ツインバード が WHO(世界保健機関)のPQS(医療機材品質認証)を取得

該当(※1)カテゴリーで日本初、全カテゴリーでは国内3例目(※2)「SC-DF25P ディープフリーザーP 」(原産国/日本) 2024年10月8日

株式会社ツインバード

SC-DF25P(ディープフリーザーP)

株式会社ツインバード(代表取締役社長 野水重明 本社:新潟県燕市)は、ワクチンを適切な温度で保管するための冷凍庫に対して、世界保健機関(以下、WHO)が定める医療機材品質認証(Performance, Quality and Safety、以下、PQS)を、2024年10月に取得しました。
SC-DF25P(製品名:ディープフリーザーP)がWHOのPQSカタログに掲載され、今後各国で医療機材を選定する際の基準となります。PQS認証のカテゴリー:E003 ワクチン冷凍庫・ワクチン冷蔵庫においては日本初、また全カテゴリーを通じても国内3例目となります。

  • 背景

ワクチンには、感染症を予防し、重症化を防ぐためだけでなく集団免疫効果にも重要な役割があります。UNICEFの基幹報告書「世界子供白書2023」によると、ワクチンにより1990年には年間1,250万人だった世界の5歳未満児の死亡数は、2021年には500万人まで減少し目覚ましく改善しています。ワクチンが世界中に行き渡ることで更なる改善が期待される一方で、多くの途上国では依然としてワクチン接種を円滑に実施するためには、ワクチンを冷凍冷蔵する設備や搬送体制を完備することが課題となっています。

SDGsの「すべての人に健康と福祉を」に貢献するため、ツインバード独自の冷却技術であるFPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)冷凍機を搭載した冷凍庫を用いて、地球規模の社会課題解決に向けた取り組みを推進するうえで、2021年から準備を開始し国際規格であるWHO PQS認証の取得を推進してまいりました。申請に至る背景には、2つの大きな実績がありました。

  1. 国内ワクチン運搬庫供給の実績
    2021年に、新型コロナウイルス感染症予防のため、ワクチンを低温かつ一定温度で運搬できるSC-DF25WL(製品名:ディープフリーザー25L、SC-DF25Pの類似機種)を、厚生労働と武田薬品工業株式会社へ約12,000台納品しました。主に職域接種で全国各地の自治体や企業でお使いいただき、製品への信頼性を獲得しました。

  2. 途上国向けワクチン運搬庫供給の実績

    外務省と国際協力機構(以下、JICA)が手がける「ラスト・ワン・マイル支援」に参画。東ティモールへの出荷を手始めに、モザンビーク、セネガル、モンゴル、パレスチナへ製品を送り出しました。

これらの実績をもとに、JICA(国際協力機構)やWHO(世界保健機関)などの国際機関を通じて、ワクチン接種が遅れるアジアやアフリカなどの地域でのコールドチェーン構築に貢献したいと思います。

(※1) 2024年10月現在、PQS認証のカテゴリー:「E003 ワクチン冷凍庫・ワクチン冷蔵庫」において (※2) 2024年10月現在、全カテゴリーを通じて

保冷輸送・保管モデル(SC-BV25) 写真提供:JICA

 


■WHO 医療機材品質認証(PQS)とは

WHOの医療機材品質(PQS:Performance, Quality and Safety)認証とは、WHO認可による医療機材の認証制度です。PQSを取得した医療機材は、UNICEFやGAVI(※3)などの国連関係機関をはじめ、大手NGOや慈善団体等が、途上国等で使用される機材選定基準となります。。

今回、ISO規格(ISO9001:品質マネジメントシステム規格およびISO14001:環境マネジメントシステム規格)やIEC(欧州規格である製品の安全規格)を取得して初めてPQS認証の申請が可能になり、シンガポールでの試験を経て認証取得となりました。

本件は、新興国・途上国等の医療水準の向上に貢献しつつ、高品質な日本の医薬品、医療機器等の国際展開を推進することを目的とした、厚生労働省の補助事業(WHO事前認証および推奨の取得並びに途上国向けWHO推奨機器要覧掲載推進事業)の採択を受けた案件です。

(※3)GAVI:GAVIアライアンス(The Global Alliance for Vaccines and Immunization)は、予防接種プログラムを通じて、子どもの健康の向上を図る同盟。先進国や途上国の政府、国際機関、国際NGO、研究機関、ワクチン関連企業などが参加している。

■FPSC ( フリー・ピストン・スターリング・クーラー ) 技術の優位性

独自の冷却技術であるスターリング冷凍機は、小型で-30℃~-40℃の温度帯、-80℃以下の温度帯において、同サイズのコンプレッサと比較して冷凍能力が高いという優位性があります。

