アストラゼネカ、2017年世界肺癌学会議(WCLC)において自社の包括的な科学的取り組みを発表

早期の肺がん‐デュルバルマブ第III相PACIFIC試験のクオリティオブライフの結果がプレジデンシャル・シンポジウムのヘッドラインに採択

アストラゼネカ株式会社

治療耐性を克服‐タグリッソとsavolitinibの新規併用療法によりMET耐性を有するEGFR変異陽性患者さんに新たな選択肢を提供
検査法の技術進歩によるアウトカムの最大化‐タグリッソおよびイレッサに対する治療適格性が血液検査でも可能であることが示される
併用療法の可能性‐化学療法の有無を問わない中皮種と非小細胞肺がんに対する
免疫治療薬併用の新たなデータ

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)および当社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンは、日本の横浜市で2017年10月15日から18日にかけて開催されたInternational Association for the Study of Lung Cancer主催のIASLC第18回世界肺癌学会議 (WCLC)において肺がん研究における進捗を報告しています。16件の口演を含む43件のデータ発表に示されるように、アストラゼネカは肺がん治療の進展において4つの科学的ドライバーに注力しています:すなわち、肺がんの早期段階からの治療、腫瘍耐性を克服する戦略、患者さんに正しい治療がなされるようなる検査の改善、ならびにがん免疫療法併用の可能性の継続した探求です。

アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるSean Bohenは次のように述べました。「WCLC 2017において当社が発表したデータは、この複雑な疾患に関連する複数の機序に焦点を絞ったものであり、サイエンスを主導とした当社の臨床プログラムの強みを示しています。私たちは、将来的にがんによる死亡をなくすという当社の掲げる高い目標を達成するため、引き続き努力してまいります」。

肺がんを早期段階から治療
これまで研究の大部分は、医療上のニーズが最も高い転移性がんに焦点が当てられてきました。しかし、早期における臨床ベネフィットの可能性が明らかになるにつれ、適切な治療選択における要素として長期クオリティオブライフの重要性が増しています。

WCLCにおいて、第III相デュルバルマブPACIFIC試験の結果は、プレジデンシャル・シンポジウム(同学会で最も価値のある発表に与えられるセッション)で発表されます。デュルバルマブのPACIFIC試験は、白金製剤を用いた根治的同時化学放射線療法(CRT)後に進行が見られなかった切除不能局所進行 (ステージIII)非小細胞肺がん (NSCLC) 患者さんを対象とし、優れた無増悪生存期間 (PFS) を示した初めての試験です。

シドニー大学ウェストミード臨床学部臨床内科准教授であり本試験の責任医師であるRina Hui, MD, PhDは次のように述べました。「早期患者さんを治療し、治癒を目指すにあたり、クオリティオブライフへの配慮は治療の選択に確実に影響を与えます。クオリティオブライフのデータが臨床的ベネフィットを示す場合、これらの患者さんにとって新たな治療パラダイムとなるでしょう」。

腫瘍耐性の克服
遺伝子変異を標的とする治療により、多くの患者さんにおいて病勢進行までの期間は長くなりました。とはいえ、腫瘍は多くの場合新たな耐性メカニズムを発現します。WCLCにおいてアストラゼネカは、EGFR-TKI治療を受けている患者さんにおいて一般的に認められる2次耐性および病勢進行のドライバーとされている間葉上皮転移因子 (MET)に対し効果がある可能性を持つ新規併用療法に関する新たなデータを発表しました。

MET陽性耐性を獲得した患者さんに対し、複数群間第Ib相TATTON試験においてEGFR T790M阻害剤タグリッソ (オシメルチニブ) とc-MET受容体チロシンキナーゼ阻害剤 (TKI)である savolitinibとの併用療法の早期安全性・有効性を検討した結果が発表されました〔抄録#8985〕 。これらのデータは同様の患者集団におけるsavolitinibとイレッサ (ゲフィチニブ) の併用を検討している多施設間第Ib試験の最初の結果とも一貫していました〔抄録#8995〕 。

韓国のソウルにあるSamsung医療センター血液学・腫瘍学部教授のMyung-Ju Ahn, MD, PhDは次のように述べました。「がんはいつの間にか進行するものであり、我々は耐性と戦う新たな方法を継続的に探さなければなりません。サボリチニブのゲフィチニブおよびオシメルチニブ双方との併用の初期結果は有望な一歩であり、引き続き注力すべき重要な領域です」。

最適治療を特定するための検査
肺がんのバイオマーカー研究により、プレシジョンメディシン(高精度医療)による治療の恩恵を受ける可能性が高いと予想される患者さんを特定する方法が継続的に改善されています。NSCLCでは、血液検査での精度と使用可能性を改善することで、診断および全病期における最適治療の特定を促進することを意味します。WCLCにおいてアストラゼネカは、複数の治療ラインにおけるEGFRm NSCLC血中循環腫瘍DNA (ctDNA)検査における技術進歩を発表しました。

