インバウンド客91%が百貨店を利用!その利用目的や人気ブランド・ランキングも徹底調査!
〜多言語アンケートで見えてきた、百貨店のインバウンド戦略と訪日客の購買動機〜
株式会社Payke(ペイク、本社:沖縄県那覇市、代表取締役:古田奎輔、以下「Payke」)は、提供する訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke」内で、百貨店に関する多言語意識調査(韓国語・英語・中国語(繁体字))を実施しました。

本調査は、訪日観光客1,452名を対象に、日本滞在中における百貨店の利用実態・認知度・購買目的などについて、多言語アンケート(繁体字中国語話者[台湾・香港]、英語話者[フィリピン・アメリカ等]、韓国語話者[韓国])を通じて明らかにしたものです。
サマリー
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91%の訪日観光客が百貨店を利用
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来店理由の最多は「日本でしか手に入らない商品」:限定性に加え、食体験や価格的メリット、接客品質も高く評価されている。
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繁体字圏のデパ地下人気が明らかに
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認知=利用につながる傾向が強い:高島屋・三越などの認知率の高いブランドがそのまま来店率にも反映されており、ブランド間の差別化は不明瞭。
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韓国語話者では大丸と阪急・阪神が1位、繁体字と英語では高島屋が最多認知。
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「時間がない」が最大の不訪問理由。他の選択肢に比べて優先度が低い傾向。
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百貨店の認知経路のトップは「通りがかり」
インバウンド客百貨店の利用率:91%が来店経験あり

まず、「日本旅行中に百貨店を利用したことがあるか?」という設問に対し、全体の91%(n=1452)が「はい」と回答。百貨店は依然として訪日観光客にとって高い接触率を誇る商業施設であることがわかります。

繁体字中国語話者は、全体の87%が百貨店を2回以上利用しており、最も複数回利用率が高い層となっています。英語話者も83%が複数回訪問しており、高いリピート傾向が見られる一方で、「利用していない」と回答した割合も最も高く、一部の層には百貨店の魅力が十分に届いていない可能性も示唆されます。また、韓国語話者では「1回のみ」の利用が21%と他言語層よりやや高く、他の言語圏と比べて改善の余地があるものの、2回以上利用した割合は全体の74%を超えており、依然として関心と利用意欲の高さがうかがえます。総じて、いずれの言語圏においても百貨店は高いリピート利用率を記録しており、訪日観光客にとって魅力的なショッピングスポットとなっていることが明らかになりました。
来店目的
百貨店の高い利用率が明らかになった上で、次に注目すべきは「なぜ訪日観光客が百貨店を訪れるのか」という動機の内訳です。

最も多く挙げられた理由は「日本でしか手に入らない商品があるから」(54.16%)であり、百貨店が日本の“限定性”を体現する特別な買い物体験の場として強く認識されていることがわかります。次いで、「自国よりも商品が安く買える」(45.48%)、「デパ地下やレストランでの食体験」(40.71%)、「品質や接客への信頼」(40.49%)と続き、価格的なお得感に加えて、百貨店は訪日観光客にとって、“安心”と“発見”が共存する場所として高く評価されていることが示唆されます。
百貨店を訪れる理由が「日本でしか手に入らない商品」や「食体験」などに集約される一方で、具体的に何を目的に来店しているのかを尋ねた質問では、言語別に異なる傾向が鮮明に現れました。

繁体字中国語話者では、「食品購入(デパ地下)」が67.85%と圧倒的に高く、次いで「日本限定ファッションブランド」(49.58%)と続き、“食と買い物を同時に楽しむ”層が多いことがわかります。英語話者においては、「ギフト・贈答品」(57.89%)と「日本発コスメ」(38.70%)が比較的高く、お土産需要への関心が強い傾向が見られました。一方、韓国語話者では「日本限定ファッションブランド」(53.00%)と「ギフト・贈答品」(51.61%)が高く、さらに「ラグジュアリーブランドファッション」(28.11%)の選択率も他言語より高く、高価格帯のファッション消費にも積極的であることが読み取れます。また、「カフェ・レストラン」の利用は19.82%と他言語よりも低く、韓国語話者にとっては百貨店での飲食は優先順位が高くないことが示唆されます。
言語圏ごとに優先される商品カテゴリが異なることから、今後の施策では、「誰に、何を訴求するのか」というセグメンテーションの明確化が、成果を大きく左右する鍵になると考えられます。
百貨店ブランドの認知度と利用傾向
これらの来店目的が明らかになったところで、次に着目したのは、具体的にどの百貨店ブランドが認知され、実際に訪問されているかというブランド別の実態です。
言語別百貨店ブランド認知度

