【著者インタビュー】DXの失敗は「方法論の失敗」である。グランバレイが提唱する『次世代DXの設計図』書籍公式LPを公開
~ 書籍『次世代DXの設計図』執筆の裏側。著者が経営者に伝えたいこと ~
グランバレイ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:大谷 泰宏)は、2025年7月16日に東洋経済新報社より刊行された書籍『次世代DXの設計図 –生成AIで切り拓く経営革新–』の公式ランディングページ(LP)を公開しました。
『次世代DXの設計図』公式ランディングページ:
https://www.granvalley.co.jp/next-generation_dx_blueprint-book

公式LP公開を記念し、同サイトにて本書を執筆した当社BI戦略教導グループ シニアマネージャー 鍜治川 修と同グループ マネージャー 佐藤 慶典への特別インタビューを掲載しました。ERPとBI分野に20年以上の経験を持つ業界の実践者として、「経営に資するDX」がなぜ進まないのか、生成AIは脅威なのか、その理由と今後の展望を語ります。
著者談「AI時代、企業の競争優位性は『人』から『データ』へ完全に移行する」
LP公開の背景:既存DX推進の限界と生成AIの脅威
近年、多くの企業経営においてDXが最重要課題とされながらも、データ活用が進まず、真に「経営に資するDX」の実現に至っていないのが現状です。この構造的な問題は、IT業界全体での人材不足の深刻化によってさらに複雑化しています。
さらに、生成AI(GenAI)の破壊的なスピードでの登場により、従来のシステム開発や投資の手法は根本的な見直しを余儀なくされています。この課題に対し、本書は単なる戦略論ではなく、実際に大規模プロジェクトに複数参画した現場視点から生まれた「実践知の集大成」としての具体的な「開発方法論」を提供します。 さらに「2025年の崖」を乗り越えデータ活用を見据えたERP導入戦略、急速に進化する生成AIの業務活用に企業はどう向き合うべきかをひも解きます。
本書『次世代DXの設計図』は、『データドリブン経営の不都合な真実』、『データドリブン経営実践バイブル』に続く、経営に資するDX成功に向けた三部作の第3弾として位置づけられます。
著者の「想い」:LP掲載インタビューのハイライト
LPに掲載された著者インタビューでは、鍜治川らがDX失敗の本質と、生成AI時代を生き抜くための具体的な戦略について警鐘を鳴らしています。
A. DX失敗の本質は「方法論の失敗」である
鍜治川は、DXが成功しないのは業務の複雑性や高難易度による失敗ではなく、方法論の失敗であると指摘します。
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従来のウォーターフォール方式や標準的なアジャイル開発は、データ駆動型プロジェクトの進化する要件や迅速なフィードバックループと両立しないという構造的欠陥があります。
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グランバレイが提唱する「DX開発方法論」は、ウォーターフォール方式の堅牢性とアジャイル開発の機動性を組み合わせた「ハイブリッド型アプローチ」であり、不確実性の高いDXプロジェクトを成功へと導くために独自に開発されました。
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この新しい方法論の核は、最適化された開発手順とそれを実現するための要件定義フェーズの根本的な見直しです。従来のシステム納入をゴールとするのではなく、プロジェクトの成功基準を「測定可能なビジネス価値の提供」へと昇華させます。
B. 競争優位性の源泉は「人」から「データ」へ完全に移行する
従業員数十人規模で数十億円の売上を叩き出すAIユニコーン企業の台頭により、従来の企業の競争優位性の基盤であった「優れた人」の力に依存する構図が根本から覆されようとしていると警鐘を鳴らしています。
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今後、企業が生き残る鍵は、「どれだけ自社のデータをAIに学習させられるか」にかかっています。
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日本企業が強みとしてきた「暗黙知」も含め、企業内のあらゆる資産(ノウハウ、業務プロセスなど)をデータ化し、AIに学習させることが企業の命運を握ります。
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これからの時代、企業にとって最も重要な資産はもはや「人」ではなく、「情報」と「データ」に集約されます。
C. AI時代を生き抜く「Fit to Standard」の必然性
「生成AIの恩恵を最大限に受けるためには、ERP(基幹業務システム)の導入戦略において、国際標準である『Fit to Standard』への転換が不可欠」と著者の佐藤は語ります。
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クラウドERPの最大の利点はベンダーによる頻繁な機能改良にあります。しかし、自社業務に完全適合させたアドオン開発(独自機能の追加)に固執すると、ベンダーが提供する最新機能や今後組み込まれる生成AI機能を利用できなくなります。その結果、最新のテクノロジーを経営やビジネスに取り込むことができず、他社から遅れを取ってしまうことが懸念されます。
