【ご報告】「国内初・セーリング大会でのリアルタイム風況観測データ配信提供」について
―ナショナルトレーニングセンターへ協力“スポーツ×テクノロジー”でセーリング競技へ貢献―
メトロウェザー株式会社(本社:京都府宇治市、代表取締役社⻑:古本淳⼀、以下「メトロウェザー」)は、セーリング競技におけるナショナルトレーニングセンターである和歌山セーリングセンターへ協力し、2025年7月、8月開催の国内セーリング3大会で国内初のリアルタイム風況観測データ配信を提供いたしました。

◼️経緯・目的
今回、2024年11月開催の国際セーリング大会「BIWAKO DRAGON INVITATION 2024」で実施したドップラー・ライダー活用のリアルタイム風況観測データ配信が、国内セーリング関係者の目に留まり、当社へお声がけをいただいたことがきっかけで、取り組みが始まりました。ご要望などを鑑みて検討を重ね、国内セーリング競技のナショナルトレーニングセンターとなる和歌山セーリングセンターへのご協力という形で、2025年7月-8月に開催の国内セーリング3大会において、ドップラー・ライダーを活用した2D・3Dでのリアルタイム風況観測データ配信を提供いたしました。
メトロウェザーは、夢や希望を与え、国境や言葉を超えてつながることのできるスポーツであるセーリング競技へ、弊社が培ってきたテクノロジーから競技の未来への発展に貢献したいという思いで参加いたしました。セーリング競技は、豊かな自然の中で行われる歴史ある競技であり、当社技術活用によるセーリングの大会運営や競技力向上、アスリート育成・強化への貢献や、観客の皆様への新しいエンターテイメント創出につながる一歩を目指しました。
◼️データ配信提供協力大会
① 全日本ミドルボート選手権大会
開催期間:2025年7月19日(土)〜7月21日(月)
配信形式:2Dデータ配信
② JSAFジュニアユースセーリングチャンピオンシップ
開催期間:2025年7月26日(土)〜7月27日(日)
配信形式:2Dデータ配信
③ 令和7年度全国高等学校総合体育大会ヨット競技大会 第66回全国高等学校ヨット選手権大会(以下「インターハイ」)
開催期間:2025年8月12日(火)〜8月16日(土)
配信形式:2Dデータ配信、3Dデータ配信
※3Dデータ配信
株式会社Red Dot Drone Japanと共同開発したUIに、Trac Trac Japan提供のライブレーストラッキングデータ連携を行い、実現いたしました。
◼️日本セーリング連盟 常務理事、和歌山県セーリング連盟 理事長 中村 和哉様コメント
今回の取り組みは、セーリング競技にとって非常に画期的なものでした。レース運営やレース競技者、レース観戦者、それぞれにとって今までにない全く新しいものとなり、海外で活用されるレベルの高額なものが、我々の手の届くところまでやってきたことが驚きでもありました。今後も継続的に取り組むことで、競技における強化・育成の段階が上がり、一般の方に魅せるスポーツとして楽しんでいただくことが増え、セーリング競技にプラスになると思います。
(2Dリアルタイム風況観測データ配信)
このデータ配信は、強化・育成やレース運営において非常に有益であり、“ゲームチェンジャー”となるものでした。
今回主に活用したレース運営では、経験値や感覚に頼らず、見えない風を誰もが同じ認識で見られることにより、客観的にレース実施判断ができました。例えば、レースコースづくりでは、1レース約1時間の風速・風向を予測します。次のレースへ向け、レースコースを示すブイを先回りして移動させておくのですが、風の傾向が分かるため、より的確なコース設定が行えました。これまでは、実際にポイントに行っての観測や風上にいる方からの情報を得るなど、複数名での観測が必要であり、人による誤差もありました。世界大会の出場経験豊富なトップレベルのセイラーの認識が翻るほど、沖の遠く離れたポイントでも変化する風が数分間隔で見え、衝撃的でした。
競技における強化・育成においても、このデータ配信を活用した練習やレースができれば、パフォーマンスを100%発揮するための非常に重要な情報となると思います。主観的にやってきたものがデータとして見える。コーチが感覚的に言っていたことが、見せて示せるようになる。それが毎日蓄積すれば上達のスピードが加速します。そして地形が影響する風況の変化から多くのことが学べるため、風況観測ができないことが多い遠征先においても、現場で考えて戦略・戦術を練って臨むことができるようになるでしょう。これはすごく大きな財産になります。また、レース開催地でのデータ活用ができれば、レース中にコーチが分析し、レース後すぐに振り返った上で次のレースを有利な状態で臨めるようになります。

(3Dリアルタイム風況観測データ配信)
見せるものとしてはおもしろく、初めての方やビギナーの方にはインパクトがあるものではないかと思いました。会場から実施していたインターハイTV中継では、これまでは望遠レンズの映像とTrac Tracトラッキングデータにアナウンサーの実況が加わる形でしたが、この3Dデータ配信が入り、各艇の差の開きなどが目に見えて分かりました。勝敗や強弱の見せ方など、まだ改良の余地があると思いましたが、ここ5年の中で一番観客も多く、エンターテイメント性の高いものでした。
◼️2D配信データ
ドップラー・ライダーで得られた高精度風況観測情報を、地図上に風速・風向を可視化したリアルタイム動画配信。
主な活用シーン:レース前後での運営や、レース中の運営本部のヨット上でのスマートフォン、タブレットでの活用。
◼️3D配信データ
株式会社Red Dot Drone Japanと共同開発した、立体的な地形にドップラー・ライダーで得られた高精度風況観測情報を3Dグラフィックで可視化し、Trac Tracの各艇のトラッキングデータを連携させたリアルタイム動画配信。
主な活用シーン:インターハイ会場の観客へ向けた会場大型ビジョンでの放映。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像