スペースデータ、UAEのムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターとデジタルツイン技術に関する基本合意書を締結
地球と宇宙のデジタルツイン活用に向けて技術連携
株式会社スペースデータ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽、以下スペースデータ)は、アラブ首長国連邦(UAE)の宇宙技術開発機関であり宇宙開発と探査を科学と工学から推進するムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(拠点:ドバイ、長官:H.E. Salem Humaid Al Marri、以下MBRSC)と、UAEを対象としたデジタルツイン経済促進プラットフォーム構築及びUAEの月探査ミッション「Emirates Lunar Mission」向けの月面デジタルツイン構築を目的とした基本合意書(MoU)を締結したことをお知らせいたします。
背景
スペースデータは、デジタル技術で宇宙をインターネットのように身近にすることで、誰もが宇宙開発に参加できる未来を目指しています。スペースデータは、地球から国際宇宙ステーション(ISS)、月までをデジタル上に再現するデジタルツイン技術の研究開発を行っています。当社の技術は、3次元の空間情報に留まらず、高精細に物理環境をデジタルツイン上に再現し、また宇宙機のシミュレーションを実現する革新的な技術です。
今回、スペースデータが開発する地球、及び月面のデジタルツインをMBRSCに提供することで、UAEの経済発展、及び月面探査計画の更なる発展に貢献します。
また、本取り組みでは、UAE政府の衛星データの活用、月面探査計画におけるMBRSCのローバーが取得したデータ活用を計画しています。これらを通じて、スペースデータはデジタルツイン技術の更なる高度化と充実を図り、国際協力で推進される宇宙探査計画とその周辺技術の進化に寄与します。
ドバイを対象としたデジタルツイン経済促進プラットフォームでの連携
①デジタルツイン経済促進プラットフォーム
スペースデータは、ドバイの観光振興と経済活性化を目的として、デジタル空間上でドバイをはじめとするUAEの都市環境を精密に再現するプロジェクトを推進します。このプラットフォームでは、デジタル技術を活用して臨場感あふれる観光体験を提供し、世界中の潜在的な観光需要を発掘します。
場所や時間の制約を超えたデジタル体験を通じて、新たな観光需要を創出し、UAEの更なる経済活性化を目指します。
②世界最大規模の国際空港を対象とした災害予測デジタルツイン
スペースデータは、UAE政府の衛星データや気象データを統合し、災害予測を目的としたデジタルツインを構築します。広域災害予測のシミュレーションを実施し、その精度向上を図ることで、地域の安全性を向上させることを目指します。
現在、ドバイでは総額約5億円を超える予算が投じられ、世界最大規模の国際空港を中心とした大規模な都市開発が進行中です。このプロジェクトには、ショッピングモールやホテルなども含まれており、潜在的な水害や気候変動のリスクへの対策が重要な課題となっています。本デジタルツインは、その課題に対応するための革新的なソリューションとなります。
スペースデータが開発したドバイのデジタルツインのデモ動画
UAEの月探査ミッション「Emirates Lunar Mission」向けの月面デジタルツイン構築での連携
① UAE政府月面ローバー向けデジタルツイン
UAEの月探査ミッション「Emirates Lunar Mission」では、月面探査ローバーを開発し、様々な科学的ミッションをもとに月面の未踏地域を探査する計画です。
スペースデータは、本ミッションにおいて、MBRSCが開発する月面探査ローバー「ラシッド」の設計データおよび観測データを活用したシミュレーション環境を構築します。これにより、月探査活動の効率化や精度向上を図り、UAEの月面探査計画の推進に貢献します。
②宇宙飛行士向け月探査訓練デジタルツイン
月面着陸を目指すUAE宇宙飛行士の月探査訓練の高度化を目的としたデジタルツインを構築します。
UAE宇宙飛行士の船外活動(EVA)に向けて、高精細な三次元空間情報、及び月面の物理環境を含む、高精度なシミュレーション環境を提供します。デジタル上での訓練により、UAEの宇宙探査能力を向上すると共に、安全で効率的な探査活動を実現します。
MBRSC 局長補佐のAdnan AlRais氏のコメント
ムハンマド・ビン・ラーシド宇宙センターとスペースデータの提携は、先進的なデジタルツイン技術を宇宙探査の取り組みに統合するための一歩です。この協力により、月面探査ミッションの精度と効率を向上させるだけでなく、宇宙飛行士のための没入型トレーニング環境の提供を可能にし、革新的なデジタルプラットフォームを通じてドバイの持続可能な経済成長という野心的なビジョンを支えることができます。私たちは共に、宇宙探査の未来を形作るだけでなく、最先端技術が進歩を促進し、人類に新たな機会をもたらす方法を再定義していきます。
スペースデータ執行役員の髙田敦のコメント
今回、ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターとの日本・UAEとのパートナーシップを締結できたことは、スペースデータの提供するデジタルツイン技術を通じて宇宙探査をより身近で価値あるものにしていく中で、大きな節目となります。我々の技術を、近年急激に成長するUAEの宇宙業界に統合することで、地上の経済発展を支え、月面での科学的発見や探査の新たな可能性を切り開いていきます。MBRSCとUAEと共に、地球上や月面さらにその先に向けて、可能性の限界を超えていく挑戦を楽しみにしています!
