1万点超の木材情報を一元化|総合木材データベースの社内運用を開始

「Sustainable Forest」をミッションとする株式会社森未来(本社:東京都港区、代表取締役:浅野純平、以下:森未来)は、総合木材データベースの社内運用を開始し、従来の木材の見積もりを瞬時に出すことが可能となりました。
■開発背景
建築業界では、木材の利用の機運が高まっている一方、仕入れ価格や納期など、必要な情報が瞬時に揃いにくく、建材として木材が選択されにくいという問題があります。これまで、さまざまな企業や団体がこうした問題を解決すべく、木材商品のデータベースや検索システムを作ってきました。
しかし、網羅性や情報の鮮度、ユーザビリティーの点に課題があり、現場での実用性に欠けるケースも少なくありません。そのため、より使いやすく、最新の情報を提供できる仕組みの構築が求められています。そのような課題を踏まえ、私たちは現場のニーズに応える 「使いやすさ」と「情報の正確性」を兼ね備えた木材データベースを開発しました。
本システムは、木材の種類や仕入れ価格、納期などの情報の鮮度を保ち、直感的に検索できる設計になっています。これにより、スムーズな提案を可能にし、建築現場での木材利用の促進に貢献します。

■All Wood Datebaseとは
All Wood Datebase(以下、AWD)は、当社のミッションである「Sustainable Forest」を実現するために、森林・林業・木材に関する情報を集約したデータベースを指します。
AWDでは、森林・林業・木材流通の現場で生じる様々さまざまな情報を、再利用可能なデータとして変換、蓄積することで、それらが新しい市場価値を生み、適切な森林管理や、木材産業の発展につながることを目指しています。
今回、開発した木材データベースは、このうちの木材分野の基盤となるものです。

特徴
当社で開発した木材データベースには、従来のデータベースに比べ、次のような新規性があります。
①網羅性
従来の木材データベースでは対応しきれていなかった内装材を強みにしており、1万点以上の内装材を登録。このなかには、web検索をしてもなかなか情報が集めにくかった、森林認証材、各県の地域材情報も含まれています。これにより、膨大な候補のなかからお客様にとって最適な木材を導き出すことが可能です。
②原価や納期の把握が可能
仕入れ価格や納期も、商品に付随する情報として最新のデータを収集しています。建築業界では素早いスペック情報の提供が求められることが多く、当社の木材データベースによるスムーズな情報提供が、価値になると考えられます。また、問い合わせのたびにメーカーへ問い合わせることも減り、メーカー側の業務負担の軽減にもつながります。
③情報の鮮度の維持
更新フローの確立により木材データベースに登録された情報の鮮度が常に最新の状態で保たれています。従来のシステムでは、リンク切れや古いデータが放置されているケースが多く見られました。
そこで、パートナー企業と定期的に情報を更新する関係性を構築することで、お客様へ誤った情報を伝えてしまうリスクを低減しています。
④表記の統一
従来のシステムでは、販売ロットの単位が統一されておらず、単位面積や体積あたりの価格比較が困難でした。
一方、当社の木材データベースでは平米や立米など統一単位で価格を表示する機能により、容易に比較することが可能です。また、スペックの表記方法を統一することで、表記揺れに起因する検索結果の揺らぎが解消されており、同スペックで、より安い商品や納期の短い商品を見つけやすくなっています。

業務効率化の例
・森未来での効果
この木材データベースを活用することで、当社ではお見積りの回答速度が向上しました。これまではお客様にお問い合わせいただいてから、メーカー様へ最新の見積りを問い合わせ、その価格を踏まえて弊社価格を決定していたため、平均3日程度の時間を要していました。
しかし、今回開発した木材データベースを活用することで、当社単体でお見積りを出すことが可能になり、お問い合わせをいただいたその場でお見積りをお出しすることも可能になりました。
・クライアントへの効果
建築業界では、コンペ等で、限られた時間内に正確な見積りを求められることも多いため、問い合わせと同時に価格や納期が分かることは、お客様の業務効率化につながります。特に「情報が揃わない」という理由で、木材が選ばれなくなることも減り、建材としての木材の普及にもつながると考えられます。
・パートナー側への効果
木材事業者にとっても、川下の案件すべてにおいて見積りをする必要がなくなり、業務の軽減につながります。従来は、発注の確度が定まっていなくても、見積りを作成する必要がありましたが、この木材データベースがあれば、一次対応を当社が行い、進展のあった案件だけをお伝えすることができるので、業務効率の向上につながると考えられます。

■社内版総合木材データベース 提供にあたって
開発担当者 事業開発グループ 井口 光

木材流通の現場では、スペック表記のゆれやIT化の遅れにより、建築時に必要な情報が揃わず、「木を使いたくても使えない」という課題がありました。今回のデータベースでは、メーカー様のご協力のもと、当社があらかじめ価格や納期の情報を把握することで、お客様への迅速な情報提供が可能になりました。
このデータベース開発では、当社の業務効率の向上だけでなく、情報の集約による木材需要の活性化、流通経路の最適化、トレーサビリティの確保など、木材業界全体へ好影響を及ぼすことを目指しています。特に、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブといった社会的要請が高まるなか、確かな情報伝達基盤の存在は、今後の木材業界の発展を支える重要な土台になると考えています。
■木材データベースAWDの今後の展開
木材に求められる情報は、合法性の証明、炭素排出量の管理、生物多様性への影響評価など、ますます複雑化しています。違法伐採の防止や環境負荷の低減が求められるなか、正確なデータ管理と透明性の確保は不可欠です。
このような背景から、データベースによる木材情報の整備は極めて重要です。情報を一元管理し、最新のデータを提供することで、規制対応や業界の信頼性向上につながります。また、検索性や操作性を向上させ、関係者が効率的に活用できる環境を整えることも必要です。
今後は、AIや分析ツールを活用した、サプライチェーンの効率化や、トレーサビリティーのさらなる可視化を進めることで、持続可能な森林資源の活用へつなげてまいります。
■会社情報
会社名:株式会社森未来
代表者:代表取締役 浅野純平
住所:〒108-0014東京都港区芝5-27-6 泉田町ビル6階
設立:2016年4月
コーポレートサイト:https://shin-mirai.co.jp/
「Sustainable Forest」をミッションに、森林・林業・木材に関するITビジネスを展開。
BtoB向け木材プラットフォームeTREE:https://www.etree.jp/
■本リリースに関するお問い合わせ先
株式会社森未来広報担当
pr@shin-mirai.co.jp
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