アキサポ空き家総研「近畿エリア 空き家所有者に対する意識調査」

空き家を所有した経緯は「相続」が最も多く、物件タイプは「一軒家」が約8割。近畿エリアは、空き家放置の問題・リスクへの認知が高い一方で貸す・売却するなど空き家活用を検討した所有者は5割未満に

株式会社ジェクトワン

アキサポ空き家総研(運営:株式会社ジェクトワン、以下、ジェクトワン)は、全国で急増する空き家問題の解決に貢献すべく、空き家所有者に向けた意識調査の実施、空き家問題の啓発に寄与する様々な情報や空き家に関する最新トピックをメディアの皆様に発信しています。
ジェクトワンでは、2021年2月に実施した東京都内の空き家所有者への空き家に関する意識調査に続き、近畿エリア(2府5県)内に空き家※を所有する人を対象に、その実態を把握すべく「近畿エリア 空き家所有者に対する意識調査」(調査期間2021年11月29日~30日)を実施しました。本ニュースレターでは、空き家の所有実態、空き家に関する法制度や空き家問題への認知度、空き家活用に向けた行動の実態から、近畿エリアの空き家問題の特色やそれを解決する手がかりを考察します。
※誰も住んでいない、利用していない、借り手や売り手も探していない物件と定義

~【アキサポ空き家総研】 2021年度実施 「近畿エリア 空き家所有者に対する意識調査」サマリー~
【1】 空き家の所有実態
近畿エリアの空き家で最も多い物件形態は「一軒家」で79.0%と約8割を占め、空き家を所有した経緯は「相続」が最も多く、6割(62.9%)を超える結果に。

【2】 空き家所有者の空き家に対する知識や意識 
空き家対策特別措置法の認知度※は約5割(49.7%)で、空き家を放置する年数が長くなるほど低くなり、10年以上放置した所有者の「法律の具体的な内容まで知っている」は4.7%にとどまる。
空き家を放置することで起こる問題として最も認知されているのは「湿気がこもって、建物が倒れやすくなる」(45.8%)で、「知っているものはない」と回答した人は23.9%にとどまり、空き家放置の問題・リスクの認知は高いという結果に。
※「法律があることを知っている/名前を聞いたことがある」、「法律の具体的な内容を知っている」の合計

【3】 空き家活用の検討の有無、検討した際の相談先について
貸す・売却するなど空き家活用を検討したことのある人は、全体で47.4%と5割に満たず。
相談先として最も多かったのは「不動産会社」(41.5%)で、「公的な相談窓口」、「リフォーム会社」等を加えた企業・公的機関等への相談の合計は約6割(59.2%)という結果に。

【調査概要】
■ 調査方法:インターネット調査                ■ 調査時期 : 2021年11月29日~11月30日
■ 調査地域:近畿エリア(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、三重県)
■ 調査対象:近畿エリア内に空き家(誰も住んでいない、利用していない、
       借り手や売り手も探していない物件)を所有しているオーナー
      ※複数空き家を所有している場合は、最も所有歴が長いものについて回答。
■ サンプル数:滋賀県 19名/京都府 36名/大阪府 121名/兵庫県 77名/奈良県 19名/
        和歌山県 13名/三重県 25名  計310名

 

【Topic】 空き家の専門家に聞く!近畿エリアの空き家事情と空き家活用のポイントとは
空き家数の増加は全国で進んでいますが、近畿エリアも例外ではありません。
とくに大阪府は、東京都に次いで空き家数が多い都道府県ですが、中でも大阪府吹田市の空き家は38,710件と、大阪府で最も多いエリアとなっています※。吹田市が特に注視しているのが、「高齢者夫婦世帯」と「高齢者単身世帯」の数です。「吹田市空家等対策計画2020」によると、吹田市の空き家発生原因は約3割が相続によるもので、さらに空き家になってから10年以上経過しているケースも約3割あることが分かっており、近い将来起こりうる空き家の相続が問題視されています。また、同計画によれば空き家所有者の7割以上が60歳以上で、所有者の約半数が「売ることも貸すこともしたくない」とも回答しており、今後も流通しない空き家が増えていくことが予測されます。

