DE&Iグローバル調査の分析から判明した日本企業への「7つの示唆」
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン―世界との共通点と相違点
グローバルな組織コンサルティングファームのコーン・フェリー(NYSE:KFY|コーン・フェリー・ジャパン 東京都千代田区 日本代表:滝波純一)は、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)に関するグローバル調査を実施しました。その分析から得られた日本企業への7つの示唆を発表します。
DE&Iは世界中の企業において重要な戦略課題となっています。その実態を把握しようと、コーン・フェリーでは2021年7月~8月にかけてオンラインの自己回答形式で調査を実施し、97カ国、4,496人の人事担当者、DE&Iの実務担当者から回答を得ました(日本からの回答数は146)。
調査結果ハイライト
結果を分析し、以下、日本企業にとっての7つの示唆を得ました。
調査概要
・実施時期:2021年7月~8月
・実施方式:オンラインでの自己回答
・グローバル全体の回答状況
97カ国、4,496人
・日本の回答状況
146(日本に本社のある組織に所属している回答者の数)
・58%が、従業員規模1万5千人以上の組織に所属
・42%が、Industrial(工業、産業)業界に従事
・71%が、管理職以上(マネジャー職、役員、CXOなど)
「7つの示唆」概要
1. 取り組み加速も、世界とは大きなギャップが
日本に本社を置く組織に所属している回答者の77%が、過去12か月において自組織のDE&Iの取り組みは「加速した」と回答。一方、「大幅に加速した」と回答したのは20%に留まり、グローバル全体の43%と比較して低い割合となった。DE&Iに関する取り組みは日本企業に広がりつつあるものの、グローバル全体のスピード感とは大きな隔たりがある。
▼DE&Iの取り組みは加速したか?(左:グローバル 右:日本)
2. 女性だけではない、過小評価されがちな人材
組織において優先事項となっている「過小評価されがちなグループ」については、グローバル全体と日本の結果は共通して「女性」がトップとなった。また、日本の回答上位5項目に「若手人材」と「シニア人材」が入った。超高齢化社会を迎える日本において双方のバランスをとる難しさが伺える。その他に過小評価されているグループとして、「中途社員」「学歴」をあげた日本の回答者がいたのは日本独特の傾向となった。
▼過小評価されがちなグループは?
3. DE&Iは言うは易く行うは難し
「導入済み、または導入予定のDE&I施策」について、日本もグローバルもトップになったのは「差別、いじめ、ハラスメントなどの禁止方針の策定」。その他、ダイバーシティ戦略を設定、公表し、職場ルールを設け、雰囲気を醸成するといった土台となる基本的取り組みについては、6~7割が導入済み、または導入予定と回答している。一方で、戦略を実行可能な単位に落とし込み、社員の行動を実際に変えていくことの難しさは、日本もグローバル全体も共通した課題となった。
4. DE&I先進企業と後進企業の二極分化
自組織のDE&Iの取り組み効果の度合いを5段階で評価してもらった結果、日本の回答とグローバルの回答ともに「効果があった(4, 5)」、「効果的ではない(1, 2)」と回答した割合がそれぞれ約30%程度であった。国内外ともに、DE&Iの取り組みにおいて効果を上げている企業と、そうではない企業の二極分化が進んでいることが伺える。
▼自組織のDE&Iの取り組みは効果的か?
5. ESGという“外圧”>トップのコミットメント
「DE&Iの取り組みが加速した」と回答した回答者に、加速した「きっかけ」について聞いたところ、日本企業から7割近くの回答を集めたきっかけのトップは「ESG」、次いで「CEO」であった。一方、グローバル全体、および地域別、日本以外国別のきっかけ第1位は「CEO」、ついで「従業員」であった。日本企業はESGが一種の“外圧”となっていることが分かる。
▼DE&Iが加速したきっかけは?
日本企業で働く人が報告した「自組織におけるDE&Iの取り組みにおける課題」には、設定されたDE&I戦略が組織の優先事項になっていない、コミットメントが欠如している、といったが項目が上がっている。これらは人事部だけでは解決することが難しい課題ばかりであり、DE&Iを推進するための重要なカギは、トップリーダーが握っている可能性が推察される(上記「3. DE&Iは言うは易く行うは難し」の図表を参照)。
DE&I推進グループの6~7割は、アセスメントや診断ツールを活用したデータによる現状把握や分析を実施または実施予定である点、そして、DE&Iを組織の構造的プロセスにまで統合していく点などが、日本企業の取り組みの現状と大きく異なっている。
▼実施または実施予定のDE&I施策は?
