【M&Aレポート】建設業界の2022年のM&A 取引⾦額は直近10年で最多に
建設業界の2022年のM&A(売買の対象となった企業が建設業の案件)の件数は38件で、2013年以降の10年間では2021年に次ぐ2番⽬となりました。⼀⽅、取引⾦額は1868億円で、こちらは2013年以降の10年間では最多となりました。
- 経営難からM&A増加
建設業界は⼈⼿不⾜による倒産や資材⾼による倒産が増加傾向にあり、厳しい経営環境の中、業容の拡⼤や新しい領域への進出⼿段としてM&Aに踏み切るケースが多く⾒られました。600億円台や400億円台の⼤型の案件があったことから、⾦額が膨らんでいます。
今年(2023 年)に⼊ってすでに9 件(3 ⽉9 ⽇時点)のM&A が発表されており、今年も件数、⾦額とも⾼⽔準の状況が続くとみられます。
上場企業に義務付けられている適時開示情報のうち、経営権の異動を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計しました。
- ⾦額トップはミライト・ホールディングスの620億円
⾦額が最も多かったのは、ミライト・ホールディングスが⻄武ホールディングス傘下で総合建設業(ゼネコン)の⻄武建設(東京都豊島区)の株式95%を取得し、⼦会社化すると発表した案件で、取得⾦額は約620億円。通信キャリア各社による設備投資の抑制で主⼒の通信⼯事需要が減少する中、街づくり関連やグリーン発電などの成⻑領域で事業展開を加速するのが狙いです。
⾦額の2番⽬は、⼤豊建設がセメント事業などを⼿がける⿇⽣(福岡県飯塚市)の傘下に⼊ると発表した案件で、⿇⽣を引受先とする第三者割当増資で約403 億円を調達しました。⼤豊建設はこの資⾦をもとに⾃⼰株取得を実⾏し、筆頭株主で旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋⾕区)が保有する40%余りの全保有株を取得しています。
⾦額の3 番⽬は清⽔建設が、持ち分法適⽤関連会社で道路舗装⼤⼿の⽇本道路に対して⼦会社化を⽬的にTOBを実施すると発表した案件で、買付代⾦は222億200 万円。⼦会社化することで⽇本道路を清⽔建設グループの⼀員として⼀層明確化するのが狙いとなります。
- M&A Online
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