フィンランド・ラハティ市がヨーロッパの2021グリーン首都賞を受賞
環境に配慮したウィンタースポーツのメッカとして市内での新しい移動手段「シティスキー」を試験的に導入開始
フィンランドのラハティは、2021年1月22日(金)~24日(日)に開催される環境認証を受けたFISノルディックスキーワールドカップ・ラハティ大会をもって、ヨーロッパのグリーン都市としての一年をスタートさせます。大会には23ヵ国の選手が参加する予定です。今年の冬はフィンランド全土で積雪が多く、各地で本当のクロスカントリースキーができるまでになりました。クロスカントリースキーは、もともと幸福度No.1の国フィンランドの国民的な余暇活動ですが、コロナ禍ではますますその人気が高まっており、スキーで通勤する人もいるほどです。
レイクランド地方に位置するラハティは、フィンランド随一のグリーン都市で、環境対策におけるリーダー的な存在です。今年はEU(欧州連合)から2021ヨーロッパグリーン首都賞を受賞しました。ラハティは、これまでにこの賞を受賞した都市としては最も小さく、最も北にある街で、より環境にやさしく、サステイナブルな都市を築くために何十年にも渡って続けられた取り組みが評価されることとなりました。
ラハティは石炭の使用を廃止しており、フィンランドの大都市として初めて2025年までにカーボンニュートラルな都市となり、また、2050年までには廃棄物ゼロの循環型経済都市を目指しています。ラハティは循環型経済のパイオニアであり、家庭ゴミの99%以上がリサイクルされています。フィンランド南部のベシヤルヴィ湖畔に位置するこの地域の暖房には、リサイクル燃料と地元の認証を受けた木材が使われています。温室効果ガスの排出は、1990年と比べて70%削減されています。
「ここは市民がカーボンニュートラルな生活を送りやすい街になっています。市民一人ひとりが移動手段による排出取引をすることができる初めての都市で、環境にやさしい移動をしやすい環境を整備しています。人々がサステイナブルな交通手段、つまり徒歩や自転車、公共交通機関を選択することを推奨しており、今週紹介する「シティスキー」の事例もあるように、もちろんスキーも移動手段のひとつとして選択できます」とVisit LahtiのCEOでラティスキークラブの役員でもあるRaija Forsmanは述べています。
スポーツ大会開催の世界記録
レイクランドにあるラハティは、スポーツの街として世界的に知られており、これまでに7回のFISノルディックスキーワールドカップを開催し、世界記録となっています。1月22日から24日に開催されるFISノルディックスキーワールドカップ・ラハティ大会は、環境保護の認定を受けている大会で、グリーン首都の年間プログラムの一つとなっています。今大会の特別テーマは安全と衛生。観客へのチケット販売はなく、飲食はすべて環境に配慮した、リサイクル可能で堆肥化可能な段ボールを使用した容器で提供されます。またゴミはすべてリサイクルされます。
スポーツの大会を主催する以外にもラハティは、住民や、現在は主に近隣の都市から日帰り旅行で訪れる人々に、様々なアウトドアアクティビティの場を提供しています。 市内を横断し、サルパウセルカの尾根まで180キロに渡って続いているユニークなスキーコースへはアクセスが良いため、自然の中での運動ができます。
「ラハティでは、ヨーロッパ最大の湖と一体となっている森の真ん中に、ウィンタースポーツのできる場所やスキーコースがあります。電車の最寄り駅から徒歩、またはヘルシンキ・ヴァンター国際空港から電車で一時間という場所に位置しています。公共の交通手段でウィンタースポーツのできる場所へ行くことができるというのはヨーロッパの基準からみても珍しいことです」と前述のForsman氏は述べています。
新たなトレンドとなったクロスカントリースキー
クロスカントリースキーはフィンランド人のDNAに組み込まれています。昔は冬の間の重要な移動手段で、スキーで森や湖を通り、学校や仕事に向かうのはごく普通のことでした。今でも、この国民的趣味のスキーは、2、3歳の子供のころから親に習い、また学校でも習います。クロスカントリースキーは、体形や体力に関わらず、すべての世代に親しまれています。最も一般的なのは伝統的な毛皮のついたスキー板(karvapohja)で、油を使う必要がありません。