リージョンごとのレポート
北米、欧州、アジア太平洋の各リージョンのレポートは以下からダウンロード可能(英語)
https://www.kornferry.com/insights/featured-topics/diversity-equity-inclusion/global-dei-pulse-survey#
コーン・フェリーについて
コーン・フェリーは、グローバルな組織コンサルティングファームです。クライアントの組織設計、適材適所を支援し、社員の処遇・育成・動機付けといった課題についてもコンサルテーションを提供します。さらに、専門性を高めることによる人材のキャリアアップを支援します。
メディアの方からの本件についてのお問い合わせ先:
コーン・フェリー・ジャパン株式会社 マーケティング マネジャー 松田清史
Tel: 070 3193 6371(携帯)/E-mail: kiyofumi.matsuda@kornferry.com
調査結果ハイライト
結果を分析し、以下、日本企業にとっての7つの示唆を得ました。
- 取り組み加速も、世界とは大きなギャップが
- 女性だけではない、過小評価されがちな人材
- DE&Iは言うは易く行うは難し
- DE&I先進企業と後進企業の二極分化
- ESGという“外圧”>トップのコミットメント
- ダイバーシティ戦略はあるけれど―日本に不足しがちなトップのコミットメント
- 現状分析から始めよ
調査概要
・実施時期:2021年7月~8月
・実施方式:オンラインでの自己回答
・グローバル全体の回答状況
97カ国、4,496人
・日本の回答状況
146(日本に本社のある組織に所属している回答者の数)
・58%が、従業員規模1万5千人以上の組織に所属
・42%が、Industrial(工業、産業)業界に従事
・71%が、管理職以上(マネジャー職、役員、CXOなど)
「7つの示唆」概要
1. 取り組み加速も、世界とは大きなギャップが
日本に本社を置く組織に所属している回答者の77%が、過去12か月において自組織のDE&Iの取り組みは「加速した」と回答。一方、「大幅に加速した」と回答したのは20%に留まり、グローバル全体の43%と比較して低い割合となった。DE&Iに関する取り組みは日本企業に広がりつつあるものの、グローバル全体のスピード感とは大きな隔たりがある。
▼DE&Iの取り組みは加速したか?(左:グローバル 右:日本)
2. 女性だけではない、過小評価されがちな人材
組織において優先事項となっている「過小評価されがちなグループ」については、グローバル全体と日本の結果は共通して「女性」がトップとなった。また、日本の回答上位5項目に「若手人材」と「シニア人材」が入った。超高齢化社会を迎える日本において双方のバランスをとる難しさが伺える。その他に過小評価されているグループとして、「中途社員」「学歴」をあげた日本の回答者がいたのは日本独特の傾向となった。
▼過小評価されがちなグループは?
3. DE&Iは言うは易く行うは難し
「導入済み、または導入予定のDE&I施策」について、日本もグローバルもトップになったのは「差別、いじめ、ハラスメントなどの禁止方針の策定」。その他、ダイバーシティ戦略を設定、公表し、職場ルールを設け、雰囲気を醸成するといった土台となる基本的取り組みについては、6~7割が導入済み、または導入予定と回答している。一方で、戦略を実行可能な単位に落とし込み、社員の行動を実際に変えていくことの難しさは、日本もグローバル全体も共通した課題となった。
▼DE&Iの施策の実施状況は?
▼DE&I施策実施上の課題は?
4. DE&I先進企業と後進企業の二極分化
自組織のDE&Iの取り組み効果の度合いを5段階で評価してもらった結果、日本の回答とグローバルの回答ともに「効果があった(4, 5)」、「効果的ではない(1, 2)」と回答した割合がそれぞれ約30%程度であった。国内外ともに、DE&Iの取り組みにおいて効果を上げている企業と、そうではない企業の二極分化が進んでいることが伺える。
▼自組織のDE&Iの取り組みは効果的か?
5. ESGという“外圧”>トップのコミットメント
「DE&Iの取り組みが加速した」と回答した回答者に、加速した「きっかけ」について聞いたところ、日本企業から7割近くの回答を集めたきっかけのトップは「ESG」、次いで「CEO」であった。一方、グローバル全体、および地域別、日本以外国別のきっかけ第1位は「CEO」、ついで「従業員」であった。日本企業はESGが一種の“外圧”となっていることが分かる。
▼DE&Iが加速したきっかけは?
6. ダイバーシティ戦略はあるけれど―日本に不足しがちなトップのコミットメント
日本企業で働く人が報告した「自組織におけるDE&Iの取り組みにおける課題」には、設定されたDE&I戦略が組織の優先事項になっていない、コミットメントが欠如している、といったが項目が上がっている。これらは人事部だけでは解決することが難しい課題ばかりであり、DE&Iを推進するための重要なカギは、トップリーダーが握っている可能性が推察される(上記「3. DE&Iは言うは易く行うは難し」の図表を参照)。
7. 現状分析から始めよ
DE&I推進グループの6~7割は、アセスメントや診断ツールを活用したデータによる現状把握や分析を実施または実施予定である点、そして、DE&Iを組織の構造的プロセスにまで統合していく点などが、日本企業の取り組みの現状と大きく異なっている。
▼実施または実施予定のDE&I施策は?
リージョンごとのレポート
北米、欧州、アジア太平洋の各リージョンのレポートは以下からダウンロード可能(英語)
https://www.kornferry.com/insights/featured-topics/diversity-equity-inclusion/global-dei-pulse-survey#
コーン・フェリーについて
コーン・フェリーは、グローバルな組織コンサルティングファームです。クライアントの組織設計、適材適所を支援し、社員の処遇・育成・動機付けといった課題についてもコンサルテーションを提供します。さらに、専門性を高めることによる人材のキャリアアップを支援します。
メディアの方からの本件についてのお問い合わせ先:
コーン・フェリー・ジャパン株式会社 マーケティング マネジャー 松田清史
Tel: 070 3193 6371(携帯)/E-mail: kiyofumi.matsuda@kornferry.com
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