dSPACE社と協業し、5GAAシンポジウムで交通弱者（VRU）保護システムのデジタルツイン環境を展示
VRUは、歩行者や自転車などの交通弱者Vulnerable Road User（以下VRU）のことで、車両との交通事故を防止するためにC-V2X技術を活用することへの関心が世界的に高まっています。これまではVRUを直接検知するセンサを車両に搭載する方法がありましたが、国際団体「5GAA」は、5G通信を利用したVRUとの協調通信による事故防止方法を検討してきました。この手法は、従来の自立運転型と異なり、センサの検知範囲外やビル陰などの死角でも5G通信を介してVRUの保護が可能となると期待されています。一方で、この通信協調型VRU保護には5G通信の信頼性が求められ、QoS管理やIPレイヤでの障害耐性に関する評価が重視されます。
デモ展示したソリューションは、実際の運用を想定したデジタルツイン環境によるシミュレーションが実現できるため、実車を用意できない構想段階から仮想のVRU保護テストが可能です。今回のデモは、自動車メーカ、自動車部品サプライヤ、移動体通信事業者などから注目されております。アンリツは、今後もデジタルツインを活用した高度なシミュレーション環境を提供することで、VRU保護のシステム改善を図り、スマートシティの発展に貢献してまいります。
5GAA CTO（最高技術責任者）Maxime Flament氏は次のように述べています。
「今日、道路上での死亡事故のほぼ40％は、歩行者、自転車利用者、道路作業員、子供などです。このような交通弱者を守るためにC-V2X技術を活用することは、5GAAメンバーにとって優先事項となります。今回のデジタルツイン技術のデモは、C-V2X通信がこの社会課題解決に貢献できることを示しています。」
デモの概要
・dSPACE社のPCベースシミュレータは、PCのみで環境/インフラ/センサ/車両情報を統合して模擬するツールです。今回のデモでは、5GAAシンポジウムで使用するミシガン大学の自動車テストコース「M City」を再現してVRU検知シミュレーションを実行しています。
・自転車や歩行者などのVRUが携帯するスマートフォンや交差点カメラのセンサ情報などによって生成されたV2X dataメッセージは、アンリツの5G基地局シミュレータによる5G通信で、車両側でVRU検知結果を表示するOEM Applicationに伝送されます。
製品概要
基地局シミュレータ ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000A
5G方式の無線アクセス技術に対応したネットワークシミュレーションを提供するテストプラットフォームで、Telematics, Infotainment, V2X等の自動車ユースケース開発・評価・認証の試験環境を提供します。
MT8000Aについてもっと詳しく
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/MT8000A
dSPACE社について
dSPACE社は、コネクテッドカー、自動運転車両および電気自動車を開発するうえで必要なシミュレーションおよび妥当性確認ソリューションを提供する国際的企業です。
自動車メーカやサプライヤのお客様は、dSPACE社のエンドトゥエンドのソリューションを利用し、実車での試験前にソフトウェアやハードウェアの各種コンポーネントをテストしています。また、自動車産業だけでなく、航空宇宙や産業オートメーション、およびその他の産業分野でも開発パートナーとして選ばれ、その知識と経験はさまざまな現場に活かされています。
dSPACE社の製品ポートフォリオは、シミュレーションや妥当性確認向けのエンドトゥエンドのソリューションからエンジニアリング、コンサルティングサービス、トレーニングやサポートまで幅広くカバーしています。
ドイツのパーダーボルンにある本社と、ドイツ国内の3つのプロジェクトセンター、米国、イギリス、フランス、クロアチア、日本、中国、韓国およびインドにある子会社を含め、世界中で2,400名近くの従業員が製品・サービスを提供しています。
ウェブサイトはこちらから。
日本国内お問い合わせ先
dSPACE社
メール : marketingkk@dspace.jp
用語解説
[※] 5GAA
国際団体「5G Automotive Association」の略。同団体には、全世界の自動車業界と通信業界から主要な企業が参画しており、将来のモビリティと交通サービスのための標準化を共同で推進している。
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