再春館製薬所 、“新種”「不知火菊」から抽出した有効成分の特許を取得。
熊本県・不知火地方のみで伝わる「年齢から解き放つ花」を解き明かす、世界初の発見。
最近まで学名すら存在しなかった、その町の人々だけが受け継ぐ花
不知火菊は、熊本県宇城市不知火町で「お茶として飲むと病気が治る」という言い伝えのもと、ひっそりと民間伝承されてきた植物です。栽培する量も、土地の名産・デコポンなどの柑橘類を育てる敷地の一角で、自分たちが飲む分だけのほんのわずか。別の土地に持ち出すと、なぜかうまく育たない特異性ともあいまって、県内でさえも、町外ではほぼ知られることのない存在でした。
当時の不知火菊は学名も持たない事実上の新種ですが、そんな“幻の花”を再春館製薬所の研究開発員が偶然手にし、老化研究の第一人者である熊本大学の尾池雄一教授と共同研究を開始。探り当てたのが、医療系の情報番組で「心臓老化タンパク質(Angptl2/アンジオポエチン様因子2)」と紹介されて話題になった「ANL」への関与です。
ANLは体内で慢性炎症を引き起こし、心臓疾患や癌、メタボリックシンドローム、筋力低下促進などへの関与が報告され、さまざまな老化現象の原因となることが示唆されるタンパク質。再春館製薬所は、「加齢が原因で増加するANLの“肌”への影響」という点に着目し、2013年には学会で「心臓や血管などと同様、同タンパク質が皮膚で増えすぎるとシワやシミの原因になる」事実を明らかにするとともに、ANLを80%抑制する効果を持つ「不知火菊エキス」の存在を世界初の発見として公表。各界から注目を集めました。
高精度な原料・応用領域拡大の安定供給への取り組みが、地域創生にも。
“新種” だけにまだ研究の及んでいない分野も多く、その秘められた力と可能性を余さず解き明かすべく、現在も研究が進む不知火菊。その過程でも新たな成果が見出されており、今回取得した内容とは異なる特許が出願中であることも、その表れです。そんな不知火菊の研究や製品への応用を進める中、「花やつぼみ部分は、全草使用時に比べて活性が高い」という実証を得て、原料として同部位を中心に使用するために、再春館製薬所は農家主導のもとで行っていた、社員による植え付け・管理・収穫を行う自社管轄栽培を拡大。宇城市の「地域おこし協力隊」の協力のもと、当初300株程度だった不知火菊は、現在、不知火町大見地区で約8,000株を栽培するまでに。製品の効果をさらに高めるべく、精度の高い原料の安定供給を目指す姿勢が、地域に根づく新たな産業の活性化につながっています。
今回の特許は「化粧品への応用」のみにとどまらず、ANL抑制による心筋梗塞や癌、生活習慣病などの疾病への働きかけ、「体全体の炎症から起こる筋力の低下抑制」といった老化防止効果を目的とする機能性表示食品や創薬(新医薬品)など、新たな展開が期待されます。また、熊本県が推進する「熊本発ライフサイエンス分野の産業創出」を目指す「UXプロジェクト」にも実証データや技術を提供することで、国内で抱える課題解決までも図ります。
参照:特許取得内容(不知火菊由来のフラボノイド成分を特定し、ANL抑制作用の効果を確認)
一見、最先端のサイエンスに映るこれらの研究も、その「人間が本来持つ力に、自然界の生命力で働きかける」アプローチは、実は漢方理念と軌を一にしたもの。再春館製薬所の研究が、自己回復力に関わるタンパク質、生薬や植物の成分など多岐にわたっていることも同じ理由です。一方で、製薬会社の技術力を活かし、加工法や抽出法の研究など、力強い原料のポテンシャルを最大化する研究にも余念がありません。老化現象全体を研究しつつ、漢方理念と皮膚科学研究、さらには技術力を融合し、ドモホルンリンクルをはじめ、より進化した製品を提供し続ける。それが「漢方の製薬会社」、再春館製薬所の使命です。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像