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最新のテクノロジーを活用しないことは、システムの進化を阻害することと同義であり、それを妨げる要因を取り除くための変革を躊躇している猶予はありません。
D. AIが代替できない「人間の優位性」
生成AIがホワイトカラーの99%の仕事を奪う可能性がある一方で、人間が価値を失うわけではないと鍜治川は述べています。
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AIは既存のデータを基に推論や穴埋めを得意としますが、ゼロから新しいものを創出することは難しい。
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従来の枠組みを超えた、全く新しい価値を創造する力こそが、AI時代における人間の最大の武器であり、淘汰されないための優位性です。
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AIが仕事を奪うのではなく、「AIを使いこなす人が、あなたの仕事を奪う時代」に突入しており、AIをツールとして使いこなし新たな価値を創造できる人材が、いま求められています。

書籍概要
タイトル: 次世代DXの設計図 -生成AIで切り拓く経営革新-
発行日: 2025年7月16日
サイズ: 四六判
ページ数: 224ページ
著者: グランバレイ株式会社 鍜治川 修、佐藤 慶典、塩見 哲平
定価: 2,090円(税込)
発行: 株式会社東洋経済新報社
【主な内容】
第1章・第2章(鍜治川修 執筆): ウォーターフォール型やアジャイル型開発の課題を踏まえた、グランバレイ独自の「DX開発方法論」とその要件定義フェーズを詳解。
第3章(佐藤慶典 執筆): 「2025年の崖」を乗り越えデータ活用を見据えたERP導入戦略。「Fit&Gap」から「Fit to Standard」への転換を提唱。
第4章(塩見哲平 執筆): 急速に進化する生成AIの業務活用について、最新の導入事例とデータ分析における可能性を深掘り。
【このような方におすすめ】
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DX推進のキーパーソンの方
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企業のトランスフォーメーション(変革)の舵取りを担う経営層の方
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生成AIでデータドリブン経営を加速させたいと考える全ての方
著者紹介
▼鍜治川 修(カジカワ オサム)
グランバレイ株式会社 経営企画部 BI戦略教導グループ シニアマネージャー。
ERP/BIコンサルタントとして27年の経験を持つ。大手コンサルティングファームやBIベンダーを経て2012年にグランバレイに入社。現在は、BI/DWH導入の構想策定や要件定義の支援とともに、データ活用を指南する「BI戦略教導」の一環として、各種導入方法論の策定と普及活動に力を注いでいる。著書に、『データドリブン経営の不都合な真実』、『データドリブン経営実践バイブル』(東洋経済新報社)がある。
▼佐藤 慶典(サトウ ヨシノリ)
グランバレイ株式会社 経営企画部 BI戦略教導グループ マネージャー。
前職のSIer時代から現在に至るまで、一貫して20年以上にわたりSAP導入プロジェクトに従事。グランバレイ入社後はコンサルタントとして、ERPとBI双方の視点からデータ活用を見据えた基幹系システムの導入を支援。過去の豊富な事例と最新の状況を組み合わせ、最適なプロジェクト推進を行っている。
▼塩見 哲平(シオミ テッペイ)
グランバレイ株式会社 経営企画部 BI戦略教導グループ マネージャー。
SIerで業務システム開発にSE/PMとして15年携わった後、グランバレイに入社。AI/機械学習プロジェクトに従事する一方、AI/機械学習に関する社外向けセミナーを企画・開催し、好評を博す。Amazon Web Services / Microsoft Azure / Google Cloud上でのデータ活用基盤構築を支援。
以上
【グランバレイ株式会社について】
グランバレイは、特定のIT製品やベンダーに依存しない中立的な立ち位置で、顧客に寄り添ったコンサルティングサービスを提供する「データ×経営のスペシャリスト」集団。AIや機械学習、統計解析など、最新のテクノロジーを駆使したデータ分析によって、多数の企業のデータ駆動型経営の実現を支援。2005年の創業以来、SAP導入企業を中心に国内外各産業の有力企業の経営管理システム構築に携わる。
詳しくは、www.granvalley.co.jp をご覧ください。
【報道発表に関するお問い合わせ先】
グランバレイ株式会社
マーケティング
TEL :03-3230-1133
Mail: myamauchi@granvalley.co.jp
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