世界のファイナンスアプリのインストール数がコロナ禍以前に比べ232%に増加 ファイナンスアプリ調査レポート「State of Finance App Marketing 2021」を発表

AppsFlyer

 モバイル広告効果計測プラットフォームとマーケティングアナリティクスを提供するAppsFlyer Japan株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:オーレン・カニエル、カントリーマネジャー:大坪直哉、以下AppsFlyer)は本日、ファイナンスカテゴリに特化したモバイルアプリの最新レポート「State of Finance App Marketing 2021」を発表しました。
 本レポートは、世界シェア72%を誇るAppsFlyerが保有する、2,000以上のアプリデータ、約47億件のインストールデータを基に、世界のモバイルアプリ市場におけるファイナンスアプリに関する動向をまとめたものです。
*「State of Finance App Marketing 2021」詳細URL:
https://www.appsflyer.com/jp/resources/others/finance-app-marketing-global/
 
調査サマリー


●【世界】コロナ禍以前に比べファイナンスアプリのインストール数が232%に
●【世界】サブカテゴリ別のインストール数では、銀行で122%、デジタルバンクでは145%に
●【世界】2020年、世界のファイナンスアプリにおけるマーケティング予算は30億ドルを突破
●【APAC】日本のファイナンスアプリは、一時減退も2021年にはインストール数が大きく回復
●【APAC】日本と韓国では2021年1月-3月期の不正インストール率が最大29%に


 2020年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、あらゆる業界が消費者との関わり方の変化を求められ、順応するために取り組んできました。金融業界においても、コロナ禍に伴う急速なデジタルシフトにより、フィンテック(FinTech)分野において特に大きな変革の一年となりました。生活者のライフスタイルと共に、これまでフィンテックへの対応が遅れていた多くの企業がその取り組みを活発化させました。

 2020年、世界のファイナンスアプリのダウンロード数は46億回にのぼり(前年比15%増)(※1)、フィンテック分野では特に、モバイルアプリが世界的に重要な役割を担っていることがわかっています。銀行口座を開設していない、もしくは開設できない人口の割合が多い発展途上国においては、モバイルアプリによるタッチポイントが企業・生活者にとって欠かせない存在となっています。

 本レポートでは、2020年のファイナンスカテゴリに関するインストールデータを基に、現在市場に起きている変化や、ニューノーマルなモバイル市場を理解するための分析を行っています。
 

世界のファイナンスアプリ動向


●コロナ禍以前に比べファイナンスアプリのインストール数が232%に

 世界のファイナンスアプリのインストール数を見ると、コロナ禍以前(2019年1月-3月期)に比べ、2021年1月-3月期のインストール数は232%となっており、デジタルシフトに伴うファイナンスアプリの需要増加が見受けられます。また、アプリあたりの平均成長率も同傾向にあります。

 世界的にロックダウンが行われていた2020年4月-6月期には、経済活動の停滞も受け、2020年1月-3月期と比べインストール数が12%減少するなど、一時的に低下しました。しかし2020年下半期から経済活動が回復軌道に乗り、ファイナンスアプリのインストール数が増加傾向に。そして2021年1月-3月期にはインストール数が20%上昇し、コロナ禍が始まった直後の落ち込みから復活しました。

 また、ファイナンスアプリのインストール数が多い上位40か国のうち、7割を超える29か国は、2019年に比べ、2020年のインストール数が20%以上増えています。ランキング下位の国においても顕著な成長が見られるなど、この傾向は世界的なものであることがわかります。特に、中東、アジア、アフリカ、米国では大幅な上昇を記録しています。
 




●サブカテゴリ別のインストール数では、銀行で122%、デジタルバンクでは145%に​

 

 ファイナンスアプリにおけるサブカテゴリ別(※2)にインストール数を見ると、数値の差はあるものの全カテゴリにわたってコロナ禍による影響が見られます。

 対面型のサービスがないネットバンクを始めとするデジタルバンクのカテゴリでは、コロナ禍開始直後の落ち込みから、2020年1月-3月期~2021年1月-3月期にかけてインストール数が145%となりました。また、一般的な銀行サービスを含む銀行カテゴリと、モバイル決済や送金サービスを含むファイナンシャルサービスカテゴリでは、同期間におけるインストール数は115%と、デジタルバンクには及ばないものの増加しています。銀行カテゴリは、2021年1月-3月期だけでインストールが122%となり、さらに回復の兆しを見せています。

 投資カテゴリでは、2020年4月-6月期のロックダウン時に経済活動が落ち込んだタイミングで、投資を始める消費者が急増。さらに2021年に入り、新年を迎えたことやワクチン接種への期待感、そして株高が続いたことも受け、投資アプリのインストール数が2021年1月-3月期に165%へと跳ね上がりました。

 




●2020年、世界のファイナンスアプリにおけるマーケティング予算は30億ドルを突破

 世界全体でフィンテックアプリの需要が高まったことを受け、2020年にマーケターがユーザー獲得にかけた予算は30億ドルを記録しました。また、2021年のマーケティング予算はこの記録をさらに上回ることが予想されており、2021年1月-3月期だけですでに12億ドルが投入されています。

 米国では、世界全体の予算を35%を占める結果となりました。これは、米国そのものの規模の大きさに加え、CPI(Cost Per Install)(※3)単価が8ドルを超えたことが主な要因と考えられます。1位の米国に次ぐ2位につけたラテンアメリカも20%を占めています。また、西ヨーロッパ(6.4ドル)、日本(5.6ドル)、韓国(5.6ドル)においても、CPI単価が高騰しています。

 

 

日本を含むAPACのファイナンスアプリ動向


●日本のファイナンスアプリは、一時減退も2021年にはインストール数が大きく回復

日本におけるファイナンスアプリのインストール数は、コロナ禍の影響を大きく受けて2019年10月-12月期~2020年4月-6月期にかけて39%減退しました。しかし、2021年1月-3月期には184%に回復するなど、デジタルシフトの進行とフィンテックへの需要が伺えます。また、韓国はファイナンスアプリのインストール数が2020年1月-3月期~2021年1月-3月期にかけて155%となるなど日本と同様に成長を見せています。

 



●日本と韓国では2021年1月-3月期の不正インストール率が最大29%に

 無効なインプレッションやクリックによって成約件数や効果を不正に水増しすることで、広告主から広告費を奪い取る「不正広告(アドフラウド)」も、不正防止ソリューションの改善により、2020年1月-3月期~2021年1月-3月期の一年間の不正率は全体で15%減少しました。

 ファイナンスアプリは、金融業界の市場規模や支出の多さから、不正集団に狙われるリスクが高いカテゴリであることがわかっています。特に東南アジアでは、2019年~2020年初頭まで不正に悩まされていましたが、その重大性から、マーケターも現在本格的に対策に取り組んでいます。しかし、いまだ東南アジアとインドでは不正率が高く、不正被害が40%を超えています。日本と韓国においては、全期間で見ると不正率が減少しているものの、2021年1月-3月期の不正インストール率は投資カテゴリで29%にのぼるなど、依然として不正に対する継続的な対策が必要です。

 不正被害を種類別に見ると、東南アジア諸国と日本ではボットによる被害が大半を占めており、クリック洪水の被害が特に多いのがインドと韓国でした。

 



*「State of Finance App Marketing 2021」詳細URL:

https://www.appsflyer.com/jp/resources/others/finance-app-marketing-global/

※1:App Annieによる調査
※2:デジタルバンク、銀行、ファイナンシャルサービス、消費者金融、投資
※3:1インストールあたりにかかるコスト(単価)

 

AppsFlyer Japan株式会社

 

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