今回、アキサポ空き家総研が調査した「近畿エリア 空き家所有者に対する意識調査」でも、近畿エリアの空き家の所有経緯は6割以上が相続によるもので、空き家活用を検討したことがある人は半数以下(47.4%)にとどまりました。空き家にしている理由は人それぞれですが、この結果は、およそ半数が一度は解消に向け検討したことがあるにも関わらず、現状維持を選択している、とも言えるでしょう。

一方、昨今では、年々増え続ける日本全国の空き家が社会問題化すると同時に、多くの空き家所有者が収益化を目指して活用を進めています。空き家は放置しているとさまざまなリスクやデメリットを生み出しますが、うまく活用すれば収益をもたらす貴重な資産であることは間違いありません。

空き家自体は立派な資産であるものの、やはり売却・賃貸といった第三者への提供により初めて収入につながるため、放置すること自体が経済的なデメリットといえるでしょう。空き家活用がうまくいかないケースは、多くの場合、事前の情報収集やマーケティング・分析不足によるものですから、いかに専門家のサポートを得ながら二人三脚で進めることが大切なのか分かります。

今回の調査で、近畿エリアの空き家所有者は空き家放置の問題・リスクへの認知が高いことがわかりました。空き家問題への関心が高いエリアでは、空き家活用に対する理解の促進により、空き家の活用がより活性化する可能性があります。また今回の調査では、空き家活用を検討した際の相談先として、企業や公的機関等の窓口に相談した空き家所有者は約6割にとどまりましたが、空き家所有者は、収益化に導くための重要な要素であるプランニングを適切に立てるため、さらに自分の物件に適した収益化パターンを見出すためにも、まずは専門家に相談してみるのが最初のステップとしてはベストでしょう。
※平成30年住宅・土地統計調査による

<プロフィール>
株式会社ジェクトワン 執行役員
地域コミュニティ事業部 ディレクター 清水 貴仁

2009年、株式会社ジェクトワン設立時より入社し、現在は地域コミュニティ事業部長として事業拡大に尽力。NPO法人空き家活用プロジェクトの理事長を兼任。

 

 

 

【アキサポ空き家総研】
2021年度実施 「近畿エリア 空き家所有者に対する意識調査」

【1】空き家の所有実態
Q.どのような経緯で空き家を所有されましたか。(n=310名)

 

■ 最も多い所有の経緯は「相続」で62.9%
居住地域と空き家所在地域が同じ府県の所有者より、異なる府県の所有者のほうが「相続」の割合が高い結果に

空き家を所有した経緯を尋ねると「親、祖父母などからの相続」が最も多く6割を超え(62.9%)、続いて「住居、業務、投資などのために自分で購入した」が31.6%となりました。

また、居住地域と空き家所在地が異なる層では「相続」が71.1%となり、同じ府県の層(59.2%)より11.9pt高いことから、居住地域から距離の離れた空き家を相続したことによって、空き家活用できずに放置されていることがうかがえます。

Q. 所有している空き家はどんな形態ですか。最もあてはまるものでお答えください。(n=310名)

■ 最も多い物件形態は「一軒家」で約8割(79.0%)、放置した年数が長いほど「一軒家」の割合が高い
所有している空き家の形態について尋ねると、「一軒家」が最も多く79.0%と8割近い結果となりました。

所有した経緯別で見ると、自分の意志で購入した層(72.4%)よりも相続した層(81.5%)の方が、また、放置した年数が長いほど、「一軒家」の割合は高いことがわかりました。

<近畿エリアと東京都の空き家所有者の所有実態の比較>
※東京都の空き家所有者の実態については、【アキサポ空き家総研】「2021年 東京都空き家所有者に対する意識調査」
(調査期間:2021年2月2日~2月5日)のデータをもとに比較しています。
調査URL:https://www.akisapo.jp/news/2282/

近畿エリアと東京都の調査結果を比較すると、空き家を所有した経緯では、近畿エリアは「相続」(62.9%)が最も多い結果となりましたが、東京都では「自分で購入した」が57.9%と最も多く、「相続」は33.1%にとどまりました。また、空き家の物件形態をみると、近畿エリアの約8割(79.0%)は「一軒家」でしたが、東京都は「一軒家」が49.0%にとどまり、「一軒家以外の住宅」の合計が48.3%と高く、所有実態に違いがあることがわかります。

【2】空き家所有者の空き家に対する知識や意識
Q. あなたは、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空き家対策特別措置法)という法律があることをご存じですか。(n=310名)

