株式会社Scalar、ScalarDB 3.15 をリリース。属性ベースのアクセス制御機構およびベクトルストアへの対応を追加
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株式会社Scalar(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:深津航、代表取締役CTO:山田浩之)は、複数・異種のデータベースを仮想的に統合する汎用的なHTAPエンジンであるScalarDBの新しいバージョン3.15をリリースしました。 本バージョンでは、細かいデータ単位(レコード)でアクセス制御を行う「属性ベースのアクセス制御機構」を追加し、加えて、ScalarDBで管理できるデータベースとして「ベクトルストア」を新たに追加しました。これらの機能強化により、高度なセキュリティが求められるアプリケーションの構築や、大規模言語モデル(LLM)や検索拡張生成(RAG: Retrieval-Augumented Generation)の構築を容易に行うことが可能となりました。ScalarDBは、金融などのセキュリティが重視される業界から、AIを活用した先進的なビジネスまで、さまざまな業種や用途で幅広く活用できるようになりました。
ScalarDB 3.15の新機能概要
本バージョンでは、以下を始めとする機能追加や機能拡張が行われています。
属性ベースのアクセス制御機構の追加
これまでのScalarDBでは、ScalarDBが管理するデータベースのテーブル単位でアクセス制御を行っていましたが、ScalarDB 3.15では、レコード単位でのアクセス制御が可能となりました。当該機能により、各ユーザーの属性や役割に基づいて、レコードごとにアクセス権を柔軟に設定できるようになりました。例えば、複数の組織やアプリケーションが同じテーブルを共有しながら、それぞれがアクセスできるデータ範囲を細かく制限・分離できるようになりました。この機能強化により、ScalarDBは、金融などの高度なセキュリティを必要とする業種を含め、幅広いユースケースに対応できるようになりました。
ベクトルストアへの対応
ScalarDB 3.15 では、ScalarDBが処理できるデータベースの種類に「ベクトルストア」が追加され、ベクトルデータの追加や検索をScalarDBのベクトルインターフェースを通じて簡単に行うことができるようになりました。この機能強化により、AIを活用した先進的なビジネスの実現をScalarDBを用いることでより簡単に行うことが可能となりました。例えば、大規模言語モデル(LLM)における検索拡張生成(RAG: Retrieval-Augmented Generation)の構築等のプロセスを、すべてScalarDBを通して行うことが可能です。
なお、ScalarDB 3.15 では以下のベクトルストアと埋め込みモデルをサポートしています。
ベクトルストア:
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OpenSearch
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Azure Cosmos DB NoSQL
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Azure AI Search
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pgvector
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In-memory(ローカルテスト用)
埋め込みモデル:
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Amazon Bedrock
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Azure OpenAI
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Google Vertex AI
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OpenAI
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In-process(ローカルテスト用)
日付型・時刻型の追加
ScalarDB 3.15 では、対応するデータ型として日付型・時刻型(DATE, TIME, TIMESTAMP, TIMESTAMPTZ 型)が追加されました。これにより、日付型・時刻型を用いるScalarDBアプリケーションの構築が容易になりました。また、日付型・時刻型を用いる既存のアプリケーションからScalarDBアプケーションへの移行も容易となりました。
今後の展望
今後は、さらに多様なユースケースでの活用を可能とするべく、データウェアハウスやデータレイク製品への対応、各クラウドベンダにおけるマーケットプレースへの出品、災害対策にむけた半同期レプリケーション等の高い可用性を実現する機能等を開発を行う予定です。
【ScalarDBについて】
詳細は以下を参照ください。
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ScalarDB (GitHub): https://github.com/scalar-labs/scalardb
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ScalarDB (ドキュメントサイト): https://scalardb.scalar-labs.com/docs/latest/
【株式会社Scalarについて】
株式会社Scalarは、東京とサンフランシスコに拠点を持つ2017年に設立された日本発のグローバルスタートアップです。「データマネジメントの未来を創る」をミッションとし、異種複数のデータベースをまたがるトランザクションを管理し、分散したデータベース間の整合性の課題を解決する、分散トランザクションマネージャ「ScalarDB」とデータの真正性の課題を解決するデータ改ざん検知ソフトウエア「ScalarDL」の開発・販売をしています。詳細はウェブサイトをご覧ください。
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