名古屋大学病院とAcompany、秘密計算を用いて秘匿したまま複数病院の安全なデータ分析に成功
DPCデータを活用した地域医療活性化に貢献
本成果は、2022年11月17日-20日に札幌コンベンションセンター(札幌市)で開催される『第42回医療情報学会連合大会(第23回日本医療情報学会学術大会)』にて、「複数病院のDPCデータを用いた安全なデータ共有とリアルタイム経営指標分析の秘密計算技術による実現」と題し、発表いたしました。
※DPC:診断群分類の略。診断と治療・処置の組み合わせから分類され、DPC制度(DPC / PDPS: Diagnosis Procedure Combination/Per-Diem Payment System)により、診断群分類に基づく診療報酬が算出される。
■研究背景
名古屋大学病院メディカルITセンターは、地域医療活性化を目的としたDPC データ分析の取り組みを実施しています。DPCデータの活用は、地域別での病院経営状態の把握等に有用であり、病院経営視点においても地域毎の経営的指標を得られるニーズが高くなっています。
一方、DPCデータは経営状態が外部に対し明らかになってしまう懸念や情報漏洩リスクといった観点から、容易に外部提供を行うことは困難でした。
ここから名古屋大学病院とAcompanyは、2021年7月1日リリース「名大病院とAcompanyが「秘密計算」技術を活用した病院経営分析に関する共同研究を開始」にて、共同研究開始を発表。Acompanyの開発したSMPCエンジン『QuickMPC』を用い、複数医療機関での秘匿したデータ連携が可能かどうか検証を開始しました。
参考:名大病院とAcompanyが「秘密計算」技術を活用した病院経営分析に関する共同研究を開始(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000046917.html)
■研究概要 SMPCを用いて、仮想3医療機関の持つ擬似DPCデータの統計値算出に成功
本研究では、SMPCを用いた取り組みとして3つの仮想医療機関を設置(図)。各3仮想医療機関の持つ擬似DPC データ(診療科毎の人数、売上、コスト、粗利の値)を作成(※1)し、合計・平均・標準偏差の統計値をSMPCにて算出することに成功しました。
これにより、各病院は自分の各DPCデータを他の病院に知られることなく、全体の統計値を入手することができることが分かりました。また、自病院の各診療科は全体に対してどの位置に相当するのかを知ることができるため、統計値を基に経営改善に役立てることができることが分かりました。
※1_名古屋大学病院の持つ2019年度1年分のデータをもとに擬似データを作成。
■今後について
Acompanyは同研究成果に関して、2022年11月17日-20日に札幌コンベンションセンターで開催される『第42回医療情報学会連合大会(第23回日本医療情報学会学術大会)』2日目、一般口演6にて「複数病院のDPCデータを用いた安全なデータ共有とリアルタイム経営指標分析の秘密計算技術による実現」と題し、発表いたしました。
また今後も、名古屋大学病院とAcompanyは共同で、医療データ活用に向けた取り組みを模索していきます。
■プライバシーテックとは
個人のプライバシーを保護するためのテクノロジー(技術)です。個人のデータを企業等が大量に保有する中、いかに個人に対して安心・安全なデータ保全・利活用を実現できるのか課題となっています。この課題を解決する技術がプライバシーテックです。例えば、データを暗号化しつつ企 業・組織間でデータ分析ができる次世代暗号技術「秘密計算」や、仮想のデータを生成する「合成データ」、個人識別性を排除する「匿名加工」などが挙げられます。
プライバシーテック研究所:https://acompany.tech/privacytechlab/
■会社概要
社名 :株式会社Acompany
代表者 :代表取締役CEO 高橋亮祐
所在地 :愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1-3JRゲートタワー27F OICX
設立 :2018年6月
URL:https://acompany.tech/
ミッション:プライバシー保護とデータ活用を両立させる
事業内容:プライバシーテックサービス「AutoPrivacy」の開発・提供、コンサルティング
■本件に対するお問い合わせ
お問い合わせフォーム、もしくは下記メールアドレスからお問い合わせください。
お問い合わせフォーム:https://acompany.tech/contact/
連絡先:pr@acompany-ac.com
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