英国のNothing、2億米ドルを資金調達し、評価額は13億米ドルに
ロンドンを拠点とするコンシューマー・テクノロジー・ブランドのNothingは、シリーズCラウンドにおいて新たに2億米ドル(*約296億円)の資金を調達し、企業評価額は13億米ドル(*約1,924億円)に達しました。
この10年で唯一成長を遂げた独立系スマートフォンブランドであるNothingは、今回の資金調達により世界規模で成長を進めるためのビジネス基盤が整い、イノベーションをさらに加速し、AIネイティブプロダクトへの投資を強化します。
*1ドル=148円換算
Nothing CEO カール・ペイからのメッセージ全文を以下にご案内いたします。
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■未来を見据えたビジネス基盤
Nothingの創業時、スマートフォン事業を十分な規模に成長させ、コンシューマーテクノロジーにおける“ラストワンマイル”、すなわちユーザーとの接点を押さえることが、次のテクノロジーの大きな転換期に有利なポジションを築くために重要だと考えました。
当時はその転換期がどのようなものになるかわかりませんでしたが、今ではその機会が明確になっています。
数多くの高い品質のプロダクトをスピーディーに届けるためには、エンドツーエンドのビジネス基盤が不可欠だと考えていました。
多くの企業が挫折したように、ハードウェアビジネスは難しく、いくつもの課題があり、ほんのわずかな誤りが致命的となり得ます。
プロダクトをスピーディーに開発・製造・出荷する実行力と、コミュニティが直感的に惹かれる体験を創造する革新的なアプローチを兼ね備えたチームが必要でした。
今では、確固たるビジネス基盤を構築することができました。品質とコストが両立したグローバルサプライチェーン、受賞歴を誇るデザイン。
創業からわずか4年で数百万台のデバイスを出荷し、2024年には前年比150%の成長を遂げ、2025年初頭には累計売上10億米ドルを突破しました。
ビジネス基盤の構築は、これまでで最も困難で、最も意味のある挑戦でした。そして、この挑戦は、コミュニティのサポートなしでは実現不可能でした。
Nothingは今、他社が簡単には真似できないユニークなポジションを確立できています。
数ヶ月で新たなプロダクトを完成させる開発力、世界中で販売・サポートするオペレーション、そして私たちと共に創造を続ける世界中に拡がるコミュニティ。
わたしたちは、大手企業によくあるイノベーターのジレンマや官僚的な制約とは無縁です。そして、Nothingは新たな第2章へと歩みを進めます。
■進化するオペレーティングシステム
この18年間で、スマートフォンは生活に欠かせない存在となり、日々のあらゆるタスクを管理する最もパーソナルなツールへと進化しました。
広く普及したスマートフォンは、いつでも、どこでも、ユーザーが必要な情報に簡単にアクセスできる最強のコンシューマーデバイスです。
AI時代においても、スマートフォンは最も重要なデバイスのひとつであり続けるでしょう。
一方で、ここ3年でAIが飛躍的な進化を遂げるなか、スマートフォンのユーザー体験はほとんど変わっていません。
写真編集や翻訳、そしてあまり役に立っていない音声アシスタント機能など、スマートフォンのイノベーションのほとんどはユーザーにとって期待外れなものです。
AIの潜在能力を最大限に活用するためには、ユーザーが使うハードウェアプロダクトも、AIと同じスピードで進化する必要があります。
これこそが、Nothingが見出した大きなチャンスです。未来のOSは、現行のものとは大きく異なるでしょう。
OSはユーザーを深く理解し、一人ひとりに合わせて高度にパーソナライズされます。
ユーザーインターフェースはニーズや状況に応じて動的に変化し、自然なかたちで最適な提案を行い、必要があればAIエージェントが実行してくれます。
あなたの代わりにAIがサポートしてくれるので、ユーザーは本当に重要なことに集中できます。画一的な現在のOSとは違い、「10億人に10億通りのOS」が提供される未来となるでしょう。
やがてこのOSは、あらゆるデバイス、様々なフォームファクターに浸透していくでしょう。
まずはスマートフォン、オーディオ製品、スマートウォッチなどのユーザーが日常的に使うデバイスから始まり、将来的にはスマートグラスやヒューマノイドロボット、EV、そしてその先の新しいカテゴリーへと広がっていくでしょう。
Nothingは、そんな未来に向けてユニークなポジションにいます。日々の生活をサポートするOSの開発に、“ラストワンマイル=接点”を通じてユーザーの意図や様々な情報を理解することは不可欠です。
ユーザーのことを理解せず、ユーザーに寄り添わないAI OSでは、一人一人に高度にパーソナライズされた体験を提供することはできません。
Nothingは第2章で、AIとその体験をハードウェアプロダクトに融合し、テクノロジーが人間の力をどのように拡張できるのかを、根本から再定義していきます。
■次の巨大なマーケット
短期的には、スマートフォンは依然として年間10億台規模の出荷を誇る唯一のデバイスであり続けると考えています。
しかし、近い将来、スマートフォンと同じように重要なもう1つのデバイスを、日常的に持ち歩くことになるでしょう。
今後数年で、AIはより多くのデータや情報を蓄積し、人々に寄り添ったサポートが可能になります。
スマートフォンは強力なデバイスですが、ポケットの中に入っている時もあれば、両手がふさがっていて使えない時もあり、必ずしも常に頼りになる存在ではありません。
そこで、新たなAIネイティブデバイスが登場するでしょう。ユーザーが必要とする瞬間に簡単に利用でき、ユーザーの意図を理解し、次のアクションを自然な形で提案するインテリジェンスを備えたプロダクトです。
モダリティ(情報の形式)によらず意図を理解し、ユーザーに合わせて臨機応変にインターフェースを生成する、そんなデバイスが登場する未来を思い描くと胸が高鳴ります。
私たちは、この未来図をイメージしながら、新しいプロダクトの開発に取り組んでいます。
来年には、初めてのAIネイティブプロダクトをリリースする予定です。ご期待ください。
■シリーズCラウンドでの資金調達
今回の資金調達により、ビジョンの実現を目指し、将来に向けてのイノベーションを一層加速させ、グローバルビジネスのさらなる拡大を進めることが可能になります。
シリーズCラウンドは、Tiger Globalがリードし、既存株主であるGV、Highland Europe、EQT、Latitude、I2BF、Tapestryからの継続的なサポートに加え、新たにNikhil Kamath氏およびQualcomm Venturesから戦略的支援を受けています。
また、このシリーズCラウンドに並行して、次のコミュニティ向けのラウンドの準備を進めています。
Nothingを支えてくださるサポーターの皆さまに、私たちの挑戦に参画いただける新たな機会です。
詳細は近日中にお知らせします。
コミュニティ、Nothingのチーム、そしてパートナーの皆さまの支えがあったからこそ、私たちは次の章へと踏み出すことができます。
心から感謝します。
Carl, CEO and Co-founder of Nothing
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