ZACROS、軟包装向け積層フィルムのリサイクル技術を開発
軟包装フィルムから高品質なリサイクル材を生み出す層分離・印刷インキ除去技術
ZACROS株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:下田 拓、以下ZACROS)は、軟包装向け積層フィルム(※1)から接着剤と印刷インキを同時に除去する技術を開発しました。この技術により、積層フィルムから高品質なリサイクル材の製造が可能となります。当社はこの技術を用いた水平リサイクル(※2)の実現を目指し、循環型社会へ貢献します。
■開発の背景
日用品のつめかえパウチなどに使用されるフィルムは、複数の素材のフィルムを接着剤で貼り合わせた積層品であり、内容品を適切に保護する役割を果たしてきました。しかしながら、積層されたフィルムを各素材に分離し高品質なリサイクル材として再生することは難しく、これまではサーマルリカバリー(熱回収)や廃棄処理が一般的でした。
一方、世界的には環境問題への意識の高まりから、容器包装のリサイクルに関する規制が強化されています。EUではリサイクル材の使用を義務付ける規則が施行され、国内でもプラスチックの資源循環を促進させる法律が施行されました。
当社はこうした社会的要請に応えるため、積層フィルムの高品質リサイクル技術の開発に取り組んでいます。
■層分離・印刷インキ除去技術の開発について
積層フィルムを高品質にリサイクルするためには、層間の接着剤を除去し各層に分離させ、印刷インキの除去を行うことが必要です。当社は、この技術的課題を解決する独自の技術を開発しました。

本技術は以下の特長を持ち、積層フィルムに関する課題を解決します。
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特殊な接着剤等が不要:現在流通している一般的な軟包装向けフィルムに適用
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効率的な処理 :独自に開発した溶液を使用し、接着剤と印刷インキを同時に除去
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高品質なリサイクル材:本技術で処理した素材から製造したフィルムは、バージン材(※3)と同等の強度
■今後の取り組み
当社は、本技術を用いた軟包装向け積層フィルムのリサイクルシステム構築を進めており、2027年度までに社会実装することを目標としています。
■サステナブル社会に向けたZACROSの取り組み
当社は、『持続可能で豊かな未来の創造』を重要課題の1つとして位置づけ、環境配慮と生活の豊かさを両立する社会の実現に取り組んでいます。今回開発した層分離・印刷インキ除去技術は、軟包装に使用されるプラスチックを「資源」として循環させる取り組みの一環です。当社はこの技術を活用し、高品質なリサイクル材およびそれを用いた製品を社会に提供することで、循環型社会の実現に貢献してまいります。
※当社のサステナビリティへの取り組みの詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。
■「第27回インターフェックス ジャパン」について
本技術は、下記の展示会でご紹介いたします。
名称 :「第 27 回インターフェックス ジャパン」
(第 27 回インターフェックス Week 東京[医薬品][化粧品]研究・製造展内)
会期 :2025 年 7 月 9 日(水) ~ 11 日(金) 10:00~17:00
場所 :東京ビッグサイト 西ホール 1F 小間番号 W9-76
来場事前登録:こちらから
■関連ニュースリリース
「第27回インターフェックス ジャパン」に出展 ー国産シングルユース製品を紹介するセミナーも同時開催ー (2025/6/9)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7917/tdnet/2636555/00.pdf
■本件に関するお問い合わせ先
ZACROS株式会社 経営戦略部 広報グループ
URL: https://www.zacros.co.jp/contact/
※1 積層フィルム:強度、バリア性、シール性などの異なる機能を持つ各種フィルムを貼り合わせたもの。複合的な品質要求を満たすことができ、食品包装や日用品のつめかえパウチなどに広く使用されている。
※2 水平リサイクル:使用済み製品を同じ用途の製品に再生利用すること。本技術では、軟包装フィルム由来のリサイクル材を再び軟包装へ利用することを目指している。
※3 バージン材:新品の素材のみを使用している材料。
以上
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