旭化成、岡山県倉敷市の下水処理場にバイオガス精製システムを設置
-ゼオライト系CO2分離回収システムの実証開始へ-
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)と倉敷市(岡山県倉敷市、市長:伊東 香織)は、本日、岡山県倉敷市にてバイオガス精製システム(以下「本システム」)の性能評価、実証を行う契約を締結したことをお知らせします。
なお、当社の製造統括本部 水島製造所と倉敷市は、これに先駆けて同日、カーボンニュートラル社会の実現に向けた包括連携協定を締結しました。本件脱炭素化に資する実証実験の推進は、両者の連携項目の一つにあたります
なお、当社の製造統括本部 水島製造所と倉敷市は、これに先駆けて同日、カーボンニュートラル社会の実現に向けた包括連携協定を締結しました。本件脱炭素化に資する実証実験の推進は、両者の連携項目の一つにあたります
- 本システムの概要
本システムは、当社が開発したCO2を選択的に吸着する新規吸着剤「K-GISゼオライト」を用い、バイオガスからCO2を除去して高純度のメタンガス(バイオメタン)を精製するものです。従来の吸着剤はCO2と同時にメタンも吸着してしまう特性を有していましたが、「K-GISゼオライト」はメタンの吸着が極めて少ないため、高純度のメタンを高効率に分離回収でき、さらに高純度のCO2の回収も可能となります。
「K-GISゼオライト」の細孔径はCO2より僅かに大きく、CO2は結晶内に入り吸着されますが、それより大きい分子(メタン、O2、N2等)は入ることができないため、高い選択吸着性能を発現できます。
- 実証計画の概要
バイオガスは下水汚泥や生ごみなどから発生するメタンを約60%、CO2を約40%含んだガスであり、例えば欧米ではバイオメタンは天然ガスの代替として、またカーボンニュートラルな燃料として注目され、急速に需要が拡大しています。
倉敷市では、児島下水処理場にて下水汚泥から発生したバイオガスを用いて発電しています。このバイオガスの一部を本システムに取り入れ、バイオメタンを精製します。
分離回収したCO2をCCU(Carbon Capture and Utilization:二酸化炭素回収・有効利用)やCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留)に回せればカーボンネガティブを実現できます。
なお、本実証では、バイオガスを無駄にしないため、分離したCO2と混合して元の状態に戻し、発電燃料として使用します。
(2)実施時期(スケジュール)
2022年11月機器製作、2023年5月設置工事開始、2023年末運転開始
(3)実施場所
岡山県倉敷市児島小川町3695 児島下水処理場
(4)両者の役割
旭化成:本実証の設備設計、設置、運転、性能評価と実証
倉敷市:下水汚泥発酵により発生したバイオガスおよび試験用地の提供
(5)今後の展望
本実証後、バイオガス精製を手掛ける国や地域での実証を経て2025~2026年頃の上市を計画しています。また、バイオガス精製に限らず、他のガスでのCO2分離回収への展開も図っていきます。
当社は、今後も独自技術によるCO2吸着剤とバイオガス精製システムの実用化を通じて、「クリーンな環境エネルギー社会」の実現を目指し、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献してまいります。
■ 当社グループのサステナビリティについて
https://www.asahi-kasei.com/jp/sustainability/about_sustainability/
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