「そのOOH広告、本当に見られてる?」 〜地下鉄広告の“注目度”をAIで可視化、“注目されるOOH”を共に創る時代へ
視線を集めた“秒数”が、広告価値を決める? サリエンシーモデルによるアテンション可視化の実証実験を実施
広告が「本当に見られているか?」という問いが、いまグローバルなマーケティング課題となっています。テレビやデジタル広告の世界では、広告への“注目”を定量的に捉える「アテンション指標(Attention Metrics)」が、新たな広告価値の指標として台頭し始めており、その流れはOOH(交通広告/屋外広告)にも及びつつあります。
このたび、広告会社の株式会社博報堂DYアウトドアと交通広告媒体社の株式会社大阪メトロアドエラが連携し、地下鉄車内のデジタルサイネージおよびアナログ広告を対象に、AIによるアテンション測定の実証実験を行いました。
■ 調査概要:AIが“注目度”を予測・数値化
視線学習と画像認識学習を融合した「サリエンシーモデル」を活用し、広告の視覚的注目度を30秒単位で解析。以下2つのアテンション指標を測定しました。
・アテンション率(Attention Rate): 広告がどれだけ人の注意を引きつけたかを表す指標
*一瞬でも見た割合を算出する視認率(Visibility rate)とは異なります
・アテンションタイム(Attention Time): 広告に注目していた30秒ごとの時間
■ サリエンシーモデルの特徴
・色彩や明暗、形状など、人が本能的に注目する要素を数理的に再現するAIモデル
・実際のアイ・トラッキング調査との高い相関性が確認されており、コストを抑えて予測が可能
・ロケーションごとの特徴やクリエイティブ要素の違いによるアテンションの傾向も可視化
■ 主な成果と展望:OOH広告の「見られた質」を可視化
・従来のインプレッション数や視認率では測れなかった「どれだけ注目されたか」を数値で明示
・媒体ごとの注目特性や、クリエイティブ要素(色・構図・動き)による効果の違いも明らかに
・今後はAIによる事前のアテンション予測サービスの展開も視野に入れています。


■ OOH業界にとっての意義
OOH広告が「表示されるもの」から「注目されるメディア」へと変わる時代。今回の実証実験は、広告会社と媒体社が連携してOOHの価値を“科学的に”証明しようとする先進的な取り組みです。また、米国ARF(Advertising Research Foundation)やMRC(Media Rating Council)などによるアテンション測定の標準化が進む中、今回のような日本発の実証実験は、国際的な注目にもつながる可能性を秘めています。
■ 今後の展望
今後は本実験の成果をもとに、OOHメディアにおけるアテンション測定の高度化を進めるとともに、AIを活用したアテンション予測・クリエイティブ最適化サービスの事業化も視野に取り組んでいきます。
株式会社博報堂DYアウトドア 取締役執行役員 デジタルプロデュース部 部長 三浦 暁
「生活者の生活導線上に必ず存在するアウトドアメディアは、タッチポイントとしても今後重要性を増していくと考えています。なかでも今回のようなアテンションに関する調査は、アウトドアメディアのメディア価値や質的価値をより深く理解する上でも、今後も継続して取り組むべきアプローチであると思います。」
株式会社大阪メトロアドエラ 東京オフィス デジタルマネージャー 荒井孝文
「これまでOOH広告の評価は設置場所や通行量に依存しがちでしたが、今回の調査により“どれだけ注目されたか”を定量的に捉える新たな手法が見えてきました。駅や車内といった日常空間で接触するOOHだからこそ、“アテンション”という指標の導入は非常に意義深いと感じています。」
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社 大阪メトロ アドエラ
東京オフィス:荒井(080-7601-4252)
お問い合わせ:https://osakametro-adera.jp/contact
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