日立、AIを活用しサプライチェーン計画業務を最適化するシステムをニチレイフーズグループのニチレイ・アイスに導入
計画立案時間を約70%削減し、業務効率化を実現
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ニチレイフーズグループのニチレイ・アイスの対象商品の生産・輸送・在庫計画の立案時間を約70%削減
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AIを活用し、膨大な組み合わせの中から制約条件を遵守する高精度の最適な計画を立案
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アプリケーションからITインフラ基盤まで日立がトータルでサポート

株式会社日立製作所(以下、日立)は、株式会社ニチレイフーズ(以下、ニチレイフーズ)グループの株式会社ニチレイ・アイス(以下、ニチレイ・アイス)に対して、同社が取り扱う包装氷を対象に、生産・輸送・在庫の3つの計画が連係した最適な計画をAIを活用して自動で作成するシステム(以下、本システム)を導入し、このたび運用を開始しました。
本システムは、数理最適化技術*1を活用した日立のLumada*2ソリューション「計画系業務最適化サービス」として提供するもので、AIを活用して、生産能力など40を超える制約条件を考慮し、約10個の相反するKPIを最適化した計画を立案し、季節変動により需要が大きく左右されるニチレイ・アイスの包装氷の生産・在庫・輸送の計画立案にかかる時間を約70%削減*3することを確認しています。また、詳細な内訳や分析が困難であったコストなどのKPIの可視化も実現しました。加えて、システムへの入力データを見直すだけで、計画修正ができるため、変化の速い需給にもより柔軟かつ迅速に対応します。これにより、計画立案業務の簡素化や脱属人化、および人が見落としがちな制約や相互依存関係を考慮した最適なサプライチェーン計画の立案が可能となり、計画の質の改善にも貢献します。
具体的には、実際の在庫量を考慮しながら、販売見込みや在庫の基準を満たすように「いつ、どこで、何を、どのくらい」生産・輸送・保管(在庫)するかを最適化します。生産計画においては、在庫の水準を踏まえながら、販売および在庫基準を満たす生産量・生産時期を立案します。輸送計画においては、物流センターなどの拠点別の在庫基準および販売見込みを満たすように、適切なタイミングで適切な拠点に製品を輸送し、積載効率最大化とトラック台数最小化を可能にします。在庫計画においては、拠点別の在庫基準や販売見込みを考慮して、適切な在庫配置を策定します。また、欠品発生アラートや生産量不足アラートなどの異常検知機能も組み合わせることで、現場における運用効率を高めています。
日立は今後、ニチレイフーズやニチレイ・アイスにおける本システムの適用業務範囲を拡大し、より長期間にわたる計画の立案やトラブル発生時の計画修正などの機能の拡充を検討しています。
また、日立は本サービスを製造業へ幅広く展開するとともに配送計画ソリューションや生産管理ソリューションとの連携も含め、日立のドメインナレッジとAIを用いてデータを価値に変換し、お客さまや社会の課題解決に取り組むLumada 3.0として進化させながら、製造業のサプライチェーン全体の統合へと展開をめざします。これにより、人手不足などの社会課題にも対応し、持続可能で効率的な供給体制の構築を通じて、企業の競争力強化と社会課題の解決に貢献していきます。
日立のコネクティブインダストリーズ(CI)セクターでは、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせたデジタルサービス「産業分野向けHMAX」を、成長産業へ水平展開する「Integrated Industry Automation」に注力しています。CIセクターはLumada 3.0を体現する「産業向けHMAX」の提供を通じて、フロントラインワーカーの現場を革新します。
*1 数理最適化技術 : 制約条件を満たしつつKPIなどの目標値を最大化・最小化する最適解を数学的に求める技術。
*2 Lumada : お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。
*3 ニチレイ・アイスにおいて従来、計画立案にかかっていた作業時間と、AIへのインプットデータ準備作業やAI結果の確認・微調整作業を比較した結果。AIを実行している間の待ち時間は除く。
■本システムの特長
・お客さまの業務にフィットする計画立案を実現できるセミオーダー型
本システムは、数理最適化技術を活用し、40を超える制約条件や相反する約10個のKPIなどのお客さま固有の要件を柔軟に取り込みます。これにより、システムを構成する基本機能を部品として保有しながら、計画立案に必要な業務ルールをお客さまの業務モデルに合わせて細部まで反映するセミオーダー型のソリューションを実現し、季節変動により需要が大きく左右されるニチレイ・アイスの包装氷の生産・在庫・輸送の計画立案にかかる時間を約70%削減することを確認しています。高精度かつ実運用に十分対応できるサプライチェーン全体の計画立案が可能となり、従来の汎用的なパッケージでは実現できなかった現場に根ざした最適化を実現します。
・「ComiComiCloud」*4の活用
プラットフォームには豊富な提供実績を有し運用の効率性と堅ろうなセキュリティを両立する「ComiComiCloud」を利用しています。「ComiComiCloud」は日立が提供する従量課金型のクラウドサービスです。オンプレミスとパブリッククラウドの利点を融合させたフルマネージド型のもので、製造業や流通業などの業務に特化したITインフラを柔軟に提供します。アプリケーションからITインフラ基盤までを日立がトータルでサポートすることで、導入から運用までの一貫した支援体制を構築します。
*4 ComiComiCloudは、株式会社日立製作所の登録商標です。
計画系業務最適化サービスに関する日立のWebサイト
「ComiComiCloud」に関する日立のWebサイト
■Hitachi Logistics & Supply Chain Dayでの紹介について
2025年10月28日(火)に上野イーストタワーで開催される「Hitachi Logistics & Supply Chain Day」において、本事例および関連ソリューションをご紹介します。
Hitachi Logistics & Supply Chain Day
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。
お問い合わせ先
株式会社日立製作所
お問い合わせ:製造業・流通業向けソリューション:日立
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