[レポート]FIFA Soccer:エンゲージメントの強化によるマネタイズ

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Sensor Tower

2022年のワールドカップ開催中はサッカー界が盛り上がっていましたが、FIFA Soccerのデジタル世界も同様の盛り上がりを見せていました。このレポートでは、ワールドカップとFIFA Soccerとの間の興味深いダイナミクスについて検証し、このような大規模なイベントがどのようにエンゲージメントを推進し、イノベーションを生み出し、デジタルスポーツ環境を作り変えることができるかについて紹介します。

2022年のワールドカップ期間中、FIFA Soccerに転機ともなる大きな変化が訪れました。エンゲージメントが急激に増加し、2023年初めのピーク時には7,800万ものデイリーアクティブユーザー(DAU)数を達成しました。こうした成長を促進したのがワールドカップの熱狂と、ユーザーの共感を呼ぶシーズン途中のアップデートの両方です。それによってパワーユーザーの維持とロイヤリティーが強化されました。


このゲームのユーザーベースは多様化し、プレイヤーの45%近くを女性が占めるようになりました。これは、幅広いユーザー層にとってゲームが魅力的であることを反映しています。ワールドカップ後に収益が変動しながらも高いエンゲージメントが維持されたことから、ユーザーロイヤリティーの高さがわかります。ユーザーフィードバックの問題とともにマネタイズの課題が発生し、ユーザーの満足とアプリ内購入とのバランスを取るアプローチの必要性が強調されています。


重要ポイント:

  • 2022年のワールドカップが引き金となってFIFA Soccerのエンゲージメントが急増し、デイリーアクティブユーザー数が最高で7,800万に到達しました。

  • タイミングのいいアップデート(高度なパスの仕組みなど)によって、パワーユーザーの間でロイヤリティーと継続率が刺激されました。

  • マネタイズの課題があるにもかかわらず、アプリの訴求力の拡大(女性ユーザーベースが45%を占めるなど)が収益の回復力に貢献しました。

人気のモバイルゲームであるFIFA Soccerは、2022年のワールドカップ期間中にユーザーエンゲージメントの比類なき急増を経験し、これがプラットフォームの重要な転機となりました。大会前の数日間から現在まで、このアプリはさまざまな面で目覚ましい成長を遂げており、このことが、戦略的なアップデート、ユーザー層の拡大、イベント後のユーザーロイヤリティーの影響を裏付けています。


ワールドカップの熱狂がエンゲージメントの急増を推進

2022年の11月から12月にかけて行われたワールドカップが起爆剤となり、FIFA Soccerのエンゲージメントが急上昇しました。FIFA Soccerのデイリーアクティブユーザー数(DAU)は大会前に徐々に上昇し始め、開幕日には3,800万に達しました。エンゲージメントの高まりは大会期間中継続し、大会終了後も拡大しました。2023年1月には、最高で7,800万DAUという驚異的な数字を記録しました。このエンゲージメントの急増と時を同じくして、このアプリでFIFAワールドカップベストイレブンが発表されました。


パワーユーザー継続率の増加

FIFA Soccerが経験したこの出来事の非常に大きな成果として、パワーユーザー(このアプリを1ヵ月に15日以上使用するユーザーと定義)の継続率が飛躍的に増加していることが挙げられます。このユーザー層は非常に重要です。エンゲージメント期間の拡大によって、アプリ内購入率が高くなる可能性があります。パワーユーザーの急増が始まったのは、高度なパスの仕組み、最新の実況解説、最新の選手ロスター、刷新された視覚的要素を導入した、シーズン途中のアプリアップデート(2022年11月)の後からです。このアップデートはユーザーの深い共感を呼ぶものだったようで、結果としてロイヤリティーが強化されました。


ユーザーベースの多様化と女性ゲーマーの増加
FIFA Soccerはユーザー層における重要な段階に到達しました。2022年初めには全ユーザーの3分の1でしかなかった女性の割合が、現在はユーザーベースの45%近くを占めるまでになりました。この増加の要因として考えられるのは、FIFA 23で初めて女子クラブが導入されたことであり、これは女子サッカーへの関心が大きくなっていることを示しています。特筆すべきは、35~44歳の女性の間でエンゲージメントが急増したことであり、このゲームが幅広い年齢層にとって魅力的なものであることを示しています。この成長を続けるユーザー層に対応するために、FIFA Soccerは、拡大する女性ユーザーベース固有の関心に合わせた戦略の調整を検討する可能性があります。


持続する収益の増加

FIFA Soccerの収益はワールドカップの開始と同時に急増し、2023年2月には1,750万ドルに達しました。その後数ヵ月で収益は鈍化し、2023年4月までに1,100万ドルまで下落したものの、収益水準はワールドカップ前の水準を上回ったままです。収益に対するこのイベントの影響が維持されたことと、一様に高いユーザーエンゲージメントが相まって、イベント終了のずっと後のモバイルアプリの使用に対して、実世界のイベントの潜在的な影響があることが実証されています。戦略的なアプローチにより、モバイルゲームはイベントを利用して大きな(および持続的な)成功を収めることができます。 


マネタイズの課題とユーザーフィードバック

同作は素晴らしい数字を達成しましたが、課題がなかったわけではありません。アプリ内の市場での選手およびアイテムの売買に関連する否定的なレビューの数が、2023年2月下旬から3月下旬までの期間に急増しました。ユーザーは選手の売却の難しさと、発生した技術的なエラーについて懸念を示しました。こうした否定的なフィードバックの急増と時を同じくして、このアプリは2021年以来最長の収益減少に見舞われ、3週連続で支出が減少しました。マネタイズへの影響の全容は依然として定かではありませんが、このエピソードで強調しているのは、これまでの成功によって獲得した利益を失わないように、ユーザー満足の維持とアプリ内購入の最適化との間で微妙なバランスを取ることが重要だという点です。


結論として、2022年のワールドカップから現在までにFIFA Soccerが辿った過程は、競争の激しいゲーム業界でこのアプリが適応し、共感を呼び、成長を遂げたことを証明しています。エンゲージメントに対するワールドカップの影響は明白ですが、同様に重要なのがユーザーを魅了する戦略的なアップデート、ユーザーベースの多様化、収益が不安定な中でユーザーエンゲージメントを維持するときのプラットフォームの回復力です。


データおよび分析の詳細については、レポート全文をお読みください。


詳細情報は弊社ウェブサイトに記載しています:

https://sensortower.com/ja/blog/fifa-soccer-engagement-monetisation-2023-report-JP


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Sensor Towerの紹介

2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、Twitter、Unity、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業から信頼されている、データや分析環境を提供する企業です。モバイル市場のトレンド把握に役立つストアインテリジェンス、広告戦略の最適化に活用いただける広告インテリジェンスなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

Sensor Towerは、Pocket Gamer Mobile Games Awards 2022において、Best Analytics / Data Tool賞を受賞しました。


日本オフィスは2023年夏より東京・日暮里に移転、日本でのビジネスを強化しており、パートナー企業様も急増中です。弊社スタッフも増員しながらお客様のサポートもより強化していく所存です。

Sensor Tower 日本オフィス代表

谷内 照吾(Shogo Yachi)



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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
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代表者名
Oliver Yeh
上場
未上場
資本金
5億6000万円
設立
2013年06月