【10/19は国際生理の日】テックドクターの研究事例発表:ウェアラブルデバイスを用いた女性の生理周期に関連するバイタルデータの分析
ウェアラブルデバイスのデータから生理周期に基づく個別化ヘルスケアの可能性を探る
株式会社テックドクター(代表取締役:湊 和修、本社:東京都中央区、以下「テックドクター」)は、2024年10月19日の国際生理の日に合わせて、女性の生理周期に伴うバイタルデータの変化に関する社内研究事例を発表します。
先行研究において、女性の生理周期が体温、脈拍、睡眠などのバイタルサインに影響を与えることが確認されています。今回、テックドクターの研究では、市販の腕時計型ウェアラブルデバイス(Google Fitbit)を用いて十数名の女性から生理周期に関連するデータを取得し、各周期における生理的変化を追跡しました。データからは、生理周期のタイミングや、月経痛の有無によるバイタルデータの差異が確認されました。
今後は、これらのデータを基にさらに詳細な研究を進めることで、個々の女性が自身の体のリズムをより深く理解し、生理に関連したヘルスケアの選択肢を広げることが期待されます。また、この知見を活かし、月経前症候群(PMS)や月経困難症のデジタルバイオマーカー(※)を開発し、早期発見や適切なケアに繋げることを目指しています。
具体的な研究結果
参加者:テックドクターの女性社員 12名
データ取得期間:2023年12月〜
取得データ:Google Fitbitによる睡眠・活動・脈拍等のデータ、月経周期や体調の自覚についてのアンケート
<事例1> 月経期・卵胞期・黄体期におけるウェアラブルデバイスデータの特徴
図1は、ある女性の生理周期3回分におけるウェアラブルデバイスで取得した安静時心拍数のデータを示したグラフです。自己申告による月経期間と照合したところ、月経期が始まると月経終了日に向けて安静時心拍数が低下し、卵胞期を経て黄体期に向かって再度上昇していく周期性が見られます。月経周期に合わせて基礎体温が周期的に変動することが知られていますが、今回のグラフから安静時心拍数も月経周期に関連した周期性がある可能性が示唆されました。
<事例2> 月経痛の有無によるウェアラブルデバイスデータの違い
本研究では、月経期間中に痛みがあった際にアンケートを実施し、痛みの度合いを「全く感じない」から「非常に強く感じる」までの5段階で回答してもらいました。複数の月経期間における痛みの度合いと持続時間の回答結果をもとに、痛みが強い人と弱い人に分け、それぞれのバイタルデータにどのような違いがあるかを分析しました。
図2は月経痛の度合いが強い人、図3は痛みが弱い人の安静時心拍数のデータを示しています。それぞれのボックスは、(1)月経期/痛み無し、(2)月経期/痛み有り、(3)卵胞期、(4)黄体期 の安静時心拍数を示しています。
この結果から、痛みの度合いが強い人は、生理周期に伴う安静時心拍数の変動が大きく、痛みの度合いが弱い人は比較的安定していることが確認されました。
上述の事例はいずれも特定の個人のデータであり、あくまで一例に過ぎません。しかし、今後、より長期間かつ複数人のデータを分析することで、生理周期の傾向や痛み・辛さをウェアラブルデバイスのデータで把握できる可能性が示唆されています。
さらに、テックドクターは、月経前症候群(PMS)や月経困難症などの疾患に対するデジタルバイオマーカー(※)を開発し、早期発見や適切なケアに繋げることを目指してまいります。
分析の詳細は、データサイエンティストによるブログ記事をご覧ください
女性にとって、自分の体調が「わかる」未来を目指して〜Ladynamicプロジェクトのご紹介〜
https://techblog.technology-doctor.com/entry/ladynamic
テックドクターについて
株式会社テックドクターは、"データで調子をよくする時代へ"をビジョンに掲げ、医療・製薬・食品関連企業等や研究機関向けのデジタルバイオマーカー開発プラットフォーム「SelfBase(セルフベース)」を展開しています。
医学部での研究活動を背景とした医学的視点と、各種ウェアラブルデバイス等のAPI開発パートナーとして培ったデータ解析の技術力とを組み合わせて、あらゆる人々の健康やウェルビーイング向上に貢献していきたいと考えています。
【会社概要】
会社名 :株式会社テックドクター
WEB :https://www.technology-doctor.com/
設立日 :2019年6月21日
所在地 :東京都中央区京橋二丁目2番1号 京橋エドグラン4階
代表取締役:湊 和修
事業内容:デジタルバイオマーカー開発プラットフォーム「SelfBase」の開発および運用、デジタル医療ソリューションの提供
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)に関する国際規格「ISO/IEC 27001:2022」の認証を取得しています。
※デジタルバイオマーカー(dBM)とは
ウェアラブルデバイス等のデジタル機器のデータを活用し、疾患の有無や進行状態、治療や介入による中長期の変化などを客観的に確認するための指標のことです。
これまでは、医療機関にかかった際の "点のデータ" が中心だったのに対し、デジタル技術の進歩により、負荷なく日常的に長期的かつ連続的な"線のデータ" が取得できるようになりました。 医療機関外の日常生活における運動・睡眠・心拍などのデータが取得できれば、状態の変化をより細かく把握することができ、一人ひとりに合わせた最適なケア(個別化医療)も可能になります。
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