【産学連携】プラズマグリーン農業研究で世界をリードする九州大学とwelzo、独自技術により8,000億円市場の有機肥料に対しCO₂ 排出の少ない窒素肥料を開発へ 持続可能な農業を目指す共同研究スタート

株式会社welzo

welzo研究農場(福岡県福岡市西区今津)

 農業と園芸のイノベーションカンパニーwelzo(本社:福岡県福岡市博多区/代表取締役社長 金尾佳文)と、プラズマアグリ研究で世界をリードする九州大学プラズマナノ界面工学センター(センター長:白谷正治教授、キャンパス:福岡市西区元岡)は、持続可能な農業への新しいアプローチとして、プラズマグリーン農業研究の社会実装に向けた共同研究を開始しました。この共同研究は、プラズマ技術を活用して農業生産性を向上させる取り組みです。

空気中の窒素を活用した「プラズマグリーン農業技術」により持続可能な農業を目指す

  

 九州大学とwelzoは、空気中の窒素を利用した新しい肥料の製造技術である「プラズマグリーン農業技術」を活用し、CO₂排出の少ない持続可能な農業の実現を目指します。世界的な人口増加に伴い、肥料原料の不足が予想される中、この技術は持続可能な農業の未来を切り拓く画期的なものとなります。また、1年以内にPoCとして実用化を目指し、今後農業における窒素の国内自給率を劇的に高める可能性があります。 

実用化イメージ

窒素はほぼ全量97.5%が輸入依存でありその生産工程は環境負担も大きい

 農業における三大栄養素は窒素、リン酸、カリウムであり、窒素についてはほぼ輸入(97.5%)に依存しています。特に窒素は植物の成長に欠かせない要素で、クロロフィルの生成や光合成、タンパク質やDNAの構成要素として重要です。しかし、現在利用されている窒素肥料(尿素)の生成方法であるハーバー・ボッシュ法は、高温高圧の環境下で大量のエネルギーとCO₂を消費するため、環境負荷が大きいという課題があります。また世界の有機肥料市場は8,000億円あり、有機肥料市場の拡大及び世界的な人口増により今後その市場は拡大していくことが予想され、世界的な肥料の争奪戦になる可能性もあり国内で肥料そのものを生産拡大させていくことは食料自給率を上げていくためにも極めて重要なステップです。

プラズマグリーン農業共同研究内容

●    研究内容:プラズマグリーン農業研究の社会実装に向けた共同研究

●    目標:化石燃料に依存しない肥料や培土、およびそれらを製造する機械装置の開発

●    期間:令和6年4月1日~

●    実施場所:welzo研究農場(福岡県福岡市西区今津)※新たにハウスを建設

 九州大学とwelzoの共同研究は、スマート農業の推進にも寄与し、持続可能な農業の実現を目指します。今回の技術は、日本全国どこでも生産可能な画期的な技術であり、環境負荷の低減と農業生産性の向上に貢献します。

welzo研究農場 新ハウス(福岡県福岡市西区今津)
古閑一憲(九州大学大学院システム情報科学研究院/プラズマナノ界面工学センター 教授)

【古閑一憲(九州大学大学院システム情報科学研究院/プラズマナノ界面工学センター 教授)より 】

 私は2010年ごろからプラズマ技術の農業応用研究に携わってきました。プラズマ技術は、半導体デバイス製造やその他様々な産業の基盤技術として社会を支える存在です。プラズマの中では、室温程度で化学反応を高い活性で起こすことができます。この原理を利用し、空気中でプラズマを発生させることで、空気を原料に窒素肥料をつくることができます。本成果について、welzo様と出会い、情報交換する中で今回の共同研究に発展しました。我が国における肥料自給を持続可能な形で実現するため、九州大学のシーズと同社の知見を融合させた、新しい農業資材の開発を目指します。

古賀正治(株式会社welzo Biz Promotion Division アグリビジネス課次長)