■ 全国籍 百貨店ブランド認知度ランキング(n=1452)
1位:高島屋 69.42%
2位:三越 67.56%
3位:大丸 66.39%
4位:伊勢丹 55.37%
5位:阪急・阪神 54.41%
6位:東急 42.42%
7位:西武 42.08%
8位:近鉄 33.47%
9位:松坂屋 32.58%
10位:小田急 25.69%
11位:京王 25.21%
興味深いことに、言語によってブランド認知の傾向に違いが見られたため、以下に繁体字中国語話者と韓国語話者のランキングを個別に掲載しています。
■ 韓国語 百貨店ブランド認知度ランキング(n=217)
1位:大丸 79.26%
2位:阪急・阪神 79.26%
3位:三越 59.91%
4位:高島屋 44.24%
5位:伊勢丹 43.32%
6位:東急百貨店 40.55%
7位:西武 29.95%
8位:京王 27.19%
9位:近鉄 22.58%
10位:小田急 19.35%
11位:松坂屋 16.13%
■ 中国語繁体字 百貨店ブランド認知度ランキング(n=843)
1位:高島屋 81.26%
2位:三越 75.21%
3位:大丸 67.62%
4位:阪急・阪神 58.60%
5位:伊勢丹 58.48%
6位:西武 43.77%
7位:東急 42.70%
8位:松坂屋 38.08%
9位:近鉄 7.49%
10位:京王 24.08%
11位:小田急百貨 22.06%
繁体字中国語話者では、高島屋(81.26%)や三越(75.21%)が上位に入り、全国区の老舗百貨店の認知度が非常に高いことがわかります。一方、韓国語話者では、大丸と阪急・阪神がともに79.26%で1位となり、関西エリアを基盤とする百貨店の認知度が特に高い傾向が見られました。
また、百貨店ごとのブランドイメージを尋ねた設問でも、「高い認知率のある百貨店」が多くのカテゴリーで上位にランクインしており、消費者は“違い”よりも“知っている”安心感で訪問先を選んでいる可能性がうかがえます。現状では、百貨店ごとのブランドの差異は訪日観光客には明確に伝わっておらず、認知度の高さがそのまま来店行動に結びついていることが示唆されます。
言語別百貨店ブランド利用度

■ 全国籍 百貨店ブランド利用度ランキング(n=1452)
1位:高島屋 53.58%
2位:大丸 53.03%
3位:三越 50.34%
4位:阪急・阪神 40.01%
5位:伊勢丹 36.71%
6位:西武 26.72%
7位:東急 25.00%
8位:近鉄 21.76%
9位:松坂屋 20.32%
10位:小田急 15.08%
11位:京王 14.26%
利用率においても、全言語合計では高島屋、大丸、三越の順に上位を占めており、認知度との連動性が高いことがうかがえます。
一方、韓国語話者では、阪急・阪神の利用率が68.66%と突出して高く、他言語話者(いずれも40%未満)とは明確に異なる傾向が見られました。明確な理由の特定は難しいものの、旅行動線や好まれるブランド属性との親和性が影響している可能性があります。
また、京王・小田急・松坂屋などは一定の認知はあるものの、利用率は20%前後にとどまっており、観光動線上での訴求力やブランド印象の弱さが課題として浮かび上がっています。
このように、認知・利用ともに言語圏や旅行導線によってブランドごとの強み・弱みが分かれるため、プロモーション設計においてはそれぞれの特性を踏まえた施策が求められます。
百貨店は時間があるときの選択肢
しかし、百貨店ブランドに対する高い認知や実際の利用傾向が見られる一方で、訪問に至らなかった理由についても確認してみる必要があります。

百貨店を利用しなかった、あるいは利用したくない理由として最も多く挙げられたのは「時間がなかった」(61.24%)であり、次いで「他で十分に買い物ができた」(46.64%)が続きます。旅行中の限られたスケジュールの中で、百貨店が優先されにくい現状が見えてきます。