また、今回の基本合意書の締結は、日本政府(内閣府、経済産業省、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、JETRO(日本貿易振興機構))とUAE政府(UAE宇宙庁)が共同で開催した2024年12月の日UAE宇宙官民ワークショップおよび2025年1月の経済産業大臣のUAE訪問を契機に実現しました。この合意書の締結に尽力してくださった関係者の皆様、特に在UAE日本国大使館の方々に心より感謝申し上げます。
MBRSCについて
ムハンマド・ビン・ラーシド宇宙センター(MBRSC)は、科学技術の最前線に立つ拠点であり、UAEを宇宙サービスおよび探査分野の世界的リーダーに押し上げる役割を担っています。
MBRSCは2006年に設立され、5名のエンジニアが強い意志と揺るぎない決意を持って、自らの能力を発展させ、宇宙分野の知識を拡大することを目指してスタートしました。それ以来、センターはUAE国家宇宙プログラムの育成拠点としての道を歩み続けています。MBRSCでは、衛星開発プログラム、UAE宇宙飛行士プログラム、エミレーツ月面探査ミッションをはじめとする様々なプロジェクトが展開されています。
衛星開発プログラムのもと、MBRSCは「DubaiSat-1」「DubaiSat-2」「KhalifaSat」(UAE国内で完全に製造された初の衛星)、「MBZ-SAT」(アラブ地域で最も先進的な衛星)など、多数の地球観測衛星の構築、開発、運用を行ってきました。
さらに、MBRSCは、月周回軌道に設置される人類初の国際宇宙ステーション「Gateway」に向けた宇宙飛行士と科学実験用のエアロックモジュール「Emirates Airlock」を開発しています。また、UAEは自国の宇宙飛行士を月面ミッションへ送り出す計画も進めています。
UAE宇宙飛行士プログラムのもと、現在4名の宇宙飛行士が所属しており、そのうち2名は国際宇宙ステーション(ISS)でのミッションを成功させています。特に、H.E. Dr. Sultan Saif AlNeyadi氏は、アラブ世界最長の宇宙滞在記録を達成しました。
概要
代表 :H.E. Salem Humaid Al Marri
所在地:Al Khawaneej Area UAE, DUBAI
URL. :https://www.mbrsc.ae/about-us/
スペースデータについて
スペースデータは「宇宙」と「デジタル」の融合を目指した研究開発を行うスタートアップです。人工衛星・宇宙ステーション・月面探査といった宇宙分野の技術と、AI・3DCG・デジタルツインといったデジタル分野の技術の融合を目指す研究を進めています。「新しい宇宙を作る」をビジョンに掲げて、革新技術の発明・特許化・実用化を行っています。
法人概要
社名 :株式会社スペースデータ
代表 :佐藤 航陽
所在地:東京都港区虎ノ門 1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
資本金:15億1300万円
目的 :宇宙開発に関わる投資と研究
URL :https://spacedata.jp
本件に関するお問い合わせ
下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。
すべての画像
- 種類
- 経営情報
- ビジネスカテゴリ
- システム・Webサイト・アプリ開発電子部品・半導体・電気機器
- ダウンロード