「クロスカントリースキーは、フィンランド人の自然の中での過し方です。歩くことができればスキーはできます。大切なのはすべての人が平等であることで、それはフィンランドの社会の礎となっているものです。フィンランドのサウナと同じで、スキーコースでは肩書や階級は関係ありません。進む速さはあなたの気分と体調で決めればいいのです」とForsman氏は述べています。
フィンランドのアウトドア活動を推進しているSuomen Latuによると、2019年の調査において、フィンランド人の3分の1が冬の間に最低一度はスキーをし、3分の2が自分のスキー道具を持っており、特にコロナ禍では密閉された屋内での活動が制約されたことと、雪の状態がかなり良かったことが相まって、コースはにぎわっているということです。
「例えば、多くのヘルシンキ市民にとっては徒歩圏内にコースがあることもあり、今年のような冬にはクロスカントリースキーはサステイナブルな趣味となっています。」とSuomen Latu のPR・マーケティングマネージャーのPanu Könönenは述べています。
クロスカントリースキーはフィンランド全土でできます。自宅から近い場所にコースがあるというフィンランド人がほとんどです。大雪の日にはヘルシンキの中心地でもスキーができますが、市には首都全体を網羅する200キロのコースが作られています。フィンランドで最も広いのは、Ylläs ski resortを取り囲む330キロにも及ぶコースで、世界で最もきれいな空気を吸うことができるでしょう。カーボンニュートラルなスキーリゾート、Ruka-Kuusamo と PyhäはいずれもVisit Finlandのサステイナブルトラベルフィンランド認証を受けており、数百キロに渡るスキーコースを有しています。
ヨーロッパグリーン首都ラハティのおもしろ情報 3選
- ラハティは、シティスキーを提案しています。シティスキーとは、無償貸与の機器を使用して、例えば、マーケット広場の隣までスキーをして移動することができます。人々が市のレンタサイクルに乗るように、市のスキーを借りることができるというイメージです。シティスキーのレンタルの実験期間中には、市の中心部で小さなスキーの跡が見つかることでしょう。シティスキーの試験導入は1月22日(金)からで、同日FISノルディックスキーワールドカップ・ラハティ大会が開幕します。
- アイスホッケーもまたフィンランドの国民的スポーツです。将来、最もサステイナブルなホッケーの試合がラハティで行われることになるでしょう。地元のホッケーチーム、Lahti Pelicansはフィンランド初のカーボンニュートラルなホッケーチームとなることを目指しています。
- ラハティ地域(ラハティにあるNastola)出身のF1ドライバー、バルテリ・ボッタスは、熱心な自然愛好家で知られ、グリーン首都としての一年間、そのアンバサダーを務めます。グリーン首都の2021年のプログラムの一つとしてバルテリ・ボッタス・デュアスロンがNastolaで開催されます。このデュアスロンは、家族全員にとってカーボンニュートラルなスポーツイベントになることを目指すことに加えて、年間を通して行われる大小さまざまな環境活動に注目していきます。
※バルテリ・ボッタス デュアスロンについて:www.valtteribottasduathlon.com/en/
「海外で多くの時間を過ごすと、他の国では贅沢なことであることがフィンランドでは日常的に行われることに感謝をするようになります。私たちの国にはきれいな自然、きれいな水、そしてきれいな空気があります。他の国では、リサイクルやその他の日常生活の選択肢がフィンランドのように当たり前ではないことが多々あります。ラハティは多くの点で環境問題の先駆者であり、フィンランドの施策は世界で十分に通用するものです。」とボッタスは話しています。
参考情報:
グリーン首都ラハティの取り組みについて https://greenlahti.fi/en
ラハティでのサルパウセルカ大会について https://lahtiskigames.com/
フィンランドでのクロスカントリースキーを取り巻く状況について
https://www.visitfinland.com/article/cross-country-skiing-with-feeling/#f5b389ec
※WEBサイトは英語です。
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