超高齢社会に広がる“介護美容”の現在地——人を前向きにする新しいケアの姿 ミライプロジェクト10周年イベントレポート
鎌田實氏・小林照子氏が語る、介護美容がもたらす心と身体へのポジティブな変化
高齢者向け美容のプロを育成するスクール「介護美容研究所」を運営する株式会社ミライプロジェクト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山際 聡)は設立10周年を記念し、全国の卒業生・受講生を集め、2025年11月15日(土)に、会場でのオフライン開催に加え、オンラインでも配信した記念イベント「介護美容 ONE & ZERO」を開催いたしました。
「介護美容研究所」(2018年開校、累計4,000人以上が受講)は、高齢者のQOL向上に寄与する新職種「ケアビューティスト」を全国に輩出しており、その活動は近年、大きく広がりを見せています。
今回の節目となるイベントでは、医師・作家の鎌田實氏、90歳で現役の美容家・小林照子氏を特別ゲストに迎え、現場のケアビューティストとともに「介護×美容」が生み出す生きる意欲と社会的意義について議論しました。

また、今後さらに介護美容を社会に広げることを目指し、この日、一般社団法人「介護美容協会」の設立を発表。同協会では研究・資格制度・広報などの基盤整備を進め、美容が当たり前になった団塊世代が高齢期を迎える2040年に向け、介護現場での美容ケア需要は不可欠なサービスへと成長していくことが見込まれています。
イベント概要
イベント名:介護美容 ONE & ZERO
テーマ:「介護美容の歩みと新たな未来 - 介護美容で1つに、縁(〇)をつなげよう -」
日時:2025年11月15日(土) 開場 14:30/開演 15:00/終了 17:30
会場:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1丁目14-30)
出演者:
司会:町 亞聖(フリーアナウンサー)
登壇:鎌田實(医師・作家)、小林照子(美容研究家・メイクアップアーティスト)
箱石志保(ケアビューティスト)、平松久実(ケアビューティスト)
主催:株式会社ミライプロジェクト
代表挨拶
「介護美容を“生み出す10年”から、“広げる10年”へ」
株式会社ミライプロジェクトの代表取締役 山際聡は、設立からこれまでの歩みと今後の展望について次のように語りました。
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ミライプロジェクトは「介護美容」という新しい仕事を社会に届けるため、10年前に創立
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当初は理解も少なく、厳しい状況も多かったが、少しずつ賛同者や受講生が増えていった
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10年前にほぼ0%だった介護美容の認知度は、2025年ついに24.6%に到達※
これまでの10年は“介護美容を生み出す10年”。
これからは“皆で介護美容を広げる10年”へ向かうと発信しました。
※ミライプロジェクトのプレスリリース 介護美容の認知度調査の結果より
鎌田實氏 講演:「美容」と「介護」をくっつけてみると新しい世界が生まれる!
「美容は高齢者を自立へ向かわせる。見た目の若さは寿命にも影響する」
医師・作家の鎌田實氏は、美容が心身に与える働きを示しました。
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美容は幸福感を高め、人を前向きにするエネルギーになる
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高齢者の外出意欲や、孫へ思いを伝えようとする“行動変容”につながる
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「人の見た目は関係ない」という考えは誤りで、見た目の若さは実際の寿命にも影響する
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美容による肌のふれ合いがセロトニン、オキシトシンの分泌を促し、心身の安定を支える
介護美容に対して次のようなコメントもいただきました。
「介護美容の最も大きな役割は、高齢者を“自立に促す”こと。介護を何段階もグレードアップさせる可能性がある。」
小林照子氏 講演:「生涯現役90歳の美容と人生」
「美容は人生を変える力。孤独を防ぎ、人とつながりを生む」
メイクアップアーティストの小林照子氏は、美容が人生に及ぼす影響について語りました。
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美容とは、“自分を丁寧に扱い、大事にする行為”
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メイクにより心が前向きになり、医師に告げられた余命を10年ほど延ばした事例を紹介
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美容は寿命にも影響しうる重要なケアである
高齢者の美容については次のコメントも寄せられました。
「メイクした自分を見てもらうことでコミュニケーションが生まれ、孤独を防げる。“人と会わないから美容しない”は誤解です。」
さらに、団塊世代が高齢期に入るこれからの社会背景を踏まえ、
「おしゃれを楽しんできた世代が高齢者になることで、介護美容の需要は今後ますます増える」と強調しました。
パネルディスカッション:「ケアビューティスト」が変える介護の未来
イベント後半では、現場で活躍するケアビューティストや登壇者によるパネルディスカッションを実施し、介護美容を仕事として続けていくための視点や、今後の社会的広がりについて意見が交わされました。