1次治療におけるタグリッソFLAURA試験全体解析〔抄録#8978〕 およびイレッサBENEFIT試験〔抄録#9278〕により、組織および血漿 ctDNA間の良好な一致が明らかにされ、タグリッソおよびイレッサともに治療適格性の判断にあたり血液を使った検査の有用性が支持されました。さらに、2次治療におけるタグリッソの2本の試験において複数の血漿ctDNA診断を比較したコンコーダンス試験 〔抄録#8984, #9811〕により、異なる技術の比較可能性解明、および検査技術基盤全体拡大が継続されています。

フロリダ州タンパにあるH. Lee Moffitt がんセンター・研究機関の胸部オンコロジー部の臨床研究部長および臨床腫瘍学専門医であるJhanelle Gray, MDは次のように述べました。「検査は引き続き肺がん治療の非常に重要な部分ですが、複数の検査モダリティーおよびプラットフォームの急激な開発および進展は医師団が管理するのが困難になっています。分析の比較を継続的に理解することで治療を決定する際の自信を構築し、ひいては患者アウトカムの改善につながります」。

免疫療法 (IO) との併用
IOの有望さが単剤療法の使用を通じて引き続き高まるなか、がんコントロールの次の時代には、より広範な患者集団の長期生存達成を目的とする併用療法が係る可能性があります。WCLCにおいて、アストラゼネカは、化学療法の有無を問わない、チェックポイント阻害剤の併用療法の2本の早期試験の結果を発表しました。
·     化学療法との併用の場合、トレメリムマブとの併用あるいは単剤療法におけるデュルバルマブは安全に投与することが可能で、カナダのがん試験グループにより実施された試験においてNSCLC患者さんにおける有望な予備的臨床活性を示しました〔抄録#8700〕。

·     悪性中皮種患者さんの1次治療および2次治療としてのデュルバルマブとトレメリムマブの第II相非盲検NIBIT-MESO-1試験 〔抄録#9202〕によりNSCLCにおける過去の観察・論文と一貫した安全性プロファイルおよびこの治療が困難ながんにおける臨床活性が示されました。

カナダのマックマスター大学腫瘍学准教授であるRosalyn A. Juergens MD., PhD.は次のように述べました。「免疫療法のベネフィットの全貌を引き続き探求するにつれ、現在の単剤療法の恩恵が期待できない可能性のある患者さんにおいて、併用療法の有望さが実際に見られるようになっています。我々はこの領域において必要とする患者さんに真の違いをもたらすことを期待して研究の限界に引き続き挑戦しています」。

* タグリッソのEGFR変異陽性NSCLCに対する一次治療は本邦では未承認です。
* デュルバルマブ、トレメリムマブおよびサボリチニブは本邦では未承認です。
以上

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WCLCの全抄録のリストについてはhttp://library.iaslc.org/conference-program?product_id=7
をご覧ください。
 

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の2つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とするものやがんに対する免疫応答を増強するものなど成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さん延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

メディミューンについて
メディミューンは、低分子化合物およびバイオ製剤の医療用医薬品の研究、開発および商業化に特化するグローバルなイノベーション志向のバイオ・医薬品企業アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門です。メディミューンは、革新的な研究を先駆的に進めており、オンコロジー、呼吸器・循環器・代謝疾患、および感染症・ワクチン等の重点疾患領域において新規治療経路の検討に取り組んでいます。メディミューンの本社は、アストラゼネカの3つのグローバル研究開発拠点のひとつとして、米国メリーランド州ゲイザースバーグにあり、これに加え英国ケンブリッジおよび米国カリフォルニア州マウンテンビューにも研究所があります。詳細についてはhttps://www.medimmune.comをご覧ください。

WCLCについて
世界肺癌学会議 (WCLC)は肺癌および他の胸部悪性腫瘍に特化した世界最大規模の会議であり100カ国以上から6,000人を超える研究者、医師及び専門医が参加します。本会議の目的は最新の科学的成果を普及することです:肺がんに関する認知度、協働および理解を高め;参加者が世界中で最新の成果を実践に活かす支援します。「肺がん克服のための相乗効果」をテーマに組織されており、同会議は広範な科目をカバーし複数の研究や臨床試験の結果を明らかにします。詳細については、http://wclc2017.iaslc.org/をご覧ください。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

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医薬・製薬医療・病院
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会社概要

アストラゼネカ株式会社

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URL
https://www.astrazeneca.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB
電話番号
06-4802-3600
代表者名
堀井 貴史
上場
未上場
資本金
-
設立
1975年04月