【古賀正治(株式会社welzo Biz Promotion Division アグリビジネス課次長)より】

 現在、日本国内で使用される農業用肥料は、ほぼ全て海外に依存しており、国産は尿素(窒素肥料)のみで極僅かしか生産されていない状況です。今後、予想される世界人口の増加、食糧不足に加え、肥料原料の不足は、農業分野において深刻なの影響を及ぼします。この非常に大きな課題を解決するため、九州大学の古閑教授が研究されているプラズマ技術を活用することで、環境にやさしいクリーンな国産肥料の開発に取り組み、日本や世界における持続可能な農業の実現を目指していきたいと考えています。

 2022年より、welzoと九州大学は、少子高齢化による農業従事者の減少や安定的な食糧の確保などの課題解決に向けて、労働力の軽減と安定的な供給を可能にするスマート農業の共同研究として、「キュウリの自動栽培システム」の開発を進めています。

welzo研究農場(福岡県福岡市西区今津)

 日本の農業は、高齢化、後継者不足やそれに伴う耕作放棄地の増加や経営問題、また効率的な生産と農産物の安定供給、価格変動などさまざまな課題があります。この二つの共同研究が、社会課題解決に向けた一助となり、持続可能な農業の発展と地域社会の活性化に寄与すべく活動してまいります。

【九州大学プラズマナノ界面工学センター  概要】

  プラズマとナノ界面の相互作用を解明し制御できれば、従来実現できなかった高度なナノ材料・ナノ構造の創成に爆発的な発展をもたらします。本センターでは、プラズマとナノ界面の相互作用に関する基礎と応用に関する体系的研究を推進し、国際的中核研究拠点を確立します。ドイツ、韓国等の海外の大学・研究機関を含む国内外の産官学との共同研究および双方向国際教育を推進します。国内外の優秀な学生を受け入れて世界を牽引する人材に育成し、世界の産官学に供給することにより、九州大学の世界的研究教育拠点化の一翼を担います。

研究担当者:古閑一憲(九州大学大学院システム情報科学研究院/プラズマナノ界面工学センター 教授)

研究担当者:田中学(九州大学大学院工学研究院 准教授)

【welzo研究農場概要】

 当研究農場(福岡県福岡市西区今津)は敷地面積約1,000坪の中にビニールハウスを5棟構え、施設内に設置した高性能カメラや各環境測定機器から得られるデータで日々作物の生育状況を評価しています。現在は九州大学とともに、「キュウリの自動栽培システム(収穫量50t/10a)」の開発に着手しており、蓄積したデータをもとに植物の生育にとって最適な環境条件(温度や湿度など)や栄養条件(水や肥料など)を導き出し、最終的にはAIによる一貫した栽培管理を行うこと目指し、今後は施設園芸全般の作物を対象にしたスマート農法及び資材の開発を進めていきます。また、研究段階で収穫した作物には販売ルートを設けず、社内や地域へ配布や子どもたちの収穫体験機会とするなど、地域貢献へも努めています。

■収穫後のキュウリの活用についてのニュースリリースは、こちら

https://www.welzo.co.jp/news/20240620/

■チャイルドハートとの収穫体験についてのニュースリリースは、こちら

https://www.welzo.co.jp/news/20240216/

【株式会社welzo 概要】

 食・農業を通して、持続可能な社会と人々の暮しを豊かにする商品やサービスを提供する、農業資材・家庭園芸用品・飼肥料原料を中心に取り扱う専門商社です。2022年で創業 101 年を迎えたニチリウ永瀬は、2023年1月1日をもって、「株式会社welzo」に社名を変更。BtoB を中心としたビジネススタイルを築き、国内に21拠点を置いています。 社内外のビジネスパートナーと共創し、ITやAIの技術を活用しながら、日本が直面する課題にも積極的に取り組んでいます。 

本 社

福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目 14-3

代表者

代表取締役社長 金尾佳文

設 立

1952年8月(創業1921年8月)

資本金

470百万円

売 上

49,540百万円(2023年12月期)

事 業

農業資材・家庭園芸用品・飼肥料原料を中心に取り扱う専門商社

H P

https://www.welzo.co.jp/

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会社概要

株式会社welzo

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URL
https://www.welzo.co.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
福岡市博多区博多駅東1丁目14-3 第2サンライト東口ビル
電話番号
092-433-4456
代表者名
金尾佳文
上場
未上場
資本金
4億7016万円
設立
1952年08月