“オール近大”新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト

72件の企画提案を採択、約1億3千万円の研究費をかけて実施へ

近畿大学(大阪府東大阪市)は、令和2年(2020年)5月15日から「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を始動させました。これは、世界で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症について、医学から芸術まであらゆる分野を網羅する総合大学と附属学校等を含む近畿大学全体の知見を生かし、全学横断的に感染症対策に取り組むものです。
この度、全教職員を対象に募集した企画提案の中から72件(研究費総額:約1億3千万円)を採択することが決定しました。
今後、全学を挙げて実行し、研究・教育機関としての社会貢献をめざします。

【本件のポイント】
● 医学から芸術分野までを擁する総合大学と附属学校等の知見を生かした全学横断的プロジェクト
● 全教職員から関連研究や支援活動の企画提案を募り、全学を挙げて感染症対策に取り組む
● 企画提案72件(研究費総額:約1億3千万円)の採択が決定

【本件の概要】
「“オール近大” 新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」は、東日本大震災の復興支援として平成24年(2012年)から実施している「“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト」以来となる、近畿大学が全学を挙げて取り組む社会貢献プロジェクトです。
本学の全教職員から「①研究 ②開発・改良 ③提案」の3つのカテゴリーにわけて企画提案を募ったところ、医学部や薬学部、理工学部などの理系分野だけでなく、経営学部や文芸学部などの文系分野からも多数の提案がありました。集まった企画提案計86件の中から72件(①研究:27件、②開発・改良:29件、③提案16件)の採択が決定。新型コロナウイルス感染症関連研究から「withコロナ」や「afterコロナ」における支援活動まで多種多様な内容となっており、総額約1億3千万円の研究費をかけて実施します。
さらに、今回採択された企画提案を実行しつつ、引き続き新規提案についても募集を受け付け、長期的な視点で新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいります。

【採択された企画提案の例】

<新型コロナウイルス感染症における抗ウイルスIgA 抗体の役割に関する研究>
研究代表者:医学部 微生物学講座 教授 角田 郁生
内容:現在、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染予防を目的に、世界中でワクチン開発が試みられているが、そのほとんどは血中の抗ウイルスIgG抗体の誘導を期待するものである。しかし、呼吸器・腸管などの粘膜の感染防御の主体はIgA抗体が第一線で働き、IgGではない。本研究は、新型コロナウイルスの排除において理論的にもっとも有効な「気道粘膜でのIgA産生機構」について明らかにし、IgA誘導ワクチン開発の基礎研究となることを目的とする。

<新型コロナ肺炎の初期症状に着目した新規感染機序の解析と感染予防法の開発>
研究代表者:医学部 病理学教室 准教授 伊藤 彰彦
内容:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初期症状として「嗅覚異常・味覚異常」が報告されていることから、鼻腔内の嗅粘膜や舌の味蕾が感染成立に寄与していることが示唆される。嗅粘膜の神経と支持細胞の両者に高発現する膜貫通分子Xに注目して研究し、抗体点鼻による感染予防法開発をめざす。

<大阪狭山市民への抗体検査(社会貢献事業)>
研究代表者:近畿大学病院 病院長 東田 有智
内容:大阪狭山市との共同事業として、市民300人を対象とした新型コロナウイルスの抗体保有状況調査を無償で実施。市内の感染状況を把握するとともに、調査結果を感染予防啓発等の感染拡大防止対策に役立てる。他の企画提案に先駆けてすでに検査を実施しており、近日中に結果を公表できる見込み。

<大学及び大学院教育分野におけるAR(拡張現実)を活用したリモート学習法の開発>
研究代表者:近畿大学病院 臨床研究センター 教授 福岡 和也
内容:装着することで「目線の共有」が可能となるAR技術「スマートグラスを活用した遠隔操作」をリモート授業に応用し、非対面では困難とされる実習・演習系の授業でもリモート学習できる技術を開発する。学生はリアルタイムでリモートによる実習に参加することが可能となるだけでなく、現実世界にデジタル画像や映像を重ねることで、より魅力的な講義の実施を可能にする。

<キャンパス内のパブリックスペースにおけるソーシャルディスタンス監視のためのIoT技術の研究>
研究代表者:理工学部 情報学科 教授 井口 信和
内容:センサー(感知器)などを使用してさまざまな情報を計測・数値化する技術を活用し、食堂や図書館など学生が集まる場所での密状態の有無を検出するスマートフォンアプリ等を開発。収集したデータから密状態を回避するための方法をAIで分析し、学生の行動変容を促す学内インフラの整備や授業計画の改善を提案する。

<近未来型公衆衛生用プラスチック製マスクの開発および緊急配布実験>
研究代表者:理工学部 機械工学科 教授 西籔 和明
内容:近畿大学のキャンパスがある東大阪市は、中小企業が集散するものづくりのまちとして知られる。東大阪市の企業の協力を得て、耐久性および意匠性、装用感に優れた「近未来型公衆衛生用プラスチック製マスク」を開発し、近畿大学の学生・教職員および食堂等の従業員に無償配布して効果を検証する。

<新型コロナウイルス抗体 高感度簡易検出システムの開発>
研究代表者:農学部 生物機能科学科 准教授 加藤 明宣
 内容:新型コロナウイルスのPCR検査は極めて高感度で、感染者の陽・陰性判定には十分機能するが、既に治癒もしくは感染したものの無症状のままウイルスが検出されない程度に免疫を獲得した可能性のある集団からの感染履歴調査等には適用できない。そこで、日本における集団免疫の正確な把握のため、高感度で簡易な抗体検査システムの開発をめざす。
 
<近大通り飲食店地域通貨(クーポンアプリ)で学生・店・大学が幸せに!>
研究代表者:経済学部 経済学科 教授 仲林 真子
内容:新型コロナウイルス感染拡大の影響で学生が通学できなくなり、大学周辺の商店街の売り上げに大きな影響がでている。一方で学生もアルバイトや仕送りが減少し、特に下宿生活をしている学生のなかには困窮する者もいる。両者に対する支援策として、地域通貨(電子クーポン)アプリを開発し、近畿大学と地元商店街とのソーシャルキャピタル(地域貢献、共助、互酬性)を醸成する。

<新しい感染症の時代における清浄住宅のための材料研究および空間設計>
研究代表者:産業理工学部 生物環境化学科 准教授 岡 伸人
内容:「新しい生活様式」 が求められるなかで、人間社会で最も重要な生活基盤である「住宅」に注目。材料科学、建築環境・設備、インテリアデザインなど専門分野を有機的につなげることで住宅内での感染症リスク軽減をめざす近大発の新しい「清浄住宅」を開発する。具体的には、住宅内での抗菌・ウイルス機能を向上させる材料の研究・ 開発、光や換気、温度を最適化する空間設計等を行う。

<Withコロナ時代の留学・修学旅行開発プロジェクト>
研究代表者:附属高等学校・中学校 教諭 神野 学
内容:旅行会社の持つ日本・海外のネットワークを生かし、これまで現地に行って体験していたことを、オンラインなどを駆使して体験することで、新型コロナウイルスの影響下でも実現可能な留学・修学旅行企画商品を開発する。「Withコロナ」や「Afterコロナ」の状況において、留学・修学旅行の一つの選択肢となるだけでなく、観光業への支援や地域振興にも貢献できる。
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