日本の「緊縛」は世界の「KINBAKU」に。縄が織りなす伝統アートとして高く評価される官能の美を団鬼六賞作家・花房観音が描く
『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』(花房観音著/大洋図書刊)2/17発売
責め縄、狂い縄―――伝統を継ぐ過酷な縛りで世界的に熱烈な支持を得る緊縛師・奈加あきらの半生と、命懸けで究極の愛を魅せる美しき女たちの姿を、団鬼六賞作家・花房観音が描く。
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縛る男、ときには縛る女、そして縛られる女、縛られる男がいる。
理解できないと、目を背ける人もいるだろう。
痛みを与えて何が楽しいんだと非難する人たちも。
けれど、確実に、この広く豊かな世界には、「縄」を必要とする人たちが存在しているのだ。
なぜ、縛るのか。
なぜ、縛られるのか。
縛り、縛られた、その先にあるものは、何なのか。
緊縛師・奈加あきら。
女を縛ることを生業としている、ひとりの男。
彼はどのような人生を辿ってきたのだろう。
彼を通じて、「縄」の世界に、潜っていく。
(『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』序章より)
緊縛師・奈加あきらの波乱に満ちた半生と、縛られる女たちの素顔
かつてはマニアだけの特殊な性的嗜好として密かに楽しまれていた「緊縛」は、人体の美しさを縄ひとつで表現するアート=KINBAKUとしていまや世界的にも高く評価されるカルチャーとなった。縄はカジュアルな趣味として、男女問わず「縛りたい」「縛られたい」との声が聞こえてくる。
なかでも当代一との呼び声も高い緊縛師・奈加あきらは、その伝統的かつ過酷な縛りが「NAKA STYLE」と評され、国内外でおこなわれる緊縛ショーやワークショップは常に完売となるほどの熱狂的な人気を誇る。
人を縛ることを仕事にして生きていく。奈加あきらはなぜ、緊縛師となったのか。
奈加あきらは1951年、新潟で生まれた。差別の中過ごした幼少期を経てアウトローの道に進み、やがて伝説の緊縛師・濡木痴夢男のもとに辿り着くーーそれは月岡芳年、あるいは伊藤晴雨の残酷絵にも似た波乱に満ちた半生だった。
麻縄できつく縛れられ、吊られ、苦痛に顔を歪めながら、命懸けでパフォーマンスを魅せる緊縛モデル女性たちの素顔にも迫る。彼女たちは言う、「緊縛は解放」だと。そして、「奈加あきらになら、殺されてもいい」と。
著者は団鬼六賞作家の花房観音。“ミステリの女王”の人生を描きベストセラーとなった『京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男』に続く全編書き下ろしの人物評伝は、緊縛に生きる男・奈加あきらの姿を追いながら、知られざる日本のSM/緊縛史を紐解く。
コデックス装による造本、カラーグラビア16ページをはじめとした多数の写真が和の官能美を彩る一冊となった。
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【著者プロフィール】
花房観音(はなぶさ・かんのん)
1971年兵庫県生まれ、京都府在住。2010年『花祀り』で第一回団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。官能小説やホラー小説、エッセイほか執筆活動の傍ら京都観光のバスガイドを務めている。
【書誌情報】
書名:『縄 緊縛師・奈加あきらと縛られる女たち』
著者:花房観音
発行・発売:株式会社大洋図書
仕様:四六判並製・240頁
定価:2,760円(税込)
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