生成AIの導入が最も遅れているのは医療・福祉と意外なあの業界
AI活用率世界最下位の日本は、この1年でさらに導入率が減少。回答精度への懸念が大きく、専門性の高い業界での活用が遅れている。
JetB株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:竹内勇人、以下「JetB」)は、全国の企業経営者・役員・会社員を対象に、生成AIの導入率に関するアンケート調査を実施しました。
調査背景
近年、AI技術の進展に伴い、業務への導入が各国で進んでいます。しかし、海外と比較すると日本におけるAI導入率は低い状況です。MicrosoftとLinkedInが2024年5月に公開したデータによれば、職場でのAI利用率は世界全体で75%であるのに対し、日本では32%に留まっています。
参考:Microsoft,LinkedIn. “2024_Work_Trend_Index_Annual_Report”
※1:知的なスキルや判断力、専門知識を用いて業務を行う人。エンジニアやコンサルタントなどが含まれる。
生成AIは多くの業務を効率化し、今後の経済成長に大きく関わる技術です。このまま導入が遅れると日本企業の競争力低下につながるリスクがあります。
こうした課題を受け、JetB株式会社では、日本企業のAIに対する認識や業種別の活用状況を把握するための調査を実施しました。調査結果をもとに商品の開発やAI導入支援サービスの改善を行い、多くの企業にAIを活用してもらうことを目的としています。
調査概要
調査時期:2024年10月24日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の経営者・役員・会社員100人
調査結果
この1年で生成AIの導入率は全く伸びていない
最新の導入率を調査すべく、独自でAIの活用状況を調査しました。
生成AIを業務に導入している企業は22%でした。MicrosoftとLinkedInが公開した32%という数値に比べ10%低い結果です。また、2023年にJetB株式会社が調査した際は24%であり、同条件での調査結果を比べても、1年間で導入率は2%減少しています。
これは話題性に惹かれて導入したものの、期待した成果が得られずに利用をやめてしまったなど、さまざまな理由が考えられます。高度なプロンプトや実際の活用事例を知らないまま利用し、上手く使いこなせなかった利用者も一定数いたのではないかと推察できます。
「生成AIを業務に導入していない」と答えた業界は「医療・福祉」「ソフトウェア」で特に多い
続いて、現在生成を活用しておらず、導入予定もないと回答した企業に対して、所属業界について質問しました。
調査の結果、「現在生成AIを導入していない」と回答した企業は、「医療・福祉」業界で多く見られました。生成AIは間違った回答を生成してしまう「ハルシネーション」が課題として挙げられています。「医療・福祉」の業務は責任が大きく、人の生命に関わることも多いため、導入には慎重になっていると考えられます。
「医療・福祉」と並び、ソフトウェア業界も8.8%含まれていました。ソフトウェア業界での生成AI導入が遅れている背景には、熟練エンジニアがコード品質やセキュリティに強いこだわりを持っている点が挙げられます。生成AIは高度なプログラミングが可能であるものの、制御の難しさやハルシネーションに対する懸念が導入の妨げとなっているのです。また、社内システムとの互換性や、バグ発生時の責任の所在が不明確である点もリスクとして捉えられていると考えられます。
約30%の企業が「情報の正確性」に不安を感じている
続いて、AIを導入していない企業に対して、生成AIのどのような点に不安を感じているのかについて調査しました。
調査の結果、生成AIの導入に際して企業が抱える主な不安として、情報の正確性や信頼性が全体の29.4%を占めていることがわかりました。「生成AIはもっともらしい嘘をつくと聞いている」「AIを使った作成物のクオリティと信憑性に疑念がある」といった声が挙がっており、AIが誤情報を生成するリスクや、フェイク情報が広まる可能性に対してリスクを感じていると考えられます。
次いで、コスト面に対する懸念が11.8%に上りました。「コストパフォーマンスに疑問がある」「生成AI導入には初期投資がかかるため、その費用対効果を見極める必要がある」といった声が見られ、AIが実際にどの程度の効果を生むのか、慎重に判断する企業が多いようです。
セキュリティに関しても、「乗っ取られることが不安」「過去の情報漏洩事例が心配」といった声が寄せられ、11.8%の企業が問題視しています。特に、機密情報を扱う業界やセキュリティに厳しい業種で強い不安要素となるでしょう。
また、操作性や活用面での不安も11.8%見られました。「効率の良い使用方法がわからない」「使いこなせるか不安」などの意見が挙げられています。生成AIを導入しても十分に活用できず、かえってコストや時間を無駄にするのではないかと感じる企業が一定数いるようです。
生成AIの活用を促進するには「正しい知識」をつけることが大切
しかし、企業が抱えるこれらの不安は、最新のAIに対する正しい知識があれば、解消できるものが多いといえます。まず情報の正確性や信頼性に関しては、AIモデルの精度が飛躍的に向上している点を見過ごせません。昨今の生成AIは、膨大なデータによる精度の強化が進んでいるうえ、Web検索で最新の情報を参照する能力も備えています。意図的に誤情報を生成することさえ難しくなってきており、もはや1年前の生成AIとは別物です。企業の認識が最新のAIの実力に追いついていないのが現状といえるでしょう。
また、マッキンゼーの調査が示す通り、生成AIの導入は中長期的に大幅な生産性向上とコスト削減をもたらす可能性があります。レポートによれば、生成AIの活用による業務効率化や、付加価値の向上により、AIへの初期投資は十分にリターンが見込まれるとされています。したがってコストに対してシビアな企業ほど、生成AIは早急に導入すべき技術です。
参考:McKinsey & Company. “生成AIがもたらす潜在的な経済効果”
セキュリティ面についても、適切な対策を講じればリスクは十分に軽減可能です。生成AIに限らず、すべてのWebサービスは適切なセキュリティ対策が不可欠であり、生成AIだけが特別に脆弱というわけではありません。情報の流出に懸念を持っている企業も一定数いますが、ほとんどの生成AIは学習リスクなしで利用することも可能です。情報漏えいのリスクを理由に生成AIを導入しないのは、適切な判断とは言い難いでしょう。
AIの正しい知識が身につく研修サービス「AI Switch」のご紹介
本調査を通じて、AIに対するリテラシーの向上が、日本のAI導入率を引き上げる可能性が浮き彫りになりました。企業が不安視している、情報の正確性やコスト、セキュリティリスクは、正しい知識さえあれば本来導入の障壁にはなりません。AIの知識を学べる場さえあれば、導入に前向きになる企業は多いでしょう。
JetB株式会社では、AIに関する幅広い知識を提供する研修サービス「AI Switch」を提供しています。本サービスは、生成AIの基礎から応用事例に至るまで、実践的な内容が豊富に盛り込まれたプログラムです。研修の前後でAIの見方は大きく変わり、業務効率化や人材不足などの課題に対し、AIを活用したアイデアが思い浮かぶようになります。
また、「AI Switch」は厚生労働省の「人材開発支援助成金」の対象サービスです。DX・デジタル化を推進する「事業展開等リスキリング支援コース」の申請要件を満たせば、なんと最大75%・1億円もの助成金を受けながら受講可能です。最低受講人数の制限もないため、企業規模に関係なくご活用いただける助成金となっております。ただし本コースは厚生労働省が期間限定で行っている制度です。お得にAI研修を受講したい事業者様は、お早めにご相談ください。
※助成金の対象となるためには条件があります。
最新技術に早く適応した企業が、より多くの利益を確保できるのは言うまでもありません。活用の第一歩として、ぜひ「AI Switch」をご検討ください。具体的なサービス内容やご予約は、以下のフォームからお気軽にお問い合わせいただけます。
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