●箱石氏(ケアビューティスト)
「すぐに結果が出なくてもコツコツと継続して活動すること」
箱石氏からは、介護美容を職業として確立するために必要な“継続力”について語られました。
介護施設や在宅の現場では、すぐに利用者が増えないケースもある一方で、活動を継続することで、施設側との信頼関係が育ち、地域に根づいたサービスとして評価されるようになると強調しました。
●平松氏(ケアビューティスト)
「一歩でも前に進み続ければ、未来は必ず開ける」
独立開業した経験をもとに、平松氏は“行動し続けること”の大切さを語りました。
新しい職種であるケアビューティストは、まだ社会的認知の途上にあるからこそ、一人一人の活動が未来の道を切り拓くというメッセージが参加者に強く響きました。
●小林照子氏
「一人一人がプロとしてのプライドを持ち、自分を大切すること」
小林氏は、美容を提供する立場として “自分を丁寧に扱う姿勢” が提供価値を高める と述べ、ケアビューティストに対し、プロとしての自覚と自分自身へのケアの重要性を呼びかけました。
“人を輝かせる仕事” に携わる者として、自らも前向きであることが相手に伝わると語りました。
●鎌田實氏
「介護美容を社会に広げるには、“美容の日”の制定が必要」
鎌田氏は、介護美容をより多くの国民が知るためには、啓発のための象徴的な日をつくることが有効と提案。
“介護美容が人々の健康や自立につながる文化であることを、社会全体で共有する意義” を語り、介護美容の社会的普及を後押しするアイデアとして注目を集めました。
<まとめ>
登壇者全員が共通して語ったのは、「続けること」「誇りを持つこと」「社会に広げること」——この3つが介護美容の未来をつくるというメッセージでした。
今後の展望
「介護美容を広げる10年へ」
一般社団法人「日本介護美容協会」を設立——2026年4月始動予定
株式会社ミライプロジェクトは、介護美容を社会インフラとして発展させるため、「日本介護美容協会」を2026年4月に始動させることを発表しました。
協会の主な活動は以下の通りです。
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介護美容に関する実証研究の推進
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資格・認定制度の整備
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官公庁・自治体との渉外活動
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情報発信・広報活動の強化
アドバイザーには、本イベント登壇者である鎌田實氏・小林照子氏の参加も予定されており、医療・美容・介護の3領域を横断する新しい枠組みとして期待が高まっています。

株式会社ミライプロジェクトについて
所在地:東京都渋谷区神宮前1-15−15 タガミ神宮前ビル2F
設立:2015年11月19日
事業内容:介護・医療関連職の人材紹介事業、介護×美容の人材育成事業、訪問美容事業、介護×美容の商品販売事業
「ケアビューティスト」は株式会社ミライプロジェクトの登録商標です
介護美容研究所について
・全国6か所で展開(東京・横浜・大宮・名古屋・大阪・福岡)
・入学者の約半数は介護・美容業界未経験者
スクールHP:https://academybc.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/carebeauty_mirapro/
介護美容マガジン:https://academybc.jp/cbmag/
問い合わせ先
株式会社ミライプロジェクト(介護美容研究所)
広報担当:矢島
メールアドレス:yajima.r@mirapro.net
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