実際、他の買い物スポットとの比較では、「コンビニ」(84.24%)や「ドン・キホーテ」「ドラッグストア」などの利用意向が圧倒的に高く、百貨店(65.58%)は相対的に優先順位が低いことがわかります。このことから、時間の制約がある中では、より手軽でアクセスしやすい場所が選ばれやすく、百貨店は「時間に余裕があるときの選択肢」として後回しにされやすい傾向があると考えられます。
なお、この設問においては言語圏ごとにも一定の差異が見られました。その詳細な分析結果にご関心のある方は、ぜひお問い合わせください。
訪日客が百貨店を知った経路
百貨店が旅行中の優先順位としてはやや下位に位置づけられる一方で、そもそも訪日観光客はどのようにして百貨店の存在を知ったのでしょうか。ここでは、情報接触のきっかけについても調査を行いました。

百貨店の情報をどのように知ったかを尋ねたところ、最も多かったのは「店舗前を通りかかって」(53.65%)で、現地で偶然見かけたことが来店のきっかけとなるケースが多いことがわかります。次いで「SNS投稿」(42.08%)や「旅行Webサイト」(40.49%)、「動画系(YouTubeなど)」(36.15%)といったデジタルメディア経由での接触も多く、オンライン情報の影響力の大きさがうかがえます。
今後は、通行動線での視認性を高めつつ、SNS・動画などオンライン上でのブランド接触機会を増やすことが、集客においてより重要になると考えられます。
今回は主要百貨店を中心に調査を行いましたが、現在、日本政府はオーバーツーリズム対策に力を入れており、今後は「ゴールデンルート」以外の地域にある地方百貨店(例:岩田屋、天満屋、藤崎、鶴屋、丸井今井など)でも、インバウンド需要の取り込みがより重要になっていくと考えられます。弊社としても、今後のインバウンド動向を引き続き注視してまいります。
Paykeが提供する価値
Paykeはインバウンド向けにさまざまなソリューションを提供しています。累計500万ダウンロードを超えるユーザ基盤と、そこから得られる豊富なデータから、各企業様のニーズに合わせたご提案が可能です。
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旅マエ、旅ナカ、旅アトでのユーザへのリーチ:ユーザの9割は旅マエでPaykeをダウンロード。そのうち7割が3ヶ月以内に来日します。旅マエ段階でアプリ内で購入商品を探しているユーザも多く、効率的なアプローチが可能です。
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インバウンドの購買関連データ:いつ、どこで、誰が、どの商品を手に取ったかが把握できます。属性毎のトレンドや、特定チェーンでの傾向などマーケティング戦略立案に活用できるデータを保持しています。
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アンケート調査:直近での訪日可能性が高いユーザーに直接アンケートをとることが可能です。
お問い合わせ
Paykeのプロモーションメニュー、保有データ、ユーザへのアンケート、その他サービスについてご興味ございましたらこちらからお問い合わせください。
【調査概要】
調査名称:百貨店についての調査
調査機関:自社調査
調査対象:『Payke』アプリユーザー
調査方法: Webアンケート
調査期間:2025年5月12日〜2025年5月19日
有効回答数:1,452件
【会社概要】
■株式会社Payke
本社:沖縄県那覇市真嘉比2丁目5−16
代表者:代表取締役CEO 古田 奎輔
設立:2014年11月
資本金:100百万円
概要:商品パッケージにある「バーコード」をスマホでスキャンするだけで、商品のあらゆる情報を7言語で表示することができる訪日外国人アプリ「Payke」を運営。現在、約68万点の商品データを7言語で保有し、訪日客が手に取る商品の約90%*1をカバーしています。2015年のサービス開始以来、アジア圏を中心に500万人*2以上が利用し、企業向けには広告配信やデータ提供を行うなど、累計1,200社以上の企業や団体に活用されています。さらに、「Paykeタブレット」を国内の主要小売チェーンに導入し、多くの訪日外国人に利便性を提供しています。
*1 当社実績(2024)Paykeアプリにて国内でスキャンされた回数を分母に商品情報を保有していた割合
*2 API提供先なども含む利用者
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