつでもどこでも快適にデータを活用できる環境を提供するため、この度の描画エンジンの大幅な改善に至りました。

■パフォーマンス改善を実現した、3つの技術的アプローチ

今回の高速化は、当社のエンジニアが、以下の3つの技術的アプローチを組み合わせることで実現しました。

  1. 高性能な高速描画ライブラリの採用

    大量の地図データをスムーズに、かつ対話的に表示できる、高性能な描画ライブラリを新たに導入しました

  2. 独自の「チャンク処理(段階的描画)」の実装

    全てのデータを一度に描画するのではなく、地図の表示範囲に合わせて、データを細かな塊(チャンク)に分けて段階的に描画する仕組みを独自に開発。これにより、ブラウザへの負荷を最小限に抑えています。

  3. 描画タイミングの最適化

    性質の異なる「NDVI」と「GPS軌跡」という2つのデータを同時に表示しても動作が重くならないよう、描画の順序やタイミング、更新間隔を細かく調整し、最適なパフォーマンスを実現しました。

■具体的な改善効果:1000圃場のデータ表示が、40秒から6秒へ。

今回の改善効果を検証するため、実際に大規模な営農組織で扱われる規模である、1000枚の圃場データを当社の開発環境で表示させるテストを行いました。

その結果、これまでブラウザが固まることもあったほどの膨大なデータ量にも関わらず、以下の劇的なパフォーマンス向上を確認しました。

  • 描画完了までの時間: 約40秒 → 約6秒 (約85%の短縮)

  • 表示処理速度:約6.7倍に向上 

これにより、1000圃場を超えるような大規模なエリアの生育状況(NDVI)と、複数車両のGPS軌跡を同時に重ね合わせても、ユーザーは待たされることなく、ストレスフリーで快適な操作が可能になります。

※上記は当社の開発環境での検証結果です。表示されるデータ量や、お使いの端末のスペックによって、速度は変動します。

■今後の展望:スマート農業の、さらにその先へ 

NDVI(生育状況)を見て、大まかな収穫計画を立てる。これは、すでに多くの先進的な現場で行われています。しかし、私たちの挑戦はその先にあります。

 

それは、「NDVIを見ながら、リアルタイムで動く農機の行動軌跡を重ね合わせ、刻一刻と変わる状況の中で、次の一手を判断する」という、極めて高度なデータ活用です。例えば、小麦収穫において、生育ムラに応じて効率的な旋回の仕方をその場で判断するなど、より緻密で戦略的な作業計画をリアルタイムで立てることが可能になります。

 

この「NDVIと行動軌跡の同時活用」は、膨大なデータをリアルタイムで描画するため、システムの高いパフォーマンスが不可欠です。今回の改善は、まさにこの先進的なデータ活用を、誰もが現場でストレスなく実践できるようにするために行われました。

 

今後も「現場の人が、とことん使いやすく」をモットーに、現場の皆様の声に耳を傾け、日々の開発を続けてまいります。


■農業DX「レポサク」の主な特徴 

◯ 超高精度な作業記録:

準天頂衛星みちびきのCLASに対応したGPSロガーが、誤差12cmの精度で位置情報を1秒単位で自動記録します 。 車両の電源に接続するだけで、オペレーターの操作は一切不要です 。

◯ リアルタイムな進捗の可視化:

 数十台の車両位置や圃場ごとの進捗率を地図上でリアルタイムに確認できます 。 進捗確認のための無線連絡が不要となり、コミュニケーションストレスを軽減します 。

◯データに基づく運用改善と技術継承:

 自動作成される日報や稼働データ(実稼働・アイドリング等)の分析により、車両や人員の最適配置、投資判断の材料を提供します 。 熟練者の作業履歴(軌跡データ)は、若手や新規就農者にとって貴重な参考資料となり、早期育成を支援します 。 


■エゾウィン株式会社について 

日本最大の酪農地帯が広がる北海道東部の標津町(しべつちょう)で、2019年に創業。 

  • 2022年:令和4年度農林水産技術会議会長賞を受賞

  •  2023年:J-Startup HOKKAIDOに選定

  •  2023年:イチBizアワード最優秀賞を受賞

  •  2024年:CEATEC AWARD 2024『コ・クリエイション(共創)部門賞』を受賞

○私達のミッション 

「2021年に130万人いた農業従事者は、2040年には35万人にまで減少。日本の食糧生産は危機に瀕しています。エゾウィンは、北海道から国内最大の完全自動化農場を目指し、日本の食を支えます。」

■会社概要 

名称:エゾウィン株式会社 

設立:2019年1月 

代表者:代表取締役 大野宏 

住所:北海道標津郡標津町川北63-7 

URL:https://ezowin.com/ 

レポサクの商品一覧ページ:https://ezowin.com/products

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会社概要

エゾウィン株式会社

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URL
https://ezowin.com/
業種
情報通信
本社所在地
北海道標津郡標津町字川北63-7
電話番号
0153-85-2800
代表者名
大野 宏
上場
未上場
資本金
4444万円
設立
2019年01月