  1. 厳密な温度制御:コンプレッサなどによる従来の冷却方式と比べて、マイナス数十度の超低温でも1度単位で温度が制御できます。

  2. 極低温領域への適用:極低温領域まで冷却が可能です。

  3. コンパクト・ポータブル:小型で振動にも強く、可搬性に優れています。

  4. 環境にやさしい:冷媒にはヘリウムガスを使っており、また省エネルギー・低発熱であるため環境にやさしい技術です。

  5. 宇宙での利用実績、高い技術力と信頼性:これらの優位性が高く評価され、国際宇宙ステーションにおいて現在でも使用されています。高い技術力と信頼性の証です。

スターリング冷凍機が「シンプルな構造」と言われながらも実現が難しい要因の一つには、求められる精度の高さがあります。約150点の部品で構成され、核となるエンジン部分のシリンダーとピストンの隙間はわずか0.01mm。「自動車エンジンの10倍の精度」が必要となります。世界有数の金属加工の町として歴史が長く、技術が蓄積されている新潟県燕三条地域だからこそ実現できた技術です。

■今後の展開

事業を通して世界の人々の健康と、持続可能な社会づくりに貢献いたします。

FPSC事業においては、現在、「医療・バイオ、化学・エネルギー」、「計測・環境」、「食品・流通」の4つの分野で、日本をはじめ北米や欧州を中心に需要開拓を進めておりますが、特に年率9.6%成長と拡大基調にある医薬・バイオの分野に注力をしてまいります。バイオ医薬品の搬送や保管には、厳密な温度管理(冷凍-20~-40℃ 極冷凍-70~-85℃)のコールドチェーン構築が不可欠です。バイオ医薬品コールドチェーン参画に向け、マーケティング活動を強化しており、これまでのワクチン(予防薬)に加え、今後の成長が見込まれる生物由来の治療薬(抗体医薬品、細胞治療薬、遺伝子治療薬など)の医薬品グローバルコールドチェーン市場への事業展開を推進しております。

海外展開としては、今回のPQS認証取得の実績を通じて、UNICEFなど国連関係機関をはじめ、大手NGOや慈善団体の機材選定基準を満たすことで、ワクチン運搬庫の海外販売を拡大してまいります。

「VISION 2030」で掲げる「FPSC事業の目指すべき姿:世界の人々の健康と、持続可能な社会づくりに貢献する!」のとおり、新型コロナウイルス用ワクチン運搬庫で立証されたスターリング冷凍機の高い信頼性のもと、成長するグローバルコールドチェーン市場に向け、世界の人々の健康と、持続可能な社会づくりに貢献いたします。

(※4)参考:Evaluate Pharma, Worldwide Prescription Drug & OTC Sales by Technology (2012-2026)

■SDGsへの取り組み

グローバルコールドチェーンのスタンダード技術を目指して

お客様と“一対の鳥”となって羽ばたきたい、ツインバード製品をお使いになるお客様の喜びが私たちの喜びであるという思いを社名に込めたように、ツインバードは、事業を通じてステークホルダーズの皆様との結びつきを深めてより豊かな社会、ひいてはSDGsの実現に寄与していきたいと考えております。
当社は SDGsの一つである「すべての人に健康と福祉を」の達成に向けて、国内外のネットワークを通じ、グローバル規模での最新技術に基づくコールドチェーンの構築や医療サービスの拡充に参画し、当社スターリング冷凍技術が医療分野でスタンダードの一つとなるよう取り組んでまいります。

今回の取り組みを通じて関連し得るSDGsゴール

  • ワクチンをはじめとする医薬品の輸送に適しており医療の高度化に寄与。

  • 地球温暖化係数ゼロのヘリウムガスを冷媒に使用し環境負荷を軽減。

  • 地元燕三条の技術と職人のネットワークを活用した製品開発。


製品仕様

製品名: ディープフリーザーP

品 番 : SC-DF25P

原産国: 日本

PQS認証番号: E003/141

製品分野:  Vaccine Freezer ワクチン冷凍庫

参考価格: US$ 2,500

付属品:温度ロガー、温度ロガーデータケーブル、ACアダプター、AC電源コード、鍵、 内蓋、マット、取扱説明書

製品外形寸法 :695mm(W)×350mm(D)×460mm(H)

内容量(ワクチン保管容量):15L

製品質量:約16.5kg(製品のみ)

庫内温度安定時の消費電力量 :1.01kWh/24h

冷媒 :Helium ヘリウムガス

気候区分 :Hot-zone 熱帯対応

最高使用温度 :+43℃

最低使用温度 :+0℃

温度保持時間 :78min


ものづくりの土壌、燕三条。

燕三条(新潟県 燕市・三条市)は、金属加工技術で知られ、日本を代表するものづくりの町です。わたしたちは、時代変化に寄り添い、新たなニーズに応えつづける燕三条の職人たちと共創することで、感動や快適を生み出すものづくりを目指しています。

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会社概要

URL
http://www.twinbird.jp/
業種
製造業
本社所在地
新潟県燕市吉田西太田2084-2
電話番号
0256-92-6111
代表者名
野水重明
上場
東証スタンダード
資本金
-
設立
1962年04月