揚げ物調理等に使用できる食用油劣化抑制フィルターの量産開発完了
~食用油の寿命を最大3割延長*1、ろ過作業負担も軽減~
●NSKの軸受開発で培った潤滑剤の劣化抑制技術と、自動車パワートレイン向け摩擦材開発で培った抄紙技術を応用
●油の劣化を抑制する添加剤をフィルター内に付着(担持)させた仕様。揚げかすなどの除去と同時に、食用油の劣化を抑制するフィルターの実用化は世界初*2
●食用油の寿命延長効果*1により、食品加工メーカー・飲食店などの食用油購入コスト削減に貢献
*1 社内評価結果や国内大手食品加工メーカーにおける検証結果に基づくものであり、調理物や油の種類その他使用環境
により寿命延長効果に差が生じる場合があります、NSK調べ
*2 調査対象:市販されている食用油ろ過機向けフィルター、調査時期:2025年9月時点、NSK調べ
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は、揚げ物調理等に使われる食用油の寿命を延長し、食品加工メーカー・飲食店などの食用油購入コスト削減に貢献する、ろ過機向け食用油劣化抑制フィルターの開発を2015年から推進していました。2024年夏以降、国内大手食品加工メーカー複数社への試験販売を進めてまいりましたが、この度、効果検証を終え、量産開発を完了いたしました。油の劣化を抑制する添加剤をフィルター内に付着(担持)させた仕様となっており、揚げかすなどの除去と同時に、食用油の劣化を抑制するフィルターの実用化は世界初です。今後、さらなる性能向上にも取り組みつつ、ろ過機を持たないコンビニエンスストアやスーパーマーケット、弁当・惣菜店を含めた小売業などの顧客への導入検討などビジネスの拡大を目指します。



■開発の背景
NSKは、現中期経営計画で「Bearings & Beyond」を掲げ、新商品・新事業の拡大に取り組んでいます。本製品は、NSKが軸受開発で培った潤滑剤の劣化抑制技術と、自動車パワートレイン向け摩擦材開発で培った抄紙技術を応用し、2015年から開発を開始。2022年には「FOOMA JAPAN」に出展し、市場ニーズ調査を実施。その結果、食用油の劣化抑制効果の向上や、油交換の作業効率化のニーズが高まっていることがわかりました。これらのニーズを踏まえ、社内及び顧客での性能評価に基づき改良を重ねた結果、効果検証を終え、量産開発の完了に至りました。
■製品の概要
1、フィルター内部の繊維表面に、添加剤を付着(担持)させた仕様。
2、本製品で食用油をろ過することで、繊維表層で揚げかすなどの異物を除去すると同時に、添加剤で
酸化劣化物も除去する。

■製品の特長
1、食用油の寿命を最大3割延長
本製品で食用油をろ過することで、既存の市販フィルター使用時に比べて食用油の寿命を最大3割延長可能であることを確認。例えば、これまで3日に1回油を交換していたところを、4日に1回の回数に減らせる可能性があります。その結果、食品加工メーカー・飲食店などの食用油購入量およびその購入費用削減に貢献します。また、使用済み食用油廃棄量の削減を通じて環境保全にも貢献します。
2、繊維表面に添加剤を付着(担持)させた仕様で、ろ過作業負担を軽減
食用油の劣化物を除去する従来手法の一例としては、ろ過助剤と呼ばれる粉体を使用する方法がありますが、油を吸って重量が増した粉体の回収に伴う作業負担や飛散した粉体の吸引といった健康リスクがあります。本製品は、油劣化抑制機能を持つ添加剤をフィルター内部に担持させた構造の実現により、従来の粉体を使用した際の健康リスクを軽減します。
3、安全性の高い材料を採用
添加剤には食品添加物を使用。またフィルターは、厚生労働省が定める食品・添加物等の規格基準である材質・溶出試験を参考とした自主基準をクリアしており、食品安全面において安心してお使いいただけます。
■本製品のご購入やその他(サイズなど)に関するお問い合わせ先
日本精工株式会社 技術開発本部 コア技術研究開発センター fooma@nsk.com
■NSKについて
NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年以上にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では約30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、またボールねじ、電動パワーステアリングなどにおいても世界をリードしています。
企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。
NSKについての詳細は、こちらのページをご覧ください。
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