■ 空き家対策特別措置法の認知度は約5割(49.7%)
空き家を放置する年数が長くなるほど、法律の具体的な内容まで知っている割合は低くなり、10年以上放置した所有者では4.7%にとどまる

空き家対策に関する指針と制度、計画に関する事項をまとめた「空き家対策特別措置法」について知っているか尋ねたところ、「法律の具体的な内容まで知っている」と回答した人は9.4%、「法律があることを知っている/名前を聞いたことがある」と回答した人は40.3%、残る約5割(50.3%)の人が「知らなかった」と回答しました。
「法律の具体的な内容まで知っている」、「法律があることを知っている/名前を聞いたことがある」の回答を合わせた「空き家対策特別措置法」に関する認知度は49.7%と5割を下回っており、施行から6年が経過しているものの、国の対策について当事者である空き家所有者に充分に浸透していない結果となりました。
また、「法律の具体的な内容まで知っている」割合は、空き家を放置した年数が長いほど低く、10年以上放置した所有者では4.7%にとどまることがわかりました。

Q. 空き家として放置することによってどのような問題が生じるかご存知ですか。あてはまるものをすべて教えて下さい。

■ 空き家を放置することで起こる問題として最も認知されているのは「湿気がこもって、建物が倒れやすくなる」(45.8%)「知っているものはない」は23.9%にとどまり、空き家放置の問題・リスクの認知は高いという結果に
空き家を放置することで起こる問題への認知は、「湿気がこもって、建物が倒れやすくなる」(45.8%)が最も高く、続いて「動物が入り込む、ゴミを捨てられるなど不衛生になる」(35.8%)、「放火されやすくなる」(33.9%)となりました。また、「知っているものはない」は全体で23.9%にとどまり、空き家放置の問題・リスクを認知している所有者が多いことがわかりました。

Q. 建物を空き家として放置することによって、どのような問題が生じるかご存知ですか。あてはまるものをすべて教えて下さい。

また、居住地域と空き家所在地が異なる層ではさらに低く15.5%となり、同じ府県の層(27.7%)よりも問題を認知している所有者が多いことがうかがえます。

<近畿エリアと東京都の空き家所有者の空き家に対する知識や意識の比較>

空き家対策特別措置法の認知度は、近畿エリア(49.7%)が東京都(40.4%)を上回りました。

また、空き家放置の問題・リスクの認知では、「知っているものはない」と回答した所有者が近畿エリアでは23.9%にとどまり、東京都の38.1%よりも14.2pt低く、空き家対策特別措置法の認知度、空き家放置の問題・リスクへの意識ともに東京都よりも高い結果となりました。近畿エリアは、湿気による建物の痛みや放火されやすくなる、倒壊の恐れがあるといった問題が東京都の結果よりも割合が高くなりましたが、これは東京都と違い、全体の約8割の空き家が「一軒家」であることにも起因していると考えられます。

【3】 空き家活用の検討の有無、検討した際の相談先について
Q. 人に貸したり、売却することを検討したことはありますか。最もあてはまるものを教えて下さい。(n=310名)

■ 空き家活用について検討したことのある人は全体で47.4%となり、5割に満たず
所有する空き家を貸すことや売却することを検討したことがあるか尋ねたところ、「少しでも検討したことがある」と回答した人が47.4%、「全く検討したことがない」と回答した人が52.6%となりました。近畿エリアの空き家所有者の半数以上が空き家の活用について考えていないことがわかりました。一方、居住地域と空き家所在地が異なる層では「少しでも検討したことがある」が約6割(59.8%)となり、同じ府県の層(41.8%)と比べて検討率が高い結果となりました。

Q. 人に貸したり、売却することを検討したとき、どなたに相談されましたか。あてはまるものをすべて教えて下さい。


■ 相談先として最も多かったのは「不動産会社」で41.5%、「公的機関」は17.7%
  企業や公的機関等に相談した合計は約6割(59.2%)

空き家の活用を検討した際に相談した先を尋ねたところ、「不動産会社」(41.5%)、「役所、公的な相談窓口」(17.7%)、「リフォーム会社」「建物の解体会社」(いずれも10.2%)、「マッチングサイト・マッチング会社」「金融機関」(いずれも6.8%)、「弁護士」(4.8%)、「NPO」「司法書士・行政書士」(いずれも2.7%)、「税理士」(2.0%)と、企業や公的機関等へ相談した人の合計は約6割(59.2%)となりました。そのほかの身近な相談先として、「家族、親戚」(25.2%)、「友人、知人」(12.2%)、「誰かに相談はしていない」と回答した人は25.9%となりました。空き家活用に向けて企業や公的機関等の窓口へ相談できていない所有者が多いことがわかりました。

Q. 人に貸したり、売却することを検討したとき、企業・公的機関等に相談されなかった理由は何ですか。あてはまるものをすべて教えて下さい。


■ 空き家活用に向けて企業・公的機関等に相談しなかった理由について、「どこに相談すればよいかわからなかった」が最も多く27.3%に
  相談した空き家所有者の不満は「ネット等で得られる情報以上のものがなかった」(31.0%)が最も多い結果に


企業・公的機関等に相談しなかった所有者に向けて、その理由について尋ねたところ、「どこに相談すればよいかわからなかった」が最も多く(27.3%)、続いて「相談すること自体が面倒」、「手数料、委託費が高くつきそう」、「借り手や買い手がつくような物件ではないと思う」、「急いで借り手や買い手を見つけなくても良いと思っている」(いずれも22.7%)となりました。

Q. 人に貸したり、売却することを検討したとき、企業・公的機関等に相談されたときに、不満に感じたことはありますか。

また、相談した空き家所有者の不満として最も多かったのは、「ネット等で得られる情報以上のものがなかった」(31.0%)、続いて「担当者の知識が不足していた」(21.8%)、「担当者の対応が良くなかった」(18.4%)となりました。
相談先の選択に迷いがあることや、相談したとしても活用について前向きに検討できる情報量や担当者の知識が不足していることが不満の要因になっていることがうかがえます。

<近畿エリアと東京都の空き家活用検討の有無、検討した際の相談先の比較>

空き家活用の検討の有無について、「少しでも検討したことがある」と回答した所有者は、近畿エリアで47.4%となり、東京の44.7%と大きな差は見られませんでした。

近畿エリア、東京都ともに相談先としては「不動産会社」が最も多かったものの、企業や公的機関等に相談した合計をみると、近畿エリアでは59.2%となり、65.9%の東京都の方が高い結果となりました。

企業や公的機関等に相談しなかった理由については、近畿エリアは「どこに相談すればよいかわからなかった」(27.3%)が最も多かったのに対し、東京都は「急いで借り手や買い手を見つけなくても良いと思う」が46.7%と、理由に違いがありました。

企業や公的機関等に相談した際の不満としては、「ネット等で得られる情報以上のものがなかった」と回答した所有者が、近畿エリアでは31.0%と最も多かったのに対し、東京都は20.2%と近畿エリアが東京エリアを10.8pt上回る結果となりました。

<ご参考>
■空き家活用サービス「アキサポ」とは
株式会社ジェクトワンが首都圏を中心に展開するサービスです。創業時より大切にしている物件の多様化(不動産それぞれの土地や周辺のニーズに合わせた活用方法)を最大限に活かした事業を目指し、2016年にスタートしました。
空き家を「アキサポ」が借り受け、「アキサポ」全額費用負担でリノベーション工事を行い、定期間転借するサービスです。地域にマッチした空き家活用を提案することで街の資源である空き家の再生を通じて地域コミュニティの活性化に貢献しております。
アキサポ公式HPhttps://www.akisapo.jp/

【空き家所有者にとっての最大のメリット】
・建物がバリューアップして戻ってくる

リノベーションを行い空き家の価値向上を高めます。 ※物件により諸条件等が異なります。
・リノベーション費用は「アキサポ」が全額負担
リノベーション設計や施工、工事管理もすべて「アキサポ」にお任せできます。

また、「アキサポ」は全国の空き家問題を解決するべく、当社の空き家活用事業「アキサポ」にご賛同いただいた全国各地の不動産会社や工務店などの空き家活用事業者とライセンス契約を結び、現在11府県14社(※2022年2月末時点)とアキサポネットを形成し提携しております。「アキサポ」の事業スキームと、アキサポネットメンバーが持つ地域性を活かした専門的な知識を掛け合わせることで、空き家活用の多様性を高め、より地域に合った空き家活用のご提案が充実することを期待しております。
アキサポネット公式HPhttps://www.akisapo.jp/akisaponet/

 

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大河 幹